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vol.2 あいまいな関係、だから心地良い。心でつながる“まち”と“ひと”

こんにちは!信州ふるさとアンバサダーのちいです。
地域を愛し活動する【人】を通して、つながりたい地域に出会う「信州心のふるさとMAP
今回のゲストは、首都圏に住みながら関係人口として天龍村と関わり続けている、和光利香さん。

天龍村は、長野県の最南端、山深い奥地にある小さな村。
人口1,100人、高齢化率は全国ワースト2位(2018年時点)。東京からは車で約5時間、どこから行くにも遠い「秘境」と呼ばれる場所です。

そんな天龍村と、和光さんがどんな想いで、どんなふうに関わっているのか、お話を伺いました。

和光利香さん
長野県白馬村生まれ、埼玉県在住。「住まなくてもできるふるさととの関わり」を求めて、2019年から天龍村との関わりをスタートさせる。仕事では、ふるさと納税のバイヤーを本業として、取材ライター、広報などを行いながら「場所にとらわれず働く」夢実現のため、パラレルキャリアを模索中。

―本日はよろしくお願いします!まずは、天龍村と関わりを持ったきっかけを教えてください。

ふるさとである長野県と関わりたいと思って、2019年に長野県主催の「信州つなぐラボ」という関係人口創出の事業に参加したのがきっかけです。

天龍村のことはあまりよく知らなかったんですが、関わるときのテーマが「暮らしとお祭り」だったんです。小さい頃からお祭りが身近にあったことと、当時お祭りが切り口の地方創生ベンチャーで働いていたこともあって、そのテーマに惹かれて天龍村と関わることにしました。

―天龍村とはどのように関わっているのですか?

はじめはお祭りに関わらせていただきました。そこから派生して、林業や伝統料理教室のお手伝いをしたり、趣味のキャンプをして楽しんだりと、ゆるく楽しんで関わらせてもらっています。

大自然に囲まれてキャンプを満喫

―自分のペースでゆるく関われるのはすごくいいですね。

そうですね。それに、都会にいてもつながりを感じられるんです。天龍村のおじいちゃんたちと、関係人口の若者たちとのLINEグループがあるんですが、ときどきおじいちゃんたちからLINEが送られてくるんですよ。「今日は干し柿を作ったよ」とか、「雨だからトチの実をむいたよ」とか。それに対して私たちが「いいね、美味しそうだね」って反応するみたいな。そうやってつながっています。

―もはや孫みたいな関係ですね!

そうなんです。天龍村との関わりって、すごくほっこりした平穏な気持ちになれるんですよね。この間参加した伝統料理教室では、世代が全く違う人たちが集まって、いろんなお母さんたちのお話を聞きました。そこで「みんなでひとつのことをやるなかで一体感が生まれて、伝統料理ってこういう幸せな時間も含めて受け継いでいくんだよね」なんていう話ができたのがすごく印象でした。

年末年始に食べる伝統料理「大汁(おおじる)」

―天龍村と関わり始めてからもう5年近く経つと思いますが、どうしてこんなに長く交流を続けることができたんですか?

天龍村の人たちが、外から関わる私たちの意思をすごく尊重して、柔軟に受け入れてくれたからです。村の人が「来るもの拒まず、去るもの追わず」というお気持ちを持ってらっしゃるのは、めちゃくちゃ嬉しかったしびっくりしました。

ー村の外の人も快く受け入れてくれる雰囲気があるのは嬉しいですね!これまで天龍村と関わったなかで、いちばん嬉しかったことや印象的だった出来事はなんですか?

数百年続いていた天龍村の伝統行事で、国の無形民俗文化財に指定されている「向方のかけ踊り」が15年ぶりに復活したことです。つなぐラボでは当初冬のお祭りに関わっていたんですけど、村の外から関わる人が増えて、冬のお祭りがすごく盛り上がったんですね。それで村の人たちもやる気になって「こんなふうに関わってもらえるんだったら、やっちゃう?」みたいなノリで、かけ踊りを復活させたんです。

◎復活したかけ踊りの様子はこちら↓

―外から人が関わったことで、活気が生まれて伝統が復活したんですね。逆に、和光さんが天龍村から影響を受けて変わったことはありますか?

いちばんは生きる力がアップしました。天龍村と関わりはじめたばかりの頃は、新幹線と特急を乗り継いで行ったので、遠いなぁと思ってたんです。でも、関わりつづけるうちに、車中泊などでもっと楽に行ける方法を身につけました。

天龍村って宿泊施設も限られてるんですけど、それを利用しなくても、村でキャンプしちゃえばいいじゃん!とか。そういうサバイバル能力が上がったと思います。

雪の日もキャンプ!

―車中泊やキャンプって、すごくアクティブですね!

天龍村のおじいちゃんたちって、何でも自分で作っちゃうんですよ。その「ないものは作る」ってマインドがすごく影響してるというか。だから、天龍村って遠いなとか、宿泊施設ないなじゃなくて、ないならなんとかする方法を考えようみたいな感じで、強くなっていきました。

ウッドチップ作りの様子

―エネルギッシュで素敵な考え方ですね。それでは、今までの関わりをふまえて、これから天龍村とどのように関わっていきたいですか?

今後は、仕事として天龍村と関わるような形を取っていきたいなと思っています。そのために、2022年にふるさと納税のバイヤーに転職しました。

前職ではライターや広報をしていたんですが、「伝える」ことからもう一歩踏み込んで、もっと成果を出したいと思って。ふるさと納税なら、寄付額でどのくらい貢献できたか分かりますよね。天龍村との関わりに、仕事もうまくベクトルを合わせられたらいいなと思っています。

―仕事でも関わりたいと思うほど、天龍村はとても大切な心のふるさとなんですね。最後に、和光さんが思う天龍村の魅力を教えてください!

「秘境」って言われるような自然豊かな感じや、お祭りに込められた想いや精神性、神々しさにすごく惹かれます。独特の魅力がある村ですね。万人にモテる地域ではないけど、噛むと味が出るみたいな、するめみたいな村です(笑)

天龍村では、年明けに行う伝統の霜月神楽を舞ってみたり、お祭りや林業のサポートをしたりと、色々な関わり方をすることができます。気になった方は、ぜひ一度遊びに来てください!

―和光さん、ありがとうございました!

重要無形民俗文化財に指定されている霜月神楽

編集後記

好きなときに、好きなように。ゆるく地域とつながる「関係人口」というあいまいな関わり方。

それでも、そこには確かな心のつながりがあり、ふらっと帰れば「おかえり」とあたたかく迎えてくれる人たちがいる。
そして、外から人が関わることで、まちにももっとにぎわいが生まれる。

ひともまちも、元気をもらい合える。
和光さんと天龍村が築く、そんな関係性がとても素敵だなと思いました。

聴き手・書き手|ちい(信州ふるさとアンバサダー)
愛知県東三河出身、横浜市在住。ライター・編集者。雪景色に憧れて進学した北海道大学にて環境社会学を専攻し、道内各地の農山漁村でインタビューを行った経験から、地方創生に関心を持つ。旅と自然と推しが生きがい。


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