劇団公式サイトや役者のブログ、更新の止まったサイトに対して思うこと。勢いでつくったSNSのアカウントもね。
今日は劇団や団体の公式サイト、あるいは役者のSNSやブログなどについて思うことをお話しします。今まさに開設準備をしている人・既に開設している人・開設しようか迷っている人、お時間ありましたらぜひ読んでいってください。
誰でも簡単に発信の場が持てる時代
WixやJimdoなどの無料でサイトが作れるサービスが普及し、専門的な知識がなくとも見栄えの良いサイトが簡単に作れるようになりました。実際、これらを導入している劇団は多く、よく見掛けます。
役者個人となるとTwitter・Instagram・Facebookなどのサービスなり、ブログサービスなり。ブログとなるとAmebaが主流なのかな?(役者のブログに関してはまったく食指が動かず、すまん。)
サイトを作成するスペースも簡単に準備できるし、オシャレなサイトがサクっと作れる。SNSのアカウントを取得することも簡単だし、ブログだって企画・プロジェクトごとに準備できる。
そういう時代だから公演やイベントなど企画が立ち上がった時にも動きやすく、特設ページやイベントごとのページが立ち上がることも多い。しかし「それゆえに」のデメリットもある。
中の人が意外と気付かないポイントの話
「企画」と「中の人」の話。前述の通り、SNS・ブログ・サイト、アカウントやドメインの取得は簡単。そうなると増えるのが企画始動でハイになり、テンション上がった勢いでアカウントを取得、開設したことである程度満足し、竜頭蛇尾でいつの間にか更新が止まる、これ最悪のパターン。
役者主体の企画で発生しやすいのは
役者が主体となってプロジェクトを発足させることも多く、企画制作進行管理までを一人の役者もしくは少人数の持ち回りのような形でやるようなケースもある。経験の乏しい・慣れないことをスタートさせるというだけでも骨が折れるのに継続するとなればどれだけ大変なことか、どんなことを想定しておかなければならないか、大して考えず勢いで始めて「いわんこっちゃない」になる案件は数知れず。
そもそも役者は本番が近づけば本業に専念せねばならず余裕が無くなるわけだから、そのタイミングでどう維持するかを事前にしっかり準備しておかないと。スタッフとして人員確保するなり役割分担で常に人の手を確保しておくなり。
制作周りが手薄でも同じ事態を招く
規模の小さい公演だと顕著。制作スタッフが広報を兼ねるケースも多く、いやしかし制作の仕事ったら激務なので、やはり公演が迫るにつれて更新が難しくなります。支え合いながらうまいこと回せたら理想的。
放置するくらいなら消去!機能していないページなど消してしまえ!
団体や公演のページにせよ、役者のブログにせよ、企画のアカウントにせよ、ろくに稼働させないなら消してしまえ!と思う。むしろ、消えてしまえ!念力かなんかで消せたりしないかなって思う時さえある。稼働していないコンテンツ、その存在が本体の足を引っ張るのだよ。理由はこの記事の最後に書きます。
ほんの少し先の展開すら想像しないのはアウト
私自身「やらないよりはやってみよ」と考えているタイプなので、挑んだ結果に惨敗しようとそれを責めるつもりはありません。ただ、ほんのちょっと先のことすら読まずに突っ込んで引っ掻き回すだけ引っ掻き回すようにして挫折っていうのは「オイコラ!お客様や他の関係者を巻き込むなッ!」と思う。
白昼なのに薄暗い、さながら廃墟。
更新されないサイト、放置されたブログの廃墟感たるや。……。いや、廃墟なんて言ったら廃墟に失礼だわ、放置されたサイトやブログなんて絵になるような雰囲気のあるものじゃなし。
個人的な感覚で言うと放置されて時を止めたまま漂っているブログは……ダサっ!と思う。内容や表現など、当時はよかったにせよ今このタイミングで出会ってしまったらだいぶアレなものだって多く存在しますし。それが今後あなたや私の目に触れるか触れないかは別として、誰かの目には触れるかもしれない。
放置されたサイトやブログがダサく、ときに痛々しく見える理由。
それは内容や情報が古いとか埃を被っているという話ではなくて、単に、デザインが進化しないから。特にサイトやブログのテーマ・テンプレートに関してはデザインの移り変わりがとても早く、取り残されたままのものは残骸のように見えてしまう。
特に役者が今も活動している場合はマズイ。語弊を恐れずに言うと、古いデザインというのはどうしたって多少の黒歴史感が漂いがち。たとえ本人にとって誇らしい仕事であったとしても、だ。
デザインの流行り廃りと置き去りにされた情報、対して今も動き続けていることのギャップ。
時間が止まったままの「中途半端に古いデザインがかもす空気感」と「進み続ける今、走り続ける今!そして未来!」とのギャップ。この差はもうどうしたって埋められない。
デザインの気分・時間・時代感を見失うことなく運営者として責任を持ち、「維持(継続)するのか」「一定期間を経過したのちに終了(クローズ)するのか」そこまでを含め管理をどうするのか考える必要がある。継続するならするできちんとメンテナンスしてゆくことが必要だし、クローズするならするで挨拶や周知など閉めるための作業が必要。いずれにせよ放置はネガティブなイメージしか与えない、これは絶対。
稼働していないコンテンツが本体の足を引っ張る理由
ヒトコトで言うと、第三者の目線で見た際に団体に対し「アクティブではないという印象が強まる」から。
現場を知っていると開幕直前のバタバタが簡単に想像できるので更新が滞りがちでも「ああ今大変なんだろうなぁ」と思えるのだけれど。お客様には関係のない話。
開幕直前ともなれば期待して待っていてくださる方も多いでしょうし、チケット状況を知りたい方だっていらっしゃるでしょう。そういったお客様からしたらSNSやサイトの更新が頼りであったりするわけです。当日券情報みたいに、少しでも早く状況を知りたい案内なんかもありますし。
本来、お客様からしてもっとも必要としているであろう時期・求めているタイミングで留守というのは……ね?自分がユーザーだと思ったら、不安ではないですか?
娯楽性や促進的な意味合いでも大切だし、顧客サポート的な意味合いでも大切なこと。そこにアクティブなイメージがあれば期待感を煽りつつ、安心感も生じ、ポジティブな印象へ向く。そうでなければどうしたって心許ない印象を抱いてしまうということ。
大きな損失に繋がるようなことではないから意識的にそれを見つめる人は多くないでしょう。ただ、私は、少なからず無意識下での影響はあると考えています。自分自身が「ああ、この団体はなんだかとても信用できるな、安心出来るな。」と思う機会があり、よくよく考えるとそういった団体は発信にムラがないから。
人は意外と無意識に嗅ぎ分けるし、演劇業界特に小劇場界隈での販促と考えると、現状、やることをきちんとやるだけである程度の差をつけられるというオイシイ状況なんですよ。
言い方が悪いけれど、出し抜くなら今!なのですよ、これホント。