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【方程式】 〈8〉 関数の方程式
数学では、2次方程式、円の方程式、ベクトル方程式など、様々な「方程式」が登場しますよね。しかし、実は、違う意味合いの3種類が混在しているのです!
最後は、関数を求める!という方程式です。つまり、答えは、f(x)= となる問題ですね。
数学的には微分方程式が王道ですが、高校数学では、「積分を含む関数」が唯一かもしれません。きちんと整理・解説して、「そうだったのか!」「Methodを理解!」という領域まで到達しましょう。
答えが、関数
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関数の中に関数がある?
関数を求める?
「積分を含む関数」では、今まであまり見たことのない式が書かれています。そこで、
左辺の f(x) を外の関数
右辺の定積分の中にある関数 f(t) を中の関数
と呼ぶことにしましょう。
混乱の最大の原因は、 f(x) 、 f(t) で文字は違えど基本的に同じ関数であることです。関数の中に同じ関数があるので、無限ループになっているようにも見えますよね。
ここで、まず、定積分の結果について考えてみることにしましょう。
例えば、区間の決まった定積分では、
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のように、数を代入して引くことになるので、結果は、定数(数字)になりますよね。ですから、中の関数 f(t) が含まれる部分は、定積分されるので、定数 k(普通の数字)と扱うことができます。この k が極めて重要で、解法のMethodそのものです。
①までは何とかできて、②の手順が浮かびにくです。「kを計算していく」と覚えるといいかもです。
[Method] 積分を含む関数
① 中の関数 f(t) について、定積分されている部分=定数 k とおく
② k= からはじめて、k の方程式を作る
〈例題1〉 中の関数が f(t) のみの場合
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右辺に含また定積分が、 f(t) のみの場合は、Methodの通りの解法です。まずは、この手法を完全にマスターにて、解放のリズムを掴みましょう。定数 k を求めていくのです。
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〈例題2〉 中の関数に、 f(t)、x が含まれている場合
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中の関数が t で積分されているので、x は、定積分の外に出すことができますよね。積分に関係する文字は 「dt」のところに記述されているので、微分よりは、ずいぶん見極めやすいです。冷静に文字を見て、例題3と区別できるようにしましょう。
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〈例題3〉 中の関数に、 f(t)、t が含まれている場合
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このパターンは、中の関数に t も含まれています。積分に関係する文字ですから、積分の結果に大きく影響しますから、定積分の結果は異なる定数になります。そこで、a と b の異なる文字の定数としておくことになります。
結果として、a と b の連立方程式を解くことになりますね。例題2と区別できるようにしましょう。
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〈例4〉
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〈解答例4〉
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〈例5〉
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〈解答例5〉
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