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【創作】今週書いた短歌9/15~2121

秋だというのに暑い日が続いてますね。このままいくと秋はなくなっちゃうんじゃないかと心配したりもします。でもぶどうが店頭に並び出し、菊の節句に栗ごはんを食べて、十五夜に月を愛でるという風景を見かけたり聞くにつれ、暑いながらも着々と秋は深まっているのを感じます。

今週もX(旧Twitter)や短歌のSNSサイト57577などで短歌を詠みました。よかったら楽しんでいっていただけるとうれしいです。


9月15 日(日)

今日は6首詠みました。1首目は定例の「おはよう短歌」に挙げたもの。そして、次の2首は「ひらがなだけで短歌をつくる」というお題に挑戦してみたものです。さらに次の1首は「  」を入れた短歌というお題でした。最後の2首は、1首目が「猫」をお題にした短歌、そして最後が「畳」をお題にした短歌です。

朝食を囲む家族の箸の音ほがらか笑顔の四面体

あいすべきこころはどこにあるものか たましいほりてさいのかわらへ

すきっぷしながらおかしのくにへ たべきれないねと
へんぜるわらいぐれーてるのよだれをふく

きみの「   」と僕の「   」が同じならきっと指輪が光り出す

もふもふの猫てけてけと緑なす垣もぐりて涼をとり未だ終わらぬ夏を感じる

朝目覚め青畳の香り顔に跡 青畳男だぞと一笑に付し19の朝がはじまる

9月16日(月)

この日は8首+10首で18首詠んでいます。1首目は定例の「おはよう短歌」に挙げたもの。子供の送り迎えをしていたときの出来事を歌に詠んでみました。

そして次の2首が「泡」をお題にしたもの。そして次の1首は、三日月のことを考えていたら降りてきた歌です。そして次の3首は「老」をお題にしたものです。

3首のうち最初の1首は「ろう」つながりで短歌をつくってみました。そして、次の一緒は「あの頃は怖くなかった」からはじまる短歌というお題に挑戦してみました。

最後の10首は、クロサキナオさんの9月イベントに参加して「9月にまつわるもの」(私の場合は月)をテーマに詠んでみました。連作は初めての挑戦でしたが、楽しかったです。

わが息子学び舎向かうも滑り台
満面笑顔で足止めに吾もほだされてただ笑い苦笑い

泡のように生まれてきて泡のように消えていく 酔生夢死に最後の輝き

恋すれば泡と消えるを知りつつも 紅引きたればあの人と泡沫

明け方の三日月夢を引っかけて自転車で追うきみと一緒に

労たけき郭の牢にて漏水が楼こそ目指すは朗々たる老

老いてなお歌詠むひとぞゆくは新海 終の湊はいずこにかあらん

死なないでその一言にほだされて仏に委ねて命を続ける

あの頃は怖くなかったさよならがきしんぎらりと胸苦しめる

明け方の三日月夢を引っかけて自転車で追う叶えたまえと

十五夜に友と語りて夢広げ月に誓いてなさんと欲す

すすきの穂ゆれて虫の音響く夜恋の話に騒いでは世界は甘露じゃ友と月酌む

秋虫の奏でる調べに抱かれて月照らす道を進むなら夜の匂いが我を酔わせる

遠耳に噂に聞きし兎の餅月を巡るも影形なし幻の幸ぞ姫は食せん

かの餅を食べた人あり愛されて月の城へと行く証持つ

夜の果て歩み歩みて月の果て玉兎と遊びし月の姫いまやいかに暮らさんと

闇越えて奈落の底さえ照らす月その優しさに今日は抱かれ

愛なく夢なく希望なく世界に居場所がないときも月こそは永遠の優しき友達

なれるなら月のごとくが人になりたい全てを包む優しき強さを


9月17日(火)

火曜日は3首です。1首目は定例の「おはよう短歌」に挙げたもの。十五夜を迎える楽しさを詠んでみました。そして最後の2首は「ふわふわ」というお題に挑戦してみました。

十五夜は朝からビールのグラスを冷やし 銘酒と肴を揃えて出社
しきりに時計の発条(ぜんまい)回す

「ふわふわ」なるか「もふもふ」か ひしと抱いたら「にゃおん」と猫鳴き

ふわふわと雲を歩けば風の端涼し見下ろす大地に富士そびえたり


9月18日(水)

