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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た

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書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親) 新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ね…
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#習い事

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #はじめに

書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親) 新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ねる。現在、米国在住。  「子育てはどうしてこんなにつらいんだろうーー」 そう思ったことはありますか。私はあります。  ライター/編集者として、「仕事と子育てを両立すること」に疲労困憊している親(特に母親)の姿をたくさん見てきました。ちゃんと育てなきゃという内側からの使命感や、ときにはプレッシャー

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #17

習い事選びのもったいない③ (17) 観察は難しいけれども意味がある  前回、親の観察を妨げる「邪魔者」について考えました。 しかし、たとえ「邪魔者」の存在を認識していても、「ただ観察する」ことは簡単ではないです。  例えば、うちの子は絵をよく描いている、よく踊っていると感じても、「でも、子どもはみんな絵を描くのが好きでしょう?」「子どもは誰でも踊るのが好きでしょう?」と思ってしまうかもしれません。  井上さんはこう言います。「例えば、『絵を描くのが好き』と一言で言っ

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #16

習い事選びのもったいない② (16) 観察におけるいくつかの「邪魔者」  前回(#15)に続いて、「習い事選びのもったいない」について、です。  親の観察を邪魔するのはどんなものでしょうか? 例えば、「小さいころに絶対〇〇を習うべき」「私がやってよかったので(よくなかったので)〇〇を習うべき(習うべきでない)」といった親の思い込み。  「自分が〇〇をやっていて体幹が鍛えられたので子どもには絶対〇〇をやらせたい」といった考えも思い込みに入るかもしれません。ほかの習い事でも

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #15

習い事選びのもったいない① (15) 「選択肢ありき」で考えてしまう構造  「どんな習い事をさせればいいのか」  よく耳にする悩みです。子育て系メディアでも頻繁に取り上げられるテーマです。都市部に住んでいると、選択肢が多いことが悩みになるかもしれません。はたまた、住んでいる地域によっては、選択肢が少ないことに悩む場合もあるでしょう。  さて、ではなぜ親は子どもに習い事をさせるのでしょうか。突き詰めて考えたことはありますか? わが子が赤ちゃん期を過ぎて子どもらしい姿になっ

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #18

習い事選びのもったいない④ (18) 「嫌い」にならなければまた出合えるかも  習い事の「あるある悩み」といえば、子どもが「やめたい」と言い出したときにどうするか、でしょう。  ここまで費やした時間や金額が親の頭をよぎり、「せっかくやったのに」という言葉が浮かびます。上達ぶりが目に見えていればなおさら、残念な気がしてしまうでしょう。また、自分で「やる」と決めたものを「やめるのはよくない」という考え方もあるかもしれません。  でも、子どもが「やめたい」と心の底から言ってい

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た #12 

子育てには「トラップ」になり得るものがある (12) 方針がないと「選択肢ありき」で振り回される 子育てには「トラップ」になり得るものがたくさんあります。  「みんなが行っているから」という理由だけで習い事を決めてしまったり、なんとなく受験塾の説明会を聞きに行ったら、流されて受験をすることになってしまったり(もちろん、本当に必要としている人にとっては「トラップ」ではありません)。  自分の中に、軸となる子育て方針がなければ、そうした外部の選択肢に触れるたびに、右往左往さ