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奈良に行くなら。私のとっておき【後編】
奈良をこよなく愛する私の奈良案内。
【前編】では、古き良きまちなみ残る
「奈良町」を中心にご案内しました。
それでは後編です。
奈良町を出て
私の癒しスポットをお届けします。
祈 る|新薬師寺
私はいつからか、仏様に手を合わせると、
心がすんなり落ち着くようになりました。
力の及ばぬものに対する
畏敬の念と素直な気持ち。
「信仰」などと難しいことは分かりませんが、純粋に癒しです。
仏様に強がったり
カッコつけても仕方ありません。
仏様に悪口言われたり
妬まれたりもありません。
ただひとりの純粋な人間としていられるのが心地良いのです。
そんな私が足繁く通うのが、新薬師寺です。
🦌🦌🦌
鹿駆け巡る飛火野を抜け、
春日山に寄り添う里の端に、
そのお寺は静かにあります。
新薬師寺は天平19(747)年、
聖武天皇の病気平癒を祈願して、光明皇后により創建されました。
南門をくぐって正面にある建物が、奈良時代に建てられた本堂(国宝)。
華美な装飾は一切なく、非常に簡素な建物ですが、歴史の重みを感じます。
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本堂の中には円形の壇があり、ご本尊の薬師如来様が座しておられます。
この薬師如来様、とっても優しいお顔立ちで、
いつもほほ笑みかけてくださっているように感じます。
大変失礼ながら、まん丸お顔が可愛いのです。
ご本尊に手を合わせ、
見上げた時に会う眼差しに、
私は深い深い安らぎと心強さを感じます。
「よう来たね、ゆっくりしておゆき。」
そんな声が聞こえてくるようです。
🦌🦌🦌
そんな温和な薬師如来様とは打って変わって、
周りをぐるりと固めているのは、めちゃくちゃイカつい十二神将像の面々。
ものすごい形相で睨みを効かせ、今にも斬りつけられそう。
でも、この十二神将像が
実にカッコいいのです。
周囲の空気を揺るがすような躍動感、
思わず魅入る個性豊かなキメポーズ。
いつ見ても惚れ惚れします。
私は伐折羅大将と珊底羅大将がお気に入り。
めちゃくちゃ怒ってるけど、
本当はすごく部下思い。
そんなことを勝手に妄想しています。
1体につき7,000人の部下を率いているという神将たち。
円壇のすべての神将像を見て回ったら、
“演劇的”という表現が
正しいかは分かりませんが、
そこには歴史の群像劇が立ち上がるのです。
もう、悪い子では要られません。
眺める|東大寺二月堂
新薬師寺から北に、
春日大社の森を抜けて東大寺へ。
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みなさん、東大寺と言えばなんですか?
そう!大仏殿!
世界最大の金剛仏であるご本尊の盧遮那仏坐像(いわゆる奈良の大仏さん)はド迫力!
には行きません!激混みですから。
私が必ず行くのは、
大仏殿から更に坂を登ったところにある二月堂。
旧暦二月の「お水取り」の大松明で知られるお堂です。
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ご本尊に手を合わせて振り返ると、
大和盆地が広がります。
大仏殿の大きな屋根の向こう側には、
天平薫る奈良のまちなみ。
京都から奈良の南・二上山や葛城山まで見渡せます。
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時が止まったかのような、
古都の歴史と風情を感じられる景色。
いつまでもボーッと眺めていられます。
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とりわけ、奈良と大阪の境にある
生駒山に沈む夕陽を眺めると、
その美しさに言葉を失います。
買 う|中川政七商店奈良本店
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猿沢池のすぐ近くにある
中川政七商店奈良本店。
奈良をはじめ全国の素晴らしい工芸品を、
現代の暮らしに合うようリデザインした、
素朴で可愛い商品が並びます。
こちらのお店は、陶器類が充実。
全国の生産地から選りすぐりの器が並びます。
“民藝”に興味津々な私には、もう極楽です。
いつまで経っても帰れません。
私は日傘もお皿も雑貨類も、
こちらで手に入れたものを愛用中。
モノを買うと言うよりも
暮らし方を手にいれる。
使うほどに暮らしに馴染む商品は、
私の大のお気に入りです。
全てが奈良のものではないけれど、
どこかに奈良が宿っているのです。
ちなみに、本店から徒歩3分ほどにある
「分店 土産 奈良三条店」も合わせて寄るのがオススメです。
少しずつラインナップが異なるので2回楽しめます。
休 息|ROKUMEI COFFEE
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歩き疲れたので、最後にコーヒーを。
近鉄奈良駅の近くにある
「ROKUMEI COFFEE」さんは、
奈良発のスペシャリティーコーヒーのお店。
落ち着いた店内で、香り豊かな美味しい珈琲が味わえます。
うっ…チーズケーキの誘惑に負けた…。
この日はカプチーノと合わせて堪能します。
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甘すぎず適度な酸味で美味しいチーズケーキと
エスプレッソが強すぎず、
優しめカプチーノで、
歩き疲れた体がほぐされます。
あーいっぱい歩いたなー
真夏にやることちゃうなー
でも、心はすっかり癒されました。
いかがでしたでしょうか?
奈良の魅力はまだまだあります。
今回のコースでも、白毫寺や春日大社、私が日本一美しいと勝手に思っている興福寺の五重塔(現在修復工事中)など、見どころ満載です。
“京都のついで”と言われてきた奈良。
そんな評価はけしからん!
全部書いたら、
何万字にもなりそうなので、
また改めて。
「京都に来たなら奈良にもね。」
それがあかんて言うとんねん!
寧楽の時代が薫る奈良
ぜひ、お出かけください。
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