そのメガネは錆びていないか
5年ぶりにメガネを新調した。今流行りのメガネ屋さんに行くと、いかにもおしゃれな感じでメガネが並んでいた。
一昔前はメガネはマイナスイメージのような扱いだったのに、今となってはファッションアイテムの一つになっている。
その中で、細縁のメガネを購入した。視力もその場で測定でき、数十分後には完成。つくづく便利な時代になったと思う。
新しいメガネをかけてみると、レンズの度が調整されていてよく見える。世界はこのように見えているのだと再認識。顔を動かしてもまったくズレない。なんてストレスフリーなんだろう。
中学生の頃、初めてメガネを買ってもらってつけた日のことを私はよく覚えている。メガネ屋を出てメガネをつけた瞬間、見える世界が一変した。
これまで自分が見ていた世界はこんなにもぼやけていたのだと驚いた。そして、くっきりはっきりと見えるってすごいことだと感動した。
メガネは使い続けると、いつしかその見えている景色が当たり前になって、よく見えなくなっていたり、ズレやすくなっていても気付かない。
だから定期的に見え方を点検して、調整もしくは新調する必要がある。
これは物としてのメガネに限らず、自分が世界を見ている色メガネにも当てはまる。私たちは知らず知らずのうちに物事を素直に見ずに固定観念や偏見にとらわれてしまう。
自分がよく見えていないだけなのにダメだと決めつけたり、ズレた見方・考え方をしてしまったりする。年を取れば取るほど、この色メガネは錆びていく。
錆びを後から取るのは大変だ。できる限り早急に錆びをとる作業が求められる。
この世界の見え方を絶えず調整・新調することで、自らの価値観をアップデートさせていきたい。