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千年と数千キロの先にある輝き|京都文化博物館『大シルクロード展』
今年度も終盤に差し掛かり、
有給休暇をほぼ使っていないことが発覚。
年5日の取得義務を果たすべく上司から休め!と言われました。
「24時間はたらーけますかっ!」
なんて栄養ドリンクのテレビCMが流れていた時代が懐かしい。
白い時代になりましたね。めでたし
せっかくの平日のお休みだし…
そうだ 博物館、行こう!
「日中平和友好条約45周年記念世界遺産 大シルクロード展」
会場は京都市中京区高倉三条の
京都府京都文化博物館
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別館は入館無料
別館は、日本近代建築の祖・辰野金吾とその弟子・長野宇平治が設計。
明治39(1906)年に日本銀行京都支店として建てられました。
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明治を代表する洋風建築として昭和44年(1969)年に重要文化財に。
私もお散歩がてら立ち寄ることも多い、お気に入りの建物です。
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会場は別館を抜けた先の本館
えっ…混んでる…
明らか私が最年少の、平均年齢高めの行列が。
やっぱりシルクロードは人気ですね。
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ーおさらいー
シルクロード(絹の道)は、紀元前2世紀ごろに始まるユーラシア大陸を横断する交易路。東アジアからヨーロッパに至る様々な文化をつなぎ、宗教や芸術などに大きな影響を与えたとして、2014年に世界遺産(シルクロード : 長安=天山回廊の交易路網)に登録されました。
今回の展覧会は、世界遺産登録後、中国国外で初めて行われる大規模なもの。
中国の洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆地域などで発見された、44点の一級文物(中国の国宝)をはじめ約200点のシルクロードの遺宝が公開されています。
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結論から申し上げると、ものすごい見応え。
仏像から金貨、土器や装身具など、いろいろな文物でシルクロードの雰囲気を堪能できます。
それでは、そのほんの一部ですがご紹介します。
瑪瑙象嵌杯(一級文物)
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ポスタービジュアルにも使われているこの黄金の杯は、新疆ウイグル自治区の古墓から出土したもの。
ひしゃげた状態ですが、表面に施された格子目や赤い瑪瑙が綺麗に残っています。1200年以上前のものですが、まるで新品のような輝きです。
持ち手は虎の造形が施されています。
これで何を飲むんでしょうか。
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瑪瑙象嵌壺(一級文物)
樹下美人図(一級文物)
囲碁仕女図屏風(複製)・童子図
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新疆ウイグル自治区アスターナ古墓の出土品。
絹に彩色をして描かれています。
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女性はふくよかなお顔と特徴的な髪型。
囲碁を楽しんでいます。
朱が鮮やかで、ベールの透け感が綺麗に表現されています。
ちょっと仏様っぽいなと思いました。
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子どもたちは元気に遊んでいる様子。髪型と表情、丸々した体格がとっても愛らしく微笑ましい。ちょっと力士みたいですね。
ややデフォルメされていると思いますが、
鮮やかな色彩に当時の暮らしの一場面が生き生きと伝わってきます。
団花文小壺
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これも新疆ウイグル自治区アスターナ古墓の出土品。
やや地味な色味ですが、私が注目したのは木製であること。
ロクロ引きで整形されているそうです。
高さ7.5㎝の手のひらに乗るサイズ。
これだけ小さなものを精緻に削り、表面には細かな紋様が描かれています。
7-8世紀ごろのものですが、高い技術力が伺えます。
羊樹文錦(一級文物)
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新疆ウイグル自治区アスターナ古墓の出土品。
紋様が愛らしくて目に止まりました。
ややはカクカクはしていますが、それが可愛い。
こういったデフォルメされたデザインはどういう発想で生み出されるのか、不思議です。
デザイナーみたいな人がいたのか、職人さんの創作なのか。
古臭い感じがしません。
車馬儀仗隊
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今回の展覧会で、私が最も目を引いたのがこの青銅製の車馬隊。
甘粛省にある後漢1-3世紀のお墓から出土しました。
馬の躍動感がすごい。
首を振り、口を開けて大きくいななく様子がリアルに描写されています。
ものすごく強そうです。
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高さは30-50㎝程度でそんなに大きいものではありませんが、造りも細やかで、とても迫力があります。当時の光景が浮かび上がります。
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相当強い騎馬軍団を擁していたことがわかります。
交易で世界が広がるとともに、異国や異民族との戦争も増えたのでしょうか。
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胡人俑
7-8世紀ごろの唐三彩の作品です。
ラクダを引く人を描写したもので、とっても表情が豊かです。
シルクロードの活況が伺えます。
ラクダってとても力が強いんでしょうね。
今にも声が聞こえてきそうな躍動感に、
思わず「アテレコ」して遊んでしまいました。
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YES WE CAN!!
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えっ!2つ目半額!?
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のど飴、ありますか?
*あくまでもふざけた個人の感想です。
六花形脚付杯(一級文物)
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上から見たら六弁の花形をした脚付きの金杯。
唐代8世紀の文物です。
側面には乗馬や狩りを楽しむ人、獣、鳥、花などが細かく彫金されています。
金色はもとより、彫金の細かさに見惚れてしまう逸品です。
数千キロに思いを馳せて
日本にも多くの文物が伝わったシルクロード。
車も飛行機もなかった紀元前の昔から、
砂漠や険しい山々を超えて数千キロの範囲を
人々が往来していたことに驚かされます。
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*今回の展覧会とは関係ありません
儲けのためか、好奇心や冒険心だったのか…
当時の人々の気持ちまでは復元できませんが、
出土した文物から活気や躍動感が伝わってきます。
世界は広くて面白い。
個性も考え方も多様だからこそ、生まれる文化がある。
そんなことを教えてくれているかのようです。
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このほかにも、日本に多数伝来している「海獣葡萄鏡」をはじめ、装飾品のビーズ、木の板に文字を描いた木簡など、古代史を専攻していた私には垂涎の逸品が多数ありました。
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千年以上昔の数千キロ彼方の世界に思いを馳せる。
そんな楽しいタイムトラベルでした。
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日中平和友好条約45周年記念世界遺産 大シルクロード展
(会場)京都文化博物館
(会期)2025年2月2日まで
(時間)10:00-18:00(金曜日は19:30まで)
(休館日)月曜日
(料金)一般1,600円、大高生1,000円