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なぜ日本酒はヨーロッパで売れないのか(勝手な分析)②

仮説 : 単純に、高価すぎる

ヨーロッパのワイン生産大国では「ワインは水より安い」というが、若干誇張ではあるものの事実だ。そういう国々の出身の人はワインに飲み慣れており、日本酒というと「Japanese rice wine 」と英訳されることもあって、ワインと比較して考える人が少なくない。

日本酒の独特な製法や、様々な食材や料理との幅広い組み合わせられる面白さ、季節の移り変わりと共に楽しめるところなど、日本酒ならではの良さに焦点を当てて考えてもらえればよいのだが、「ワインの日本バージョン」みたいに単純に捉えられてしまうと、飛び出す感想は「美味しいとは思うけど高すぎる」だ。

ワイン大国だと、外で軽く一杯飲みたい時に、ワインはグラス一杯400円くらいから楽しめる。酒屋やスーパーでボトルを買うにしても700円くらいの予算で美味しいワインを手に入れるのは難しくない。ところが、日本酒となると、まず市中の酒屋ではなかなか手に入らないし、ネットで買おうとすると四合瓶が安くても4000円くらいから(ヨーロッパのオンラインショッピング事情も論点なので、それはまた別の機会に)。和食レストランで日本酒を頼むと、スーパーの安酒レベルでお猪口一杯500円くらいから、日本の居酒屋でも出されるような酒だとお猪口一杯900円くらいから。
日本だと、ワインも日本酒もスーパーで1000円弱の予算で買えるのは、まぁ値段なりのもの。一方で、酒屋さんで少し奮発して2000円くらい出すと、けっこう美味しいものが買える。外食に関しても同様で、両者の間にそれほど価格の感覚の差がないと思いませんか。※ワインあるいは日本酒にこだわりがあって大枚をはたける人は感覚が違うかもしれませんが、酒や食事をそれなりに楽しむ一般市民の感覚で。

以前の投稿「なぜ日本酒はヨーロッパで売れないのか(勝手な分析)①」で書いたとおり、ヨーロッパでは和食レストラン以外で日本酒を飲める場所はほとんど無く、なのに貴重な外食機会に和食レストランを選ぶ人は限られる。しかも、レストランで頼む日本酒はワインやビールより圧倒的に高価で、(全ての日本酒は尊いとはいえ)正直言って「わぁ日本酒って美味しい」と衝撃を与えられるような日本酒に出会うのは難しい。となると、数少ないオンラインの日本酒専門店で何千円も払って日本酒を買うのは人はさらに限られ、日本への渡航経験などで日本酒の美味しさを知っていて且つ日本酒がかなり好きな人、それか興味本位の金持ちか。

この状況では、ヨーロッパの現地の人に日本酒について知ってもらうのは到底困難のように見える。
このあたりが、なぜ私がYouTubeを始めたのか、とか、イタリアで角打ちを開きたいと思うようになったのか、といった理由になっている(この話も追々)。

勝手な仮説② :
ヨーロッパでは日本酒を知る機会も飲める機会も少ない上に、日本酒があったとしてもコスパが悪くて飲みたいと思えない。

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