みんなで「さようなら」をやめたら、気になっていたことがすべて解決した話
おはようございます。“学びで人生を楽しく”と掲げて日々勉強を続けている小学校教員です。
低学年を受け持ち、「帰りの支度」と「帰りの会」を見直してきました。見直そうと思ったきっかけは、帰りの支度の進度にバラつきがあり、待つ・待たせる子が発生していたこと。帰りの会への子どもたちの参加意識が低いことです。
帰りの支度の問題点
帰りの支度を早々に終わらせた子は席で座って待ちます。しかし、支度のペースがゆっくりな子は、なかなか終わりません。なかにはお友達とのお喋りに気を取られ支度が進んでいない子もいます。そうなると、待つ子・待たされる子が発生し、帰りの会が始まるまでに時間もかかります。
授業終了後に学習している歌や流行の曲を流したこともありました。その曲を歌いながら支度をするので、おしゃべりが減り、終わりの目安も伝わります。曲の終わり間際になったらこちらから声をかけずとも、座るようになります。
号車ごとにどこが早く支度が終わるかタイマーで競ったこともありました。1〜2分でどの号車も帰りの支度が完了します。この時間で帰りの支度はできるんだと価値付けると、しばらくは競争を入れても入れなくても1〜2分で終わるようになります。
しかし、どちらの手立ても持続させるのが難しいと感じました。結局、一部の子たちは途中からだれてきます。
このように、帰りの支度の問題点は、待つ子・待たされる子が発生すること、帰りの会が始まるまでに時間がかかること、持続可能な手立てがない(私は思いつかない…)ことです。
帰りの会の問題点
帰りの会への参加意識をもたせる難しさを感じていました。一日の授業を終え、下校する前だから当然といえば当然です。
そこに新たに活動を組み込んで参加意識を高める方法は、私的にはいまいちしっくりきませんでした。子どもたちは一刻も早く下校したいはずです。
係活動の発表の場や一日の振り返りノートなど、下校の時間を遅らせてまでやる必要はないと私は考えています。(私の勤務校では帰りの会に割り当てられている時間はありません)
しかし、多くの場合は帰りの会をやることが習慣になっています。目的もなく帰りの会を長々とやる必要はないです。
日直が前に出て、静かにさせて、今日よかったことを発表し合って、先生の話を聞いて、ここに係活動の発表や振り返りも入って…ややオーバーに書きましたが下校までの過程が多すぎます。
このように、帰りの会の問題点は、参加意識をもたせることが難しいこと、そもそも参加意識をもたせてまでやる必要がないのに習慣になってしまっていることです。
みんなで「さようなら」をやめる
あるとき、すべての問題点を解決する出来事が起こりました。それは、最後の授業が体育の日でした。
下校が遅くなりそうだったので、着替えて帰りの支度を済ませた人から後ろの扉を通って先生に挨拶をして帰るよう指示を出しました。
そうすると、全員がすばやく帰りの支度まで終えて、下校していったのです。「これだ!」と思いました。
次の日から、帰りの支度をした人から後ろの扉を通って先生に挨拶をして帰るという仕組みを作りました。これにより、待つ子・待たされる子が発生しなくなり、それぞれのペースでストレスなく支度をして下校できるようになりました。
早く下校したい気持ちがあるため、終わった人から下校できる仕組みだと、わざわざ支度を遅らせるメリットはありません。みんなすばやく支度をします。
さらに、よかったのは子どもたち一人ひとりと目を合わせて「さようなら」を言い合えることです。元気よく挨拶する子、挨拶してグータッチする子、じゃんけんしてから挨拶など様々です。
みんなで一斉にさようならをしていたときは、やや雑な挨拶をしている子が気になっていましたが、それも1対1となると感じなくなります。下駄箱に向かって走り出していた子たちを注意する必要も無くなりました。
みんなで「さようなら」をやめると、気になっていることの多くは解決できます。同じような悩みを抱えている方がいれば、ぜひ一度取り組んでみてください。
おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございました。授業のことや働き方についても記事を出しているので、ご興味あればお読みください。
また、いま現在教員や教員志望の方を対象にした学び場『ATTiTUDE』の企画を練っているころです。オンライン、オフライン問わず開催していく予定です。詳細が決まり次第、ご報告します。