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昔読んだ漫画を読み返せる贅沢

「外見はすっかりおばさんなのに、一周回って(?)学生時代みたいな暮らししてて、ある意味すごいわ(笑)」と、高校の同級生のサンポが一番にやってくる。

「体力作りの目的もあって始めたバイトだけど、なんか楽しくて・・・が、この暑さにやられて、へとへとだったので差し入れありがたく(感謝)」
と、みずみずしい果物をどっさりいただく。

「こんなに!」
「4人揃ったら、あっと言う間になくなるよ」
友人たちとの会話の記録を、フィクションでぼやかしながら書いてます。

・・・

クロミ:この間、実家に帰った時に、お母さんに漫画の処理するように言わ
    れたんだけど。

    ほとんど、兄と弟のでさ、「弟にお願いしてよ」と。

サンポ:少女漫画的なものはあまり読まなかったの?

クロミ:友達に借りて読んだ記憶はあるけど・・・
    お、今日のお題は、中年になって読み返したい「漫画」にしよう。

コトハ:自分読んでないのに?

クロミ:読んでたよ、「スラムダンク」。

    就職してからも、職場ではモードだのコレクションだの扱っておい
    て、引きこもりたい週末は、弟に借りた「ワンピース」や
    「NARUTO」片手に家呑みしてた、隠れ腐女子でしたよ(笑)

コトハ:いわゆる少年漫画のジャンル?

クロミ:取引先のスペインやらフランスの人とのコミュニケーションに、
    ワンピースやドラゴンボールは効果的(笑)

コトハ:私は「キャンディキャンディ」・・・

サンポ:うぉ、めっちゃ王道を!?

コトハ:ちがうの。友達に借りて読んだ少女漫画って最初で最後がそれ。
    習い事をいくつかしていて、漫画禁止だったの、うち。

サンポ:きびしー

エカキ:小学生からずっと?

コトハ:そう。だから、わたしにとって漫画って「キャンディキャンディ」
    か、「スヌーピー」

エカキ:スヌーピー!なんかわかる。
    漫画がない図書館にもスヌーピーはあった。

クロミ:あった!

コトハ:で、大人になってはじめて自分で買ったコミックスが
    「のだめカンタービレ」

サンポ:あった!

コトハ:私も音楽やってたじゃない?それほどの情熱も才能もなく、
    あきらめて、今の会社に就職したわけだけど。

    ドラマをみて、原作に夢中になってしまった。

    私みたいなファンも多いよね、きっと。

サンポ:音楽やってなくても楽しめる作品だよね。
    あの頃自分どこにいたっけか(転職歴多すぎて、笑)

    御察しの通り、私はこの4人の中で一番漫画読んでるよ、
    今も昔も。

エカキ:そんなサンポが一つ選ぶとしたら?

サンポ:「ホットロード」

クロミ:そうきたか!

エカキ:私たち、高校生とかだよね?
    あの繊細な線が、印象に残ってる。

コトハ:どんなお話?

サンポ:今思えば、バブルの時代で、一部のひとたちはウハウハだった頃の
    お話なんだけど。

    なんだろうね、豊かな時代だったのに、
    なんともいえない、部外者感というか、心許なさ。
    
    テレビに映っている豊かさなんて、ちっとも現実味なかったんだけ
    ど、ホットロードの世界観から目が離せなかった。

    今読んじゃうと、母親の方の気持ちもぐっとくる。

クロミ:「別マ」か、縁がなかった。読んでみよう。

    てか、ほんとだ、絵だけでもう切ない。

    恋する切なさとかじゃなくて、あの、バブルを遠巻きに見ていた時
    代の、居場所がない感じ。

エカキ:それだわ、「居場所がない感じ」。

コトハ:それを中年になって、コーヒーかお酒を片手に読み返す贅沢。

サンポ:ほんと、贅沢。

エカキ:漫画でも、小説でも、映画でも。年月を経て読み返せる贅沢。

    作家さんに感謝です。

クロミ:感謝だね。

    物語の中に没入して、またこっちに帰ってきてっていうの、
    人間には必要だよな。

コトハ:人によってはそれがスポーツ観戦だったりね。

    エカキは?

エカキ:めっちゃ「ぽい」と笑われそうですが、
    「Papa told me」

サンポ:ぽい(笑)

エカキ:強制終了で入院していた時に出会った作品なので、
    時々、読み返したくなる。

クロミ:あれ、私もどこかで読んだことある。

    なんでか、若い頃の東京を思い出すんだよね。
    スカイツリーがまだなかったころの東京。

    なんだけど、東京じゃない未来のどこかの都市みたいな
    イメージもある。

サンポ:そうそう。私も好きだなこの世界観。

コトハ:あ、こういう短編集的なの、今の私にもちょうどいいな。

    連休に読も。

・・・

誰かが紡いでくれた言葉に導かれて
ふと、
日々をリセットしてみたり、
人生の起動修正のために、ログアウトしてみたり。

書いてくださっている方々に感謝です。


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