【 #詩 #散文詩 】断章 かたち
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それはつねにかたちを求めていた。鳥、牛、耳、虫、どんなものでもいい。姿を、かたちを心の底から欲していた。しかしついぞそれを手に入れることはできなかった。
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ちからなく、かたちなくうなだれる世界は、偏光により3つに分かれた。昼と夜はかたちを取り戻しつつある。
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見てみるがよい。この神々しい姿を、愛らしい猫を、苦しむ塑像を。見てみるがよい。魚が飛ぶ姿を、石が話す様子を、手がかじかむのを。
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やさしさとはかたちないものである。不思議と悪い気はしないが、門をくぐればじきに会えるだろう。
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つまづいたのはこいつのせいか? 私をあざ笑うとは何事だ!
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嗚咽がこだまする庭園のベンチには、悪魔の翼を生やした乳飲み子が立っていた。その手を取れば、虹と雲とみみずくのある領域へとたどり着くことができよう。もうここを発つ。
※「自動記述」の手法によって編んだ詩です。仮名から漢字への変換、明らかな文法間違いの修正など、原文より調整を行っています。解読不能な箇所がある場合も、可読部位を文字に起こして投稿します。
【原文】