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【仕事・教育】 何も教えようと思っていないイチローに、教えられた人は多い。

野球が大好きな私。

今も、毎月バッティングセンターに行くし、

多分、知識も、プロ野球・メジャーリーグ・高校野球・大学野球、「結構ある」と言って大丈夫なレベル。

そんな中で、小さい頃からのヒーローのひとりがイチロー。

どんなすごい選手かの説明はわざわざいらないと思うけど、ついに日本人で初めて米国野球殿堂博物館の殿堂入りを果たした。

すごい。本当にすごい。きっと、ずっと追いかけてきたからこそよく分かる部分もある、本当にすごい。

そんなイチローの中で、私が「かっけー」と思ってるところをツラツラと。


言葉で教えるのではなく、背中を見せる。

その背中から何かを学んでくれたとしたら、それが結果的に教えになる。

イチローはよく、「何かを伝えようとすればするほど、人の心には残らない」と言っていた。

だから伝えるための言葉を発するのではなく、何かをすることで結果的にそれがメッセージとして伝わる、というところにこだわってきた。

とりわけ選手としては、見ていればわかる、という立ち居振る舞いを大切にしていた気がする。


何かを説明して理解してもらうためには、実際に動いて見せられるほうがいい。

現役を引退してからも、そのスタンスが変わってないところも、またかっけー。

例えば、今のイチローはメジャーのマリナーズで野球を教える立場にいる。

でも、イチローのほうから何かを教えようと歩み寄ることはないらしい。

イチローは常に門を閉ざすことなく、選手を待っている。もちろん、ただ待っている訳じゃなくて、選手のときと何ら変わることのないストイックな生活をしながら、練習を重ねて、トレーニングを積み、身体を作っているとのこと。

何かのインタビューで、その理由を、こんなふうに話していた。

「選手に質問されたり、何かを説明したりして理解してもらうためには、実際に見せられたほうがより説得力が増す、と考えているからです。」

かっけー。

春キャンプのトレーニングに参加するためにアメリカへ発つ直前は、現役時代と同じように神戸の球場で自分のためのトレーニングをしてるらしい。

そして動画もみてみると、キャンプでは、バッティング・ピッチャーとして、テンポよく、打ちやすいボールを投げ続けている。

しかも、そのために全体練習が始まる前から入念なアップをして、キャッチボールだけでは足りないからと3月に入る頃からは遠投も始めたとのこと。

決められたバッティング練習の他に、ケージで打ちたいからとイチローに申し出てきた二人の選手に、イチローは投げ続けている。そのボールのスピードたるや、バッティング・ピッチャーの次元じゃない。おそらく現役時代のイチローこそ、こういう練習がしたかったはず。

しかも、イチローは彼らが抱える課題を把握して、克服することにも繋げている。

あるバッターに対しては、内角のボールを逆方向へ打てず、引っ張ろうとして引っ掛けてしまう悪癖を矯正しようと、ことごとく内角へ投げ続けた。口でこうしろ、と言うのではなく、このボールをどう打つかを考えるきっかけを与える、イチローならではの思いが込められた練習だった。

はぁ…かっけー。

結局のところ、

イチローは何も教えようと思っていない。
でも、イチローに教えられた人は多い。
おそらく彼は、ただ受け身で教えられるのを待っている人には何も教えることができないと考えている気がする。

百聞は一見にしかずって言葉もある通り、”口”より”姿”の方が教えられる度合いが高いという話も、もちろんそう。

でも、そもそも、教える側として、「口だけの人じゃない」っていうのがすごく大事だと思う。
そういう人って、尊敬できるし、協働したいって思える。

どういうあり方で、周りと関係性を築いていくか。
そして、それをどこまで続けることができるのか。

挑戦すること。続けること。ブレないこと。謙虚であること。

これからもイチローは、その最高のお手本であり続けるんだろうな。
きっと、私たちが、前に進もうという意志を持つ限り。

いつまでも、かっけーヒーローです。






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