おめでとう と ありがとう を込めて
お元気ですか。poeです。
ハレの日のご飯
我が家の定番は、お赤飯。
母がそうしてくれたから。
家族の誕生日、発表会がある日、部活の大会がある日、合格した日
前日の夜、小豆をゆで、煮汁を冷まし、
もち米を洗い、綺麗なピンク色の水につける。
当日の早朝、大きな蒸し器で蒸し上げる。
母のライバルは、プロのお餅屋さん。
もち米や小豆の種類、ゆで加減、煮汁の色、
こだわりや研究を重ね、たどり着いたお赤飯は、確かに格別の出来栄えだった。
全くもってストイックではない母の、何がそこ迄の情熱を掻き立てるのか。不思議に思いつつ、毎回、美味しく頂いていた。
秋になると、赤飯には栗が入る。
栗を剥くのは父の仕事。
包丁で、丁寧に鬼皮と渋皮を取り除き、食べやすい大きさに切る。
病で皮剥きが出来なくなるまで、毎年、数キロの栗を剥いてくれた。
栗の皮剥きは、特に鬼皮を取り除く際に力が必要で、数個仕上げるだけでも、手が疲れてしまう。
私が家を出てからも、
毎年、剥き栗と、小豆ともち米が送られてきた。作るのは頑張ってねと。
自分が家族を持ち、同じように栗入り赤飯を一から作ってみて、ようやく大変な工程が理解できた。
子供のころ、母の思いも、父の苦労も、知らぬまま、
お赤飯美味しいな。
としか感じていなかった自分が何とも残念でならない。
今年も栗が送られてきた。
数年前から、皮剥きも母の仕事となった。
ところどころに渋皮が残った栗を見て、
父は几帳面だったのだな。
母はさぞかし疲れただろうな。
これからは、私が送る側に回るとしよう。
いつまでも元気で!
そんな今年の秋。
レシピ
私は、いつも土鍋で炊いています。
母は、蒸し器で蒸していました。
蒸す方が、ふっくらして、お米や小豆、栗の味が濃縮されているような気がします。
土鍋や炊飯器で炊くのは、蒸すほど手間がかかりませんが、水分調節が難しく、べちゃべちゃしがちです。
材料
・もち米 お好みで(写真は4合)
・小豆 適当(多めが好きなので1カップ位かな)
・塩 少々
・栗 あれば!
作り方
1 もち米を洗い、ザルに揚げておく
2 小豆を軽く洗って、鍋に多めの水と小豆を入れ、火にかける
3 沸騰し、灰汁が出たら、一度茹でこぼす
4 再び、鍋に多めの水と先程の小豆を入れ、火にかける
5 沸騰後、濁りのない、綺麗なピンク色の煮汁になったら、小豆をザルにあげ、煮汁を大きめのボウルに移す。
6 もう一度小豆を水から炊き、指で潰せる位の固さになるまで煮る。
7 取っておいた煮汁を、熱いうちに、お玉で掬い上げ、空気にさらす。すると、煮汁が鮮やかなピンク色に変わる(ここが母の一番のこだわり)
8 もち米を土鍋や炊飯器に入れ、煮汁(温度が冷めていること!)規定量のちょっと多めを入れる。(4合だと煮汁4カップ+ちょっとおまけ)
※蒸す場合は、洗ったもち米を、冷ました煮汁に浸けて、数時間置く
9 塩を少々加える。(うっすら塩味がする程度)
10 栗を入れる場合はここで投入 しばらく漬けて、もち米に吸水させる
11 炊飯開始!
炊飯器ならスイッチオンで出来上がりを待つのみ
土鍋では、沸騰するまでは強火、沸騰後弱火で、パチパチッと云う音がしたら、火を止め、30分くらい蒸らす
完成!
※蒸す場合は、もち米のみを蒸し器にセットし、火にかける。浸けていた煮汁は、途中、もち米に振りかけて水分を足すのに使います。ここの水分調整が難しいらしい。
お赤飯の薬膳的効能
まさに、ハレに日に食べるべきメニューなんです!
もち米は、お腹を温めて、【氣】=エネルギーを補います。消化も良いので、胃腸が弱っている方、疲れ気味の方におすすめです。
小豆には、余分な水分を体外に出す働きがあり、浮腫や二日酔いに良いとされています。赤い色は抗酸化作用のあるアントシアニンで、肝機能や視力の向上効果があります。
栗は、アンチエイジングに効果のある食材です。渋皮部分は抗酸化作用もあるので、渋皮ごと食べると栄養価は上がります。
先人達にどこまでの知識があったのかは解りませんが、お祝いや門出にあたり、いつまでも元気で長生きして欲しい。との願いが込められたお料理ですね。
これからも、思いを込めて丁寧に作ります。
※身体に良いから!と毎日食べるような事はやめてください。季節や体調に応じて食材を選び、身体全体のバランスを整えることが薬膳の目的です。
お読みくださり、ありがとうございました。
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