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神様の仮面

最近ふと、足を止めてみたら。

私は何度か生まれ変わっているのではないか?

という妄想にとりつかれた。

おそらくそれは錯覚だけど
どうしてそんな思いに至ったのか
少しだけじっくりと考えてみた。

ぼんやりと、おや?と思った。

そうか、近づいているのだ。と思った。

・・・

雲の上の存在、という言い回しがある。

自分とは全く住む世界が違っていて
まるで手の届かない存在である、という意味だ。

テレビに映る芸能人や銀幕のスター
人気小説家や売れっ子漫画家
登録者100万人を超えるYouTuber

これらは雲の上の存在の好例といえるだろう。

…でも、そうだろうか?
昔は間違いなく雲の上の存在だと思っていたが
よくよく思い返してみたらそうでもないような。

雲の上の存在とまではいかず
スカイツリーの最上階くらいの存在に
なってきたような気がするのは私だけだろうか。

SNSの発展がその意識をもたらしたと思う。
今まで想像上でしか知らなかった人たちが
動き、語り、笑っている。
これを何度でもたくさん見ることができる。

今では当たり前だけど、私の幼少期では
全く考えられなかったことだ。

本当に、掛け値なしに、昔と世界が違う。
気付いたら世界がまるっとアップデート。
え、この感覚、みんな受け入れてるのか?
だとしたらみんな順応力高すぎる。
それとも私が低すぎるのだろうか…

・・・

私は特にアイドルに興味は無かったけど
小説家や漫画家の先生には非常に興味があった。
いや、今でもある。興味のカタマリだ。

だって凄い話を、凄い絵を、創れる人だよ?
文章で、画力で、人を泣かせたりできる人。
下手な神様よりも私にとっては神様なのだ。
もう高次元の存在と言っても過言ではない。

私はそんな神々と同じ世界に生きていることが
とてつもなく嬉しかった。いや、今でも嬉しい。
SNSの発展で神々との距離が近づいた気がして
とっても嬉しく思っている。

でも、
でも、ほんの少しだけ…
神様の仮面が外れかけた気がして。
仮面の下から人間の顔をチラ見した気がして。

近づけて嬉しいはずなのに
近づいたことで神通力が消えた気がして。

勝手に失望して
失望のあまり私の心の一部は死んだ気がする。

だからって、死んでばかりじゃいられない。
神様はもう仮面を被った人間なのかもだけど
残った私はこの世界でどう生きるのか。
ワクワクする道はどこなのかをしっかり見据えて
歩いて行きたいと思う。

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