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〈 YOGA 〉ハタヨガ8つの呼吸法 #2 - 古典に基づくプラーナヤーマ -

こちらは、前回の続きです。
前編はこちらから、ご覧ください!

プラーナヤーマの続きのご紹介をしていきたいと思います。

チャンドラベティ(Chandra Bhedana)

「月の呼吸」と呼ばれます。
これは、左の鼻孔(「イダ」ナディ)から息を吸い、右の鼻孔(「ピンガラ」ナディ)から息を吐く方法です。
サンスクリットで「チャンドラ」は「月」を意味し、「ベティ」は「貫通」を意味します。

この呼吸法は、体と心を落ち着かせ、冷却効果をもたらすとされています。

やり方

  1. 姿勢を整える
    楽な座位に座り、背筋をまっすぐに伸ばします。瞑想の姿勢でも良いです。

  2. 準備
    右手の親指で右の鼻孔を閉じ、左の鼻孔から息をゆっくり吸います。

  3. 吸息
    左の鼻孔から深くゆっくり息を吸い込みます。

  4. 吐息
    右手の薬指または小指で左の鼻孔を閉じ、右の鼻孔から息をゆっくり吐きます。

  5. 繰り返し
    これを数分間繰り返します。

効果

  • この呼吸法は、副交感神経を刺激し、心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらします。

  • 体を冷やす効果があり、特に熱い季節や体が熱を持っているときに役立ちます。

  • 心を静め、イライラや不安感を軽減する助けになります。

  • 呼吸に集中することで、心の乱れを整え、集中力を高めます。

チャンドラベティは、特に夜に行うとリラックス効果が高まり、良質な睡眠を促す助けになります。

シータリー(Sheetali)

身体を冷やし、心を落ち着ける効果がある呼吸法です。

シータリーのやり方

  1. 姿勢を整える
    安楽座(スカーサナ)や蓮華座(パドマサナ)など、背筋をまっすぐにして座ります。

  2. 舌を丸める
    舌を口から出し、両側を上に巻き上げてストロー状にします。もし舌を丸めることができない場合は、歯と舌の間から息を吸い込む方法もあります(シートカリと呼ばれる変法)。

  3. 息を吸う
    舌を通して冷たい空気をゆっくりと吸い込みます。このとき、冷たい空気が口の中を通過するのを感じます。

  4. 息を止める(クンバカ)
    吸い込んだ息を数秒間止めます(自分の快適な範囲で)。

  5. 息を吐く
    ゆっくりと鼻から息を吐き出します。

  6. 繰り返す
    これを数回繰り返します。通常、5〜10回程度行うと効果的です。

シータリーの効果

  • 身体の内部温度を下げる効果があります。

  • 心を落ち着け、ストレスや不安を軽減します。

  • 消化機能を助ける効果があるとされています。

  • 血圧を下げる助けになることがあります。

  • 口の渇きを和らげる効果があります。

注意点

  1. 寒い環境では避ける
    シータリーは身体を冷やす効果があるため、寒い環境や体が冷えている場合には避けるべきです。

  2. 呼吸器系の問題
    アレルギー性鼻炎や喘息などの呼吸器系の問題がある場合は、慎重に行うか、避けた方が良いです。

  3. 過度なクンバカを避ける
    息を止める時間(クンバカ)を過度に長くしないようにします。自分の快適な範囲で行うことが重要です。

シータリーは、特に暑い季節やストレスを感じる時に有効な呼吸法です。
無理なく、自分のペースで行うことを心がけてください。

シーカリ(Seetkari)

