ヨーガの教え #2 - ハ支則のヤマ・ニヤマ -
前回は、ハ支則のうちのアーサナ以降のお話をしました。
今回は、1.ヤマと2.ニヤマについてお話ししたいと思います。
前回が気になる方は、コチラを見てくださいね!
ハ支則(アシュタンガ・ヨガ)は、インドの古典ヨガの体系であり、パタンジャリによって「ヨーガ・スートラ」にまとめられた8つの段階(アシュタ=8、アンガ=枝)から成り立っています。
その第一段階が「ヤマ」です。
ヤマ(Yama)
ヤマは、自己規律や道徳的戒律を意味し、社会的な行動に関する指針を提供します。
ヤマには以下の5つの原則があります。
1. アヒンサー(非暴力)
意味
他者に対して暴力を振るわないこと。
実践
物理的な暴力だけでなく、言葉や思考においても他者を傷つけないように心掛けます。
自分自身を大切にすることです。
2. サティヤ(正直)
意味
真実を語ること、嘘をつかないこと。
実践
誠実で正直なコミュニケーションを行い、自分にも他人にも嘘をつかないように努めます。
憶測で物を語らないことです。
時には沈黙すること。
3. アステーヤ(不盗)
意味
盗みをしないこと。
実践
物質的なものだけでなく、他人の時間やアイディアを盗むことも避けます。
他人の時間や気持ちを盗まないこと。
4. ブラフマチャリヤ(禁欲)
意味
性的な節制や自己制御。
実践
性的なエネルギーを適切に管理し、無駄遣いしないようにします。広義には、全ての感覚的欲望をコントロールすることも含まれます。
何事も節度をもつこと。
5. アパリグラハ(不貪)
意味
不貪欲、所有欲を抑えること。
実践
必要以上の物質的な所有を避け、執着を持たないようにします。他人のものを欲しがる心を抑えることも含まれます。
物質的にも精神的にも執着しないこと。
ヤマ実践の意義
ヤマは、個人が社会や他者と調和して生活するための基本的な倫理指針とされています。これらの原則を守ることによって、内面の平和と外部との調和が得られると考えられています。
1. 倫理的な生活
ヤマの実践は、他者と調和し、倫理的な行動を取るための指針を提供します。
これにより、個人は社会の中で尊重され、信頼される存在となります。
2. 内面的な平和
ヤマを実践することで、心の平和とバランスが保たれます。
非暴力や真実の実践は心の安定をもたらし、ストレスを軽減します。
3. 自己成長
ヤマの原則は自己制御や自己認識を促進し、内面的な成長を支援します。
これにより、より高い自己実現を目指すことができます。
4. カルマの浄化
ヤマの実践は、悪いカルマ(業)を減少させ、良いカルマを積む助けとなります。
これにより、未来の人生(現世または来世)がより良いものになります。
ヤマの実践は、アシュタンガ・ヨガの他の支則とともに、心身の健康とスピリチュアルな成長を促進するための基盤を形成します。
ニヤマ(Niyama)
アシュタンガ・ヨガの八支則のうち、ニヤマ(Niyama)は自己規律や内面的な修養に関する教えです。
ニヤマは、個人の内面的な成長と調和を促すための5つの規範から成り立っています。
これらの規範は、ヨーガの実践を深め、心と精神の浄化を助けるものです。
以下の5つの主なニヤマがあります
1. シャウチャ(清浄)
意義
浄化や清潔さを指します。身体的な清潔さや環境の整備だけでなく、心や思考の浄化も含まれます。
実践
定期的な入浴や瞑想を通じて心の中の雑念を取り除くこと。整理整頓を心掛け、周囲を清潔に保つことも重要です。
規則正しい生活を送ること。
2. サントーシャ(知足)
意義
満足や感謝を指します。
現状に満足し、常に感謝の気持ちを持つことが大切です。
実践
日々の生活の中で感謝の気持ちを持つこと。欲望にとらわれず、今あるものに満足するよう心掛けること。
他人に期待しすぎないこと。
3. タパス(修習)
意義
自制や自己鍛錬を指します。
苦行や努力を通じて自己を高めること。
実践
毎日のヨーガや瞑想のルーティンを守ること。
食生活の改善や不健康な習慣の見直しなど、自己鍛錬を通じて成長を追求すること。
自分の目標に対して真摯に努力を続けるかと。
4. スヴァディヤーヤ(読誦)
意義
自分をより深く知るために自己探求をします。
聖典や哲学書の学習を通じて見聞を深めること。
実践
聖典や哲学書の読書、瞑想を通じて自己探求を行うこと。
自己の行動や思考を振り返り、理解を深めること。
自分にかけている自己暗示を解くこと。
5. イーシュヴァラ・プラニダーナ(信仰心)
意義
信仰や献身を指します。
神や高次の存在に対する信仰心を持ち、自分を委ねること。
実践
瞑想や祈りを通じて、高次の存在に心を向けること。
日々の行動を神聖なものとして捉え、謙虚な心で取り組むこと。
全ては偶然ではなく、必然的に起こっているということ。
ニヤマの実践の意義
1. 内面的な成長
ニヤマは個人の精神的な成長を促進し、内面的な平和と幸福をもたらします。
2. 自己理解の深化
自己反省や内省を通じて、自分自身を深く理解し、自己の本質に気づくことができます。
3. 精神的な浄化
心の中のネガティブな感情や思考を浄化し、より純粋で明るい心の状態を維持します。
4. 高次の存在とのつながり
神聖な存在への信仰と献身を通じて、自己を超越した存在とのつながりを感じることができます。
5. バランスの取れた生活
身体と心の健康を保ちながら、バランスの取れた生活を送ることができます。
ニヤマの実践は、ヨガの道において極めて重要であり、内面的な浄化と成長を通じて、より高い意識状態へと導いてくれます。
まとめ
いかがでしたか?
なかなか全てを守ることは大変ですね。
でも、ヤマ・ニヤマから1-2個ずつ実践しようと決めてやってるのもいいかもしれませんね!
改めて私はタパスが苦手だなぁと感じました。
これをまたきっかけにして、精進できたらと思います。