成績最下位。「本当に価値のあること」の継続が身を結ぶとき 大企業時代 3/3

前回のnoteの続きです。
新卒1年目の終わり、商品を格段に改善できる点に気づき、夜な夜な商品を改良して必死に普及させました。苦労の甲斐あって、2年目の夏には全国のお客さんに使われるようになりましたが、会社の査定、つまり成績評価は最下位でした。


成績を告げられたあの瞬間は、今でもは覚えています。

営業の成績は、そっくりそのままボーナス・給与額に反映されていきます。先輩や周りの同期の給与はなんとなく漏れ聞こえてくる部分が多いので、評価を聞かされた瞬間に「この成績はほぼ最下位だ。」とすぐわかりました。

呆然としながら自席に戻り、しばらくパソコンを眺めていました。が、僕にはどうにも納得できませんでした。

全社の売上を持続して1~2%を一気に底上げするくらいの商品効果はある、と思っていたので、トップクラスの営業マンより圧倒的に利益を生んでいる、という自負がありました。

単純にインパクトに気づいてないだけなのか?あれだけ必死に夜遅くまで残って作ったのに、それとも会社ってこんなもんなのか?グルグルと思考のループに陥りました。

あまりにも納得できなかったので、僕はすぐに席を立って、上司に直談判をすることにしました。

「なぜ自分の評価はこんなに低いのか?僕が取り組んだ商品改良の評価はこれだけのか?」と思い切って問いかけたら、

営業としての受注数を達成していないから評価できない。あくまで商品改良は自分の数字を達成した上で評価される」と上司は答えました。

ああ、そうか、と。大企業とはこういう厳格なシステムでしか人を測れないんだなと気づきました。よく大企業かベンチャーか、どっちに就職しようか、みたいに悩む方も多いと思いますが、大企業では画一的な評価しかできないことが多い、というデメリットがあることは覚えておくと良いです。

こうした取り組みはベンチャーであれば、比較的評価の対象にしやすく、かつその腕を買われて仕事自体を変えられたり、すぐに反映してくれることが多いです。なぜなら規模の小さい企業にとって、全社の売上に大きく影響を与える、ことは非常に重要なのでそんな貴重な取り組みをしてる人を野放しにしている余裕はないのです。

一方で、数字だけあげていれば割と評価されやすい、というのは大企業ならではの利点でしょうか。(もちろんその目標自体もそんなラクなことではないのは過去のnoteで投稿した通り)

さて、そんなわけで「数字が重要だ」と宣告されたわけですが、ここまでやってきて「はいそうですか。」とは悔しすぎて流石に言えない。なのである質問を投げかけました。

じゃあ次の査定まで自分の数字を達成したら本当に評価してくれますか?」と。それに対して、上司は「達成したら、取り組みを評価をする」とその場で約束してくれました。

こうなったら絶対やってやる、と思い直し、その後半年間必死に数字を追い続けました。しかも幸いなことに、これまでの2年間、本当に価値のある商品だけを提案し続けてお客さんの利益を最優先にしていった結果、担当しているお客さんの業績が一気に上がりはじめていたのです。

周りの営業担当は、単に商品を受注したらそれでオシマイなので、多少無茶をしていて取引先が疲弊して注文が先細ることが結構ありました。しかし僕は単に売るだけでは価値がないと思っていたので、細かい商品の使い方を教えたりやお客さんの業界調査、分析を徹底的にしていたので無駄なお金を使うことなくメキメキと業績が良くなっていました。

そうしたお客さんにも恵まれたこともあって、その後の半年間一気に数字を巻き返し達成を続けました。

また、その上司に見込まれ、全社の受注数を一元的に見れるダッシュボードを作って欲しいと言われ、VBAを独学で勉強して全自動で更新されるダッシュボードを作成しました。当時は、毎朝営業担当が自分の売上をエクセルからコピペして貼り付けるという非効率なことをしてたので、これもダッシュボードを作ったおかげで手作業を劇的に減らすことができました。(転職した今でも、全国多くの営業メンバーが利用しています。)

こうして売上に加えて新しい取り組み、過去の商品改良という実績の積み重ねもあり、3年目の春には、上司の推薦で全社員1万人のなかの最優秀賞を受賞することができました。

新卒の研修時代からずっと疑問だった「お客さんに価値のあること」の取り組みがようやく認められた気がして本当に嬉しかったです。

誤解して欲しくないのは、この投稿で本当に伝えたいのは「大企業はクソ」とか「1位で凄いだろう!」ということではなくて、何をしていようと「お客さんの価値、喜ぶもの」を見ることが大切だということです。

自分の数字自体、無茶なことをせず価値のあることを続けた結果、自然と達成し続けられる体制になったのが大きいのです。また今回の商品改良も最終的には自分だけで成し遂げたわけではなく、協力してくれたお客さんや上司などいろんな人が助けてくれたからこその結果です。

ここではあまり書けてないんですが、お客さんには「商売のいろは」を徹底的に叩き込んでもらったし、こんな年下の無知な新卒の話をちゃんと向き合ってもらい、時に厳しく育ててもらったからこその取り組みでした。(どこかのタイミングで掘り下げて記事にします)

この経験を通じて、今後の人生、仕事でも必ず「やっぱりユーザーへの価値が最重要」であり、「常に謙虚であり、周りから学び続ける姿勢を持とう」と確信しました。

こんな波乱万丈の経験を経て、多くを学んだ3年目の春、転職を考え始めます。(次回の転職編へ続く)

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