水曜日は4首詠みました。まずは定例の「おはよう短歌」で、次の3首は「眼鏡」というお題に挑戦しました。このときは思ったものが詠めなくて、ちょっとやさぐれていました。そのとき生まれたのが「響かない~」の歌です。

優しい陽あふれ出したる朝焼けに手を合わせては家族に幸あれ

響かない自分の線さえ届かぬ駄歌をふて寝でごまかし眼鏡投げ捨て

ふて寝より起き上がりては眼鏡かけ珈琲を挽き歌を詠むなり

大好きな作家の眼鏡をかけてみた
はにかむ自分の表情に人生まだ生きていけると信じた


9月19日(木)

そして木曜日は4首。1首目は朝定例の「おはよう短歌」で、歓声を上げながら通学路を歩く子供たちを思い浮かべて詠みました。そして次の2首は「終電」というお題に挑戦したものです。最後の1首は「夜空」というお題に挑戦して詠みました。

通学路 子供が朝のパレードだ
鼓笛のような歓声に人生これからだと背を伸ばす

終電を逃して駅の光も落ちて「スタンド・バイ・ミー」だねと線路を歩く

終電まで終電までとダメ押すも語り明かして心は朝焼け

こんなに夜空がきれいでも君と僕には橋がない


9月20日(金)

そして金曜日3首詠みました。1首目の「おはよう短歌」は朝のメニューを並べてみると面白いのではと思って詠んだ1首です。短歌は黙読するだけでなく、声に出して詠むとさらに楽しいです。こちらの短歌はそれを狙って詠みました。そして次の2首のお題は「パフェ」でした。

味噌汁に白米お新香鮭の塩焼き 言葉はいらない手を合わせればいい

パフェが溶けてしまうように私とあなたの絆も溶けた
懐かしいよね初めての朝

「パフェは別腹なんだから」 冗談めいたあなたの言葉
 忘れられたら笑えるのかな

9月21日(土)

そして昨日は。7首。1首目の「おはよう短歌」は夜から朝日が昇る瞬間までの時間を詠んでみました。そして次の2首は希望というものについて詠んでみました。

そして9月21日は宮沢賢治の忌日ということで、宮沢賢治について詠んでみました。

最後の2首は「叫び」というお題にチャレンジしました。1首目はうつ病という病を持った私の現状と心に秘めた思いを詠んでみました。そして最後は「短歌」について詠みました。

心の中のよしなしごとを31文字の歌に込めて歌っています。明日の歌といいつつ、私の歌には分かれの歌や喪失の歌などくらい歌も多いのですが、昏い夜を経てあかるい明日もやってくると考えていただけると幸いです。

朝まだき鶺鴒のさえずり響き 合図のように朝日が昇る

失ってはじめて得られる幸がある 傷こそ力 涙は虹へと

希望はあなたを見放さない たとえあなたが捨てたとしても

私といふ現象は 銀河鉄道の行き着く先 風が吹くなり今日は賢治忌

心には昏くて深い森があり同じくらいに輝く光も

叫ベれど病牀六尺ままならず命を焔(ほむら)のごとく赤々と

叫び声三十一文字に封じ込め私は明日の歌をうたう

今週は45首詠みました。気づけば先週の倍の数。
振り返ってみてビックリしました。

来週も楽しく詠んでいこうと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

短歌に関してもうひとつお知らせです。現在Xで #おはよう短歌という活動をやっています。参加者は私も入れて現在二名。朝に短歌を詠んで一日を楽しく過ごそうという趣旨の元、毎朝短歌を投稿しています。

参加方法は、ハッシュタグ #おはよう短歌をつけてXで投稿するだけです。短歌好きでご興味のある方、ぜひXの  #おはよう短歌 に気軽にご参加くださいね、私も短歌をはじめて一カ月の初心者です。ご質問などありましたら、コメントいただけるとうれしいです。

ちなみに私のXのアカウントはhttps://x.com/toto_books  です。
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短歌や好きな本のことをポストしています。

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本当にありがとうございます!

皆様にとって、「誰もが心の疲れを癒やし、そして再出発に向けて力を蓄えるための場所」と、このnoteがなりますようにこれからも尽力していきます。どうぞよろしくお願いいたします。


あなたにとって、幸せな1日になりますように!

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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つくだとしお|書籍編集者×作家
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