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1年前。

あの頃は大学受験真っ只中だった。周りのことなんて何一つ見えなくて、がむしゃらに、時には少しわがままに、周りが見えなくなりながら頑張っていた。早く地元を抜け出しくて、東京に行くことばかりを夢に見ていた。家族の元を離れて生活をしたかった。色々なものに縛られている自分に嫌気がさしていた。

だけど今、そんな自分が自ら授業実施期間中に帰省し、オンライン授業を実家で受け、地元でまだ訪れたことのない場所に行こうとしている。なんという心の変化だろう。特別なものなんて、何一つ見えていなかった。だけど、上京すれば東京にないものばかり見えてしまった。

皮肉だなぁと思う。

あの可愛い洋服の店だって、有名なケーキ屋さんだって、私が通っている大学だって、地元にはない。1年前に憧れて思い描いていたものは、一つ残らず東京にある。それでも私は12時間もかけて地元に帰るということを選んだ。たった5日間でも、それでもモノにあふれる東京より、ここにいることを選んだ。

自分でもよくわからない、地元の何がそんなに特別で、私は変えることを選んだのか。東京より少し暖かい気候も、猫がたくさんいるこの街も、確かに理由の一つなのだけれど、それが全てかと言われたら違う気もする。

自分が自分でいられるのは、緊張で強張った肩の力が緩められるのは、ここだけだなぁと思う。大袈裟かもしれないけれど、人生のほとんどを過ごした場所にはそんな力がある。

私のそんな気持ちを音楽に乗せている歌を以前見つけた。本当にこの通りの気持ちだなぁと思う。

私は鳥取出身ではないのだけれど、地理的に言えばご近所さんなので、なんとなく共感できる部分がありました。どちらの県も、東京からはかなり遠いので。

私、地元を元気にしたいなって思います。もっとたくさんの人が気になって訪れてくれるような場所にしたいなって思います。もちろん自分が生まれた場所だから思い入れもあるし、ひいきもきっとたくさんしちゃってるけど、私もまだまだ訪れたい場所がたくさんあるほど素敵なところです。

最近、SNSとかで地元の紹介アカウントみたいなの作ってみたいな、とか考えてました。ただ、なかなか地元に頻繁にも帰れないしなぁ。あぁ、地元再発見の旅がしたい!ぼんやりとただ外の景色を楽しむために、電車に乗ってみたいって、初めて感じました。

大人になって、いずれ東京で就職したとしても、結局また帰ってきてしまうのは、ここなのかもしれないなぁ。

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