呼吸法は、ヨガの冷却呼吸法の一つで、体を冷やし、心を落ち着ける効果があります。

やり方

  1. 姿勢を整える
    快適な座位に座ります。背筋を伸ばし、リラックスした姿勢を保ちます。
    口の形歯を軽く閉じ、口を開けて、舌を口の中に置きます。

  2. 吸気
    口を通して、歯の隙間からゆっくりと息を吸い込みます。このとき、「シュー」という音がするはずです。

  3. 保持
    吸気の後、口を閉じて息を数秒間保持します。

  4. 呼気
    鼻からゆっくりと息を吐き出します。

  5. 繰り返す
    このプロセスを数回繰り返します。

効果

  • 体を冷やす効果があり、特に暑い季節や熱があるときに有効です。

  • 心を落ち着け、リラックスさせる効果があります。

  • ストレスや不安を軽減するのに役立ちます。

  • 集中力を高め、心を静かにする効果があります。 

注意点

  1. 寒冷環境での実施
    寒い環境では避けるべきです。体をさらに冷やしてしまう可能性があります。

  2. 呼吸の無理
    息を吸い込む際に無理をしないこと。自然に、ゆっくりと行うことが大切です。

  3. 適切な指導
    初心者は、適切な指導のもとで行うことをおすすめします。誤った方法で実施すると効果が減少するか、逆効果となる場合があります。

シーカリ呼吸法は、体と心を冷却しリラックスさせるための効果的な方法です。
正しいやり方を守り、適切な環境で実施することで、その効果を最大限に引き出すことができます。

シータリーとシーカリの違い

よく一色単に紹介されてしまうことがありますが、違いがあります。

  • 舌の状態
    シータリーでは舌を丸めて筒状にして吸うのに対し、シーカリでは歯の間から吸うため、舌を丸めません。

  • 口の使い方
    シータリーは舌を突き出して吸うが、シーカリは歯を軽く閉じた状態で吸います。

ブランマリ(Bhramari)

「ハミングビー(蜂)の呼吸」とも呼ばれます。
これは、心を静かにし、リラックス効果をもたらすための非常に効果的な呼吸法です。

やり方

  1. 座る姿勢を整える
    静かな場所で、背筋を伸ばして楽な姿勢で座ります。座禅や椅子に座っても構いません。
    手は膝の上に置き、目を閉じます。

  2. 耳をふさぐ
    親指で両耳の外側を軽くふさぎます。これにより、外界の音を遮断し、内側の音に集中しやすくなります。

  3. 深呼吸
    鼻からゆっくりと深く息を吸い込みます。

  4. 「ハミング」音を出す
    息を吐き出す際に、鼻から「んー」というハミング音を出します。
    この音は蜂の羽音を模倣したもので、喉の奥から出す感じです。

この過程を数回繰り返します。初めは5回程度から始め、徐々に回数を増やしていきます。

効果

  • ブランマリ呼吸法は心を落ち着かせ、ストレスや不安を軽減する効果があります。

  • ハミング音に集中することで、集中力が向上し、心の散漫を防ぎます。

  • リラックス効果が高いため、寝る前に行うと睡眠の質が向上します。

  • 深い呼吸とリラックス効果により、血圧を下げる効果が期待できます。

  • 内面的な平和と静けさを感じることができ、心のバランスが整います。

注意点

  1. 無理をしない
    初めて行う場合は、短時間から始め、徐々に時間を延ばしていきます。無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。

  2. 適切な環境
    静かな環境で行うことが推奨されます。外界の音が少ない場所で行うことで、集中しやすくなります。

  3. 健康状態の確認
    高血圧や耳の問題がある場合は、医師に相談してから実践することが望ましいです。

  4. リラックスを重視
    呼吸法を行う際は、リラックスした状態を保つことが重要です。緊張していると効果が半減します。

ブランマリ呼吸法は、簡単に実践でき、心身のリラックスに非常に効果的です。

日常のストレスを軽減し、心の平穏を取り戻すために、ぜひ取り入れてみてください。

古典に基づくプラーナヤーマ

ヨーガ療法であるヨーグ・チキッサの中は、シータリーとシーカリは、体を冷やす効果があるため寒い時期は避けて行うと良いとされています。
また、冬や寒い時期も避けた方がよいです。

ブランマリについては、上級者がスピリチュアル感度を高めるために行う呼吸法でもあります。
ヨーグ・チキッサとして処方に使われることはありません。


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