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メールはあれど年賀状を書く理由

皆さん、年賀状は出されますか?

日本郵便によると令和7年用の年賀はがきの発行枚数は10億7千万枚。
前年比25%減ということで、ピーク時(平成16年用)の44億枚から比較すると約4分の1まで減少しているのだそうです。

今年は10月にはがきが63円から85円になり、100枚では2,200円の値上げ。
年賀状の減少が見込まれています。

メールやLINE、SNSなど通信手段がどんどん便利になって、年賀状の実用性はどんどん低下していますよね。

私は毎年30枚ほどの年賀状を出します。
ピーク時と比較すると半分以下になりました。

ルールは1つ
この1年間に直接お会いしていない方に出す。
ほとんど生存確認です(笑)

必然的に、かつてお世話になった恩師や、前職の同僚や上司が中心です。
もう何年もお会いしていない方がほとんど。

私の母は常々「受けたご恩を忘れるな」と言っていました。
あんたはいつも困った時に誰かのおかげで助けられてきたと。

思い起こせば、高校進学も、就職も転職も、人生の転機には導いてくださった方が必ずいます。自分の力で生きてきた、という感覚はありません。

そんな私はお世話になった方々に、1枚1枚手書きして、年賀状をお送りします。
お世話になった当時を思い出しながら、
お元気ですか?私は今こうして暮らしていますと。

使うのは筆ペン。
かつては本当の筆で書いていましたが、葉書に墨で書くのは難易度が高い。
私のヘッポコな腕前では、無闇に汚すだけです。

今年「中川政七商店」で手に入れた筆ペン。箱も可愛い
箱と軸には正倉院宝物の「鹿草木夾纈屏風」の鹿が描かれている。
奈良の筆屋「あかしや」さんの職人が一本一本手作業で作られたもの。
穂先にコシがあってすごく書きやすい
もう一本は、鳩居堂製のその名も「らくかき」
店頭で驚異の書きやすさに即決

1枚1枚書いては、篆刻印を押していく。
印は、私の第二の母とも言えるほどお世話になったお習字の先生が、中国に行った時に作ってくださったもの。

書家でも無いしヘタクソなので、印などとおこがましいのですが、朱が入ると引き締まる。上手かもという錯覚を狙っています(笑)
液体の「朱肉」だと発色が薄くてイマイチなので練り朱(印肉)を使います。

印肉と印

でも最近は、先方のご都合(ご高齢など)で、年賀状じまいをされる方が増えてきました。お亡くなりになられる方も…

年々、私が出す枚数も減っています。

事実、年賀状を書くのはひと苦労です。
なかなか重い腰が上がらずに、大晦日に投函することもしばしば。
今年もそうなりそうです。

印刷にしたら楽なんですが、それでは何だか出す意味がない気がして…

かつて、私の年賀状を印象深く覚えてくださっている方がいました。
今どき手書きって目立つよねと。
退職願を筆書きしたら人事課から「果たし状かっ!」ってドン引きされましたが、手書きのお礼状を送ったときは、次の仕事につながりました。

何でもデジタルの時代だからこそ、手書きの力は意外に大きいと感じています。

それでも毎年ウネウネしてしまう、年末の悩み事です。

年賀状
そんな風習もあったよなーと懐かしく思う日が、そのうちやってくるんでしょうか。

やめる決断ができない私は、これから筆を握ります。
今からかいっ!

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