おひとり様の京都案内|静かな世界遺産
皆さん、こんにちは。
混雑を避けての癒しの京都旅。
今回ご紹介するのは、真言宗醍醐派総本山「醍醐寺」さんです。
京都市営地下鉄東西線「醍醐」駅から東へ徒歩約10分。
美しい緑を背に静寂に包まれた空間が広がります。
ところで、今年は「古都京都の文化財」がユネスコ世界遺産に登録されて30周年です。
そう、醍醐寺は世界遺産でもあります。
874(貞観16)年に理源大師聖宝によって開かれ、今年「開創1150年」を迎えた日本有数の古刹であり文化財の「宝庫」。
国宝約7万5,000点、重要文化財約430点、その他未指定も含めたら約15万点にも及ぶ文化財が保存継承されているというから驚きです。すごい数!
多くの為政者の帰依を受け大いに発展。
豊臣秀吉公の盛大な「醍醐の花見」も有名です。
西大門(仁王門)
豊臣秀頼が再建したと伝わる「仁王門」。
大仏師勢増・仁増によって作られた金剛力士立像がお出迎えです。
頭部の大きさに比べて体はやや細身なのが特徴です。
仁王像にしては穏やか目。
平安時代後期と作られた時期が分かっているのは、この像と峰定寺(京都)のものとの2例だけ。とっても貴重な像ですね。
金堂(国宝)
西大門をくぐると、広大な伽藍に入ります。
まっすぐ進んでいくと国宝の金堂があります。
豊臣秀吉の命で和歌山から移築されたもの。
平安時代の建築様式を残すお堂です。
お堂の真ん中には、素朴な感じのご本尊・薬師如来様をはじめ日光・月光菩薩立像、四方をお守りする四天王立像が安置されています。
お堂と一体となって、平安の雰囲気を感じられます。
五重塔(国宝)
金堂を背にして正面にそびえるのが国宝の「五重塔」です。
京都は長らく都であったゆえに、戦乱や大火に何度も見舞われ、実はあまり古い建物は残っていません。
951(天暦5)年に建立されたこの五重塔は、京都府内で現存する最古の木造建築物。非常に貴重な文化財です。
見上げてみたら、どっしりとした重厚感と豪壮さに圧倒されます。
高さは38mもあるとのことですが、すごい安定感があります。
観音堂へ
続いて、木々の中を進んでいくと不動堂、真如三昧耶堂、祖師堂など趣あるお堂が佇みます。
山寺の山門を思わせる「日月門」を抜けた先にたどり着くのが観音堂です。
お堂の脇には、弁天池も。
少しずつ山に向かっていきながら、だんだん緑が深くなり、自然に抱かれた静かな時間が流れます。
この奥の「上醍醐」エリアには山登りとなります。スニーカーなど歩きやすい服装と装備で向かいましょう。この日は暑さが厳しい事もあってここで引き返します。
三宝院エリア
再び仁王門を出て総門に向かっていくと、門扉に金ピカの「菊」と「桐」の大きな紋が印象的な国宝「三宝院唐門」があります。
こちらは、豊臣秀吉による「醍醐の花見」の翌年に造られた桃山時代を代表する木造建築物です。
ここから先は、「三宝院」エリア。
醍醐寺第14世座主の勝覚僧正によって創建されたもの。
ここには豊臣秀吉が自ら基本設計をしたと伝わる美しいお庭があります。
秀吉の没後も作庭は続き、約30年後に完成します。
織田信長、豊臣秀吉と天下人の石とも言われる「藤戸石」など見どころも多いお庭です。
ゆったりと世界遺産を満喫
明治の「廃仏毀釈」の混乱にも「紙一片たりとも流出させない」との決意で、今日まで貴重な文化財を守り抜いてこられたそうです。
世界遺産の陰には、そんな先人の皆さんの血の滲むような努力と苦労があるのですね。私も文化財を学んだ身として、改めて頭が下がる思いです。
これらの寺宝は「霊宝館」で公開されています。
ここでも、広大な境内で数人の観光客の方にすれ違った程度。
世界遺産を独り占め!贅沢ですね。ゆっくりお参りできました。
(訪問)令和6年8月下旬・正午前後
旅のおさらい
京都市内中心部の喧騒から離れて、ゆっくり過ごせる山科・醍醐エリア。
これまでご紹介した、毘沙門堂、随心院、そして醍醐寺。
中心部に決して負けない豊かな歴史と文化が息づいています。
このほかにもたくさんの名所旧跡があります。
地下鉄東西線に乗れば、市中心部からのアクセスも抜群です。
さらに宇治方面にもつながっています。
ぜひ、訪れてみてください。
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JR山科駅
↓(徒歩)
毘沙門堂門跡
↓(徒歩)
地下鉄山科駅
↓(市営地下鉄東西線)
地下鉄小野駅
↓(徒歩約6分)
随心院
↓(徒歩約15分)
醍醐寺
↓(徒歩約10分)
地下鉄醍醐駅
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