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〈 YOGA 〉ハタヨガ8つの呼吸法 #1 - 古典に基づくプラーナヤーマ -
ハタヨガの呼吸法(プラーナーヤーマ)は、心身のバランスを整えるために非常に重要です。
以下に、ハタヨガに基づく8つの呼吸法とそのやり方をご紹介していきます。
ウジャイ呼吸(Ujjayi Pranayama)
ハタヨガでよく使われる呼吸法の一つです。以下に簡単に説明します。
ウジャイ呼吸の特徴
音
喉を軽く収縮させることによって、吸う息と吐く息の際に「シュー」という音が聞こえます。この音は「勝利の呼吸」とも呼ばれます。制御
呼吸をゆっくりと深くコントロールすることが特徴です。集中
瞑想的な効果があり、心を落ち着かせ、集中力を高めます。
やり方
姿勢を整える
楽な姿勢で座ります。背筋を伸ばし、肩の力を抜きます。
喉を収縮
喉を軽く収縮させる感じで、息を吸います。口を閉じたまま、鼻から吸うようにします。
音を出す
吸う際に「シュー」という音が喉から出るようにします。この音は微かで、他人には聞こえない程度で構いません。
深く吸う
ゆっくりと深く息を吸い込み、肺全体を満たします。
吐く息を吐くときも同じように喉を軽く収縮させ、「シュー」という音を出しながらゆっくりと吐き出します。
繰り返す
この呼吸を数分間続けます。
効果
リラックス
ストレス軽減やリラックス効果があります。集中力向上
瞑想的な効果があり、心の集中を助けます。身体の調整
呼吸が深くなることで、酸素の取り込みが増え、身体のエネルギーが高まります。
ウジャイ呼吸は、ヨガの練習全体を通じて使うことができ、特に動的なポーズと組み合わせることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
ナディショーダナ(Nadi Shodhana)
ハタヨガで行う代表的なプラーナーヤーマ(呼吸法)の一つで、「交互鼻孔呼吸」とも呼ばれます。
この呼吸法は、体内のエネルギー経路(ナディ)を浄化し、心身のバランスを整えるのに役立ちます。
やり方
快適な姿勢をとる
座禅や椅子に座るなど、背骨をまっすぐにして快適な姿勢をとります。右手のポジション
右手の親指を右鼻孔に当て、右手の薬指を左鼻孔に当てます(ヴィシュヌ・ムドラー)。息を吐く
まず、深呼吸してリラックスし、次に右鼻孔を親指で軽く押さえ、左鼻孔から息をゆっくりと吐き出します。左鼻孔から吸う
左鼻孔からゆっくりと息を吸い込みます。切り替え
左鼻孔を薬指で押さえ、右鼻孔を開いて息を吐き出します。右鼻孔から吸う
右鼻孔から息を吸い込みます。繰り返し
これを繰り返し、数分間続けます。
効果
心身のバランスを整える
ストレスや不安を軽減する
心を静める
エネルギーの流れを整える
ナディショーダナは、リラックスした状態で行うことが重要です。初めて行う場合は、短時間から始めて、徐々に時間を延ばすと良いでしょう。
スーリヤベティ(Surya Bhedana)
スーリヤベティは、体を温める効果があります。「スーリヤ」は太陽、「ベティ」は貫通を意味します。
やり方
姿勢を整える
快適な座位(例えば、パドマアサナやスカーサナ)を取ります。
背筋をまっすぐにし、リラックスします。右鼻孔から吸う
右手の親指で右鼻孔を押さえ、左鼻孔から息を吐き出します。その後、左鼻孔を閉じ、右鼻孔からゆっくりと深く息を吸い込みます。息を止める
息を吸い込んだら、両鼻孔を閉じて息を止めます(クンバカ)。この時、ムーラバンダ(会陰の締め付け)を意識しても良いです。左鼻孔から吐く
息を止めた後、右鼻孔を閉じて左鼻孔からゆっくりと息を吐き出します。繰り返すこのプロセスを数回繰り返します。初めての場合は、無理をせず、少数回から始めるのが良いです。
効果
スーリヤベティは体内のエネルギーレベルを上げ、活力を与えます。
消化器系の働きを活発にし、消化力を向上させます。
体を温める効果があり、寒さを感じる季節や冷え性の改善に役立ちます。
心を集中させ、精神的な明晰さを高めます。
リラックス効果もあり、ストレスや不安の軽減に寄与します。
注意点
高血圧や心臓疾患のある人は、この呼吸法を行う前に医師に相談してください。
空腹時か、食後少なくとも2時間後に行うのが良いです。
体調が悪い時や疲れている時は無理をせず、軽く行うか避けるようにしてください。
スーリヤベティは、エネルギーを高めるだけでなく、全体的な健康にも寄与する優れた呼吸法です。毎日の練習に取り入れて、その効果を実感してみてください。
また、最初は指導者のもとで正しい方法を学ぶことをお勧めします。
バストリカ(Bhastrika Pranayama)
ハタヨガにおける強力な呼吸法の一つで、「鍛冶屋のふいご」のように力強く呼吸することからその名がつけられています。この呼吸法は、体内のエネルギーを活性化し、浄化する効果があります。
やり方
姿勢を整える
座りやすい姿勢(例えば、蓮華座や安楽座)で座ります。背筋を伸ばし、リラックスします。深呼吸
ゆっくりと深呼吸をし、肺を完全に充填します。強力な吸息と呼気
鼻を通して強力に息を吸い込みます。お腹が膨らむのを感じます。
次に、鼻を通して力強く息を吐き出します。お腹がしぼむのを感じます。
この吸息と呼気をリズミカルに連続して行います。リズムを保つ
吸息と呼気を同じリズムで行い、約10~20回繰り返します。慣れてきたら回数を増やしていきます。休息
一連の呼吸が終わったら、自然な呼吸に戻し、しばらくリラックスします。
効果
エネルギーの向上
体内のプラーナ(生命エネルギー)を活性化し、活力を増進します。呼吸器系の強化
肺や気道を浄化し、呼吸器系を強化します。酸素供給の増加
強力な呼吸により酸素供給が増え、全身の細胞が活性化されます。精神の安定
強い呼吸により、心の雑念が取り除かれ、集中力が増します。デトックス効果
体内の毒素を排出し、体をクリーンに保つ効果があります。
注意点
高血圧や心臓疾患のある方、妊娠中の方は、この呼吸法を行う前に医師やヨガの専門家に相談してください。
初めて行う場合は、無理をせず、自分のペースで行うようにしましょう。
バストリカは非常に強力なハタヨガのプラーナーヤーマで、正しく行うことで多くの健康効果を得ることができます。
古典に基づくプラーナヤーマ
ヨーガ療法であるヨーグ・チキッサの中は、ウジャイとナディショーダナは、バランスを取るプラーナと言われています。
ナディショーダナは全ての疾患の方でも行うっても問題のないプラーナヤーマです。
またウジャイは、ホルモンへの働きかけをする効果があると言われています。
また、スーリヤベティとバストリカについては、体を温める効果があり、冬のみ行うと良いとされています。夏場や暑い時期には、させた方が良いプラーナヤーマです。
いかがでしたか?
呼吸法もタイプ別に効果があり、健康促進にとても効果があります。
アーサナをする時は、ウジャイ呼吸で行うこと良いとされていますね!
次回も、この続きをご紹介していきます。
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