【ベクトル】 〈2〉 基本となるベクトル
ベクトルは、小学校からずっと習ってきた「数」とは、ちょっと異なる量です。方向が加わっているのが理由ですが、そのおかげで「図形」にも応用しやすく大変便利な道具です。
「数」+「図形」、つまり、長さや成分のような数量=代数的な意味合いと、方向を持った矢印=幾何的な意味合いが含まれているのがベクトルです。「方程式」の解説でも述べましたが、数学の面白さ、美しさを味わうことのできる分野ですので、順に、整理していきましょう。
[Method] 「基本となるベクトル」からの解法
① 題意から正確な図を描く
②「基本となるベクトル」を決める
③ すべてのベクトルを「基本となるベクトル」で表す
④ 題意を実現するための立式をする
② 「基本となるベクトル」を2本決定(平面)
解放の入り口は、基本となるベクトルを決めることです。
〈例1〉△OABにおける「基本となるベクトル」
ベクトルの問題では例外なく、まず、2本の平行でないベクトルを見つけます。この例では、OA→とOB→を見つけ、「基本となるベクトル」と呼ぶことにしましょう。
③ 関係するベクトルをすべて「基本となるベクトル」で表す
問題内で扱われるすべてのベクトルをこの2つのベクトルで表すことが第一歩です。一見無駄があるように思われますが、決してそのようなことはありません。
手法は以下の通りです。
〈例2〉延長・短縮
〈例3〉内分点
〈例4〉外分点
〈例5〉重心
〈例題6〉
この例題では、OC→、OD→を「基本となるベクトル」a→、b→で表します。点Pは内分点なので、s:(1-s)、t:(1-t)に内分されているとして、OP→もa→、b→で表していきます。(0<s<1、0<t<1)
すると、s側とt側の両方でOP→が表されるので、s、tの連立方程式を解いていきます。
この例題が基本中の基本になりますから、ぜひ、この手順をマスターしてほしいです! エンドが違っても、3次元でも、基本的にはこの解法と同じ道筋なので、一石∞鳥です!
延長する場合は、k倍するのですが、OQ→をk側とu側で表し、連立方程式を解くので(1)と同じ手法ですね。
空間であっても解法のMethodは同じ。「基本となるベクトル」は、
〈例題7〉
「基本となるベクトル」を決定するには大切な条件があります。
こrを一次独立といいます。
つまり、方向が違う2つのベクトルでないとすべてのベクトルを表すことができないので、このような条件が必須なのです。慣れてきたらでいいので、必ず書き加えるようにしましょう。
[Method] 一次独立
〈問題8〉
〈問題解答例8〉
〈問題9〉
〈問題解答例9〉
〈問題10〉
〈問題解答例10〉