今日見つけた本&読みたい本#9 本日は永井荷風と「編集の巨人」と哲学ミステリの話、そして短歌にまみれています。
こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだ@書籍編集×作家です。今日も積ん読人生を歩みつつ、パソコンに向かって短歌を書いてます。
前回から2週間ほどあいてしまいましたが、それだけ空くと面白い本もかなり積み上がってくるもので、さんざん迷った結果、3冊をご紹介したいと思います。
いま読みたい本
まず一冊目はこちら!
断腸亭日乗とは、作歌永井荷風が長年にわたってつけていた日記の名前です。読もう読もうと思っていたのですが、仲俣さんのこのポストを見て、読みたい気持ちがダム決壊しました。
版元とは出版社のことです。仲俣さんのポストによれば、荷風は彼らを「出版商人」と呼び、円本を考え出した山本実彦に至っては、日記でボロクソに書いているそうです。何がそんなに荷風を怒らせたのでしょう。それが非常に興味深く読んでみたいと思いました。
そしてもう一冊はこちら。
名編集者であり編集の巨人である松岡正剛さんの特集号です。松岡さんは本年8月に肺炎で逝去されました。本号は松岡さんの偉業を振り返る特集号といえるでしょう。
目次を引用(長くてすみません!)しますが、とにかく寄稿者が豪華です。これをもってしても松岡さんが学問と創作の世界において、多大なる影響を与えていたことがわかります。
松岡さんは「編集」という仕事の概念を広げた方でした。いま編集という言葉は、紙や映像の世界を飛び出して「場の編集」であるとかさまざまな方向に広がりつつあります。「編集力こそビジネスパーソンが持つべきポータブルスキルである」という方までいらっしゃいます。
そうした近年の編集の根本には松岡さんの磁場が働いているように私は感じます。過去の編集を振り返るために、そして未来の編集を模索していくために読んでみたい特集です。
そして3冊目は、こちら。
作者は尼野ゆたかさん。本作は『お直し処猫庵(ルビ:にゃあん)』、『期間限定皇后』、『戦国昼寝姫、いざ参らぬ』『お邪魔してます、こたつ犬』など、数々の作品を手がけてこられた尼野さんによる哲学ミステリです。
哲学者が事件を解決するというのが、なんとも面白いです。
尼野さんの作品は『お邪魔してます、こたつ犬』を拝読したことがあるのですが、実に温かい話を書かれるんですよね。最後にちょっと泣いてしまいました。
その尼野さんが、どんなミステリを書かれるのか。
もう期待しかありません。
いま読んでいる本
さて、続いてはいま私が読んでいる本です。
まずは今回ノーベル文学賞を獲得されたハン・ガンさんの『すべての、白いものたちの』です。もう皆さんは読まれましたか?
電子書籍で少しずつ読んでいます。短篇小説のような、詩のような文章は、心を透明にしていきます。早く読みたかったので、私は電子書籍を買いました。でも、紙の手触りを感じながら読むのもおすすめです。いまなら紙の文庫本も手に入りやすいので、ぜひ書店で手に取ってみてください。
そして、小島なおさんのデビュー歌集『乱反射』を再読しています。
本書には、小島さんが17歳から20歳までに詠んだ274首の歌が収められています。2007年刊行ということもあって、
『ノルウェイの森』読み終えていま家にいるのがわたしだけでよかった
なんて、時代を感じさせる歌もありますが、若き日の青春を思い出す瑞々しい歌があふれる歌集です。
そして、これも少しずつ読んでいるのが、
俳人の坪内 稔典さんが、正岡子規の言葉や作品を引用しながら、その人生について語っていく評伝です。正岡子規全集の歌論と短歌を買ったものの、旧かな旧字でなかなか読み進められないので、副読本にと読んでいます。
ということでいま読みたい本、読んでいる本7冊をご紹介しました。
あなたのお勧めの本も教えていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんのスキやフォローにいつも励まされています。
本当にありがとうございます!
皆様にとって、「誰もが心の疲れを癒やし、そして再出発に向けて力を蓄えるための場所」と、このnoteがなりますようにこれからも尽力していきます。どうぞよろしくお願いします🙇
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