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脈打つ励ましを享受して
慕って慕って止まない椎名林檎。先日のコンサートで5年ぶりに本人を目の当たりにし、音楽を浴び、どうにも涙が止まらなかった。始まった瞬間から、こんな感激が他にあってたまるかと、全身に震えが走った。1滴も漏れ落としたくなかった。私を生かしてくれているのは、ずっと、ずーっとこの人なのだ。
子どもの頃、ナース服でガラスを蹴破る姿に衝撃を受けた。映像のインパクトを超えてくる音の鳴りに私は完全に心を鷲掴みにされた。この時はもちろんわかっていないけれど、未就学児にして、私は自分の人生を支えてくれる柱を手に入れたことになる。
28曲を以てコンサートは繰り広げられた。享受しながらひたすらに頭を巡ったのは、「やっぱり彼女は励ます力を持った人だ」ということ。ここまでずっと、本当にずっと励まされてきた。林檎は私を知らないけれど、"私の味方"だと勝手に信じている。多分事実だ。戦い、堪えて、なにより自由に生きることを願ってくれていると、心の底から信じている。同じことをどれだけの人が感じているだろう。彼女がどんな想いを込めていようといまいと、私たちにはきちんと届いている。それが大きな救いになっていることを、お礼として伝えたいと思っている。有難う。私も「しょぎょうむじょうをてにいれた」。
自分に精一杯の春を送っていたものだから、余計に響くものがあった。誰かを応援できる人でありたい。私が持つ影響力など些末なものかもしれないけれど、声に出せば少しは伝わると信じよう。どうせ逃げ場のないいのち、自分と誰かのゆたかさを諦めない私でいたい。
「己自身のだめ生きるだけってもうしんどいの
期待も落胆も知れている」
追い風が吹いている もっと煽って唯今は
この地球上で いちばん混じり気の無い我らの炎
何よりもただ青く燃え盛るのさ