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間テクスト性の諸性質

間テクスト性(intertextuality)は,クリステヴァが1966年に造語をした,哲学の術語である。

同時期にはデリダの散種(Dissémination)など,テクスト読解における無視できない振盪が認められる。次項ではこの事態を批判することで,現在われわれの立たされている哲学的座標を把捉し,それによってこれから向かうべき場所についての検討を予定している為,本項ではその準備として,間テクスト性に内在するであろう二種のテクスチュアリティと,それにしたがった類別を考える。きっと本項で試みるそれは,ジュネットの類別とは異なるものになるだろう。

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