メールマガジンで職場環境改善#日々の大切な習慣
私は地方公務員(行政職)で一般事務をしている、平凡な33歳です。
私は職場内で、メールマガジンを8年以上発信しています。
公立病院の院長先生が始めたメールマガジンを引き継いだものでした。
このメールマガジンの始まりは、平成26年。
私の同期の一人が、過労自殺で亡くなったことがきっかけでした。
院長は「このままではいけない」と、偉人の名言をつぶやくようなメールを
翌年の平成27年から毎週月曜日に送ってくれるようになりました。
メールアドレスを持っている人すべてに。職種も年齢も関係なく。
職場で若手を気にかけてくださっている存在がいるのだ、と心強く思いました。
ところがメールマガジンを送ってくださっていた院長が、県外へ異動してしまうこととなります。
私は院長先生にメールを返信しました。
「いつもメールに心を支えられていました。メールが届かなくなるのが残念です。」
すると院長先生は「なかごしさん、引き継いでやってみませんか?」
驚いて飛び上がるような提案でした!
メールアドレスを持っている人は、その時70名を超えていました。
そんなことできるわけない・・・。
院長先生が「誰か一緒にやってくれないか、誘ってみたらどうかな」
何名か推薦いただいたので、声をかけてみましたが、全ての人に断られてしまいました。
「でも・・・なくなってしまうのは、もったいない!!」
「誰もやらないなら、私がやる!!」
平成28年4月から、メールマガジンを引き継ぐこととなりました。
はじめは、偉人の名言を送るだけ。
それでも心臓がドキドキして、冷や汗ものでした。
目立ってしまうことが怖い・・・。
何より、送った言葉を有言実行しなければと思ったのです。
例えば、「笑顔は周りを明るくするんだよ」といった内容の名言だったら
わたしがぶすっと不機嫌そうにしているのはいただけませんね。送ったからには、笑顔を心がけました。
そしてやはり、「今週の一言どおり、笑顔だね」と声をかけていただくのです。ほんの少しのプレッシャーを感じながら、毎週月曜日のメールを続けていきました。
数年たつと、心臓に毛が生えてきて、図太くなっていきます。
少しずつ、自分の言葉を足していくようになりました。
山の新緑が美しいですね。とか、自分の子どもを見ていて気付いたこととか。できたら、にこっと頬が緩むような内容がいいなと思っていました。
数年も偉人の名言を検索していると、次第にGoogle先生が素敵な言葉を紹介してくれるようになってきます。
私自身も、回覧文書を見ながら、各種広報を読みながら、いいと思った言葉をメモしていく習慣ができました。
(スマホもPCも未送信ボックスは名言メモでいっぱい)
平成31年、同期の一番仲良くしてくれた子から「産業カウンセラー養成講座」に誘われます。
カウンセラーは立派な人がなるもので、自分には無理・・・と思っていましたが、亡くなった同期のことが心残りで、私にもできることがあったら・・・という思いで受講します。
そして令和2年、ありがたいことに筆記試験・実技試験と合格し、産業カウンセラーの資格を取得しました。
それからは、インプットした知識をアウトプットするように、メールマガジンがボリュームアップしていきます。
資格を取得した途端、世の中はコロナで動けなくなってしまったので、私は放送大学にて勉強を続けました。
私のメールが、誰かの役に立ちますように・・・
誰かの支えになりますように・・・
そうやってメールの発信を続けていくと、職場内で協力者が増えてきました。
「役場の人が私に相談してくれたらいいな~」と思いチラシを作成しました。同期のアドバイスのもと、職員安全衛生委員会に向けて、チラシを配ってほしい!と起案しました。(回議書の提出)
採用され5年以内の職員と、50歳以上の人、幹部職員の計70名にチラシを配布することができました。給与担当者さん封詰めありがとう!
メールマガジンで、「産業カウンセラーの資格を取りました。私が話を聞くこともできるし、委託契約している心理カウンセラーさんとお繋ぎすることもできますよ」とメールマガジンを送りました。
それから毎年2名以上を心理カウンセラーさんや、医療機関にお繋ぎできています。そのほかに、直接カウンセリングするケースもありました。
私が「ハラスメントで辛い思いをしている人がいます」と人事課に相談すれば、パワーハラスメント防止研修会を開いてくれました。(本人が承諾している範囲のみ報告)
「メンタルヘルス研修をしたい!」というと、研修担当が講師を呼んでくれました。
「感謝の気持ちを伝えよう!方法は色々あるけど、手紙が有効だよ!」と発信すれば、職員表彰規定が復活することになりました。(この件は私が関係あるのか分からないけど)
投票用紙に感謝の気持ちを書いて投票箱に入れると、投票された人の中から町長表彰される人が選ばれます。投票された人は賞に関係なく、ボーナスの明細書に投票いただいたメッセージが同封されているというもの。
その他にも、ノー残業デーをメールで全職員に広報してくれる人が現れたりしました。
私はどれも、直接の担当にはなれませんでしたが、多くの方に協力をしていただきました。
私は、「毎週月曜日にメールを送る」という習慣だけで、ここまでくることができました。
やっていることは、特別な技術がいることではありません。
正直、誰にでもできることで、時間を味方にできたと思っています。
ですが、小さな習慣を8年以上続けていくことによって、こんなに遠くまでくることができました。
亡くなった同期が知ったら、どう思うだろうか。
気弱で豆腐メンタルで、皆が心配するような新人の私が、あなたのことを胸にここまで来ることができたよ。
きっとあなたがいなければ、こんなに強くなれなかったよ。
感謝。いつかまた会う日まで。