介護レジェントからの学び
月曜日はお休みをいただいておりましたので更新をしませんでした。
しっかり休みを取り、子供との大切な時間をとることは今しかできないことなので大切にしていきます。
先週、介護業界のレジェントのセミナーを社員一同で受講。
この方とのご縁はなぜか弊社に求人応募があった1通のメールから始まる。
弊社が出していた求人は原稿作成というパート業務。
その応募者の名前を見た時、私が10年くらい前に読んでいた介護系の雑誌で連載をしていた方の名前と一緒。
そんな方がパートでしかも弊社に応募?
そんなことないだろうと思いながらも珍しい名前のお方なので同姓同名ということはあり得ない。
何かの間違いか、それとも何か騙されるのか、そんな半信半疑の状態で一度お会いすることに。
お会いすると、私が連載を読んでいた本物の介護業界のレジェント。
駆け出しのコンサルだったときに何とか知識をつけようと本を読み漁っていた時の記憶が蘇る。
いろいろお話させていただき、さすがにパートで求人原稿を作ってもらう訳にもいかないので、紆余曲折があったが毎月1回社内メンバーに介護保険の歴史や流れ、今後の未来について講義いただくことになった。
1時間の講義だがハッキリ言おう、本当にレベルが違うとはこういうこと。
還暦を過ぎていらっしゃるが迫力のある声量、細かな数字までしっかりと伝える知識、弊社社員も一度あったら忘れない記憶力、ハンパない。
スライドは4枚くらいだが、ホワイトボードを駆使し、全く飽きることのない講義。
介護保険の歴史を語る官僚や戦略コンサルの方もこのような話なら出来るかもしれない。
しかし、このレジェントは現場をバリバリやってきているので言葉から現場の臨場感が伝わってくる。
このレジェントが言う。
「介護はあそび心が大切だ」
レジェントは話を続ける。
「この間、東京で地下鉄に乗っていたら若者が席に座っていた。すると、70歳くらいのおじいさんたち3人が登山の恰好で乗車し若者の前に立った。若者の隣に座っていた中年の女性は席を譲り、若者も席を譲るかと思っていた。すると若者が怒鳴りだした。なんでお前らに席を譲らないといけないんだ。俺たちが朝から晩まで安月給で働いたお金で年金もらっているのがお前らだろ。俺たちの働きがあるから山行って遊んで暮らせているんじゃないのか。だから今疲れている俺が座るのが日本の為だ。と言い放った」
さらに話を続けるレジェント。
「この若者の主張は間違っていない。でもあそび心がない。私が言うあそび心とは、愛情、尊敬、美徳、この頭文字をとってあそび心。介護にはあそび心こそ大切にしなければならないと私は考える」
これだよ、この話。
この話は現場を見ている人しか出てこない哲学ですよ。
このレジェントは言う。
「医療の本質は科学、正解不正解がある。それと比較し、介護の本質は何だと思う?それは哲学だ」
本で読むのと生で話を聞くのとでは迫力が違う。
あと3回の講義だがこれからも楽しみである。
そんな「あそび心」があるレジェントと前回講義終了後会食をし、その後レジェント行きつけのお店に連れていってもらった。
レジェントが隣の女性に語りだす。
「あなたは1円玉だ」
なんの話?
何を言い出すんだという空気感。
「あなたと私は1円玉よ、ご縁(五円)になるまでまだ酔えん(四円)」
哲学はこういう店で磨かれるものだと深夜の勉強会でも学んだ。