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【断食体験記】『果てなき食欲』からの解放は可能か?〜IARP根府川道場 後篇〜
(この記事は、2018年9月、12月、2019年4月にお伺いした【IARP根府川】というファスティング道場での体験を紹介している。そのため、記事は当時掲載したものを一部リライトしています)
再掲になるが、先日、ずっと行ってみたかった「断食合宿」に初めて参加した記録をしている。前篇はルポ中心だったが、こちらの記事では、合宿「後」にフォーカスし、体調・心理変化・気付きについて記述している。
[前篇]「合宿参加のきっかけ」「道場がどのようなところだったか」「どのような1日を過ごしたか」
[後篇]「回復食期の自らの変化」「この合宿の意味合い」 ←今回はこちら!
断食終了1日目
<帰路>
さて、この合宿が終わったら何をしようか。そんなことより、下界に降りたら何を食べようか。そんなことばかり考えながら、東海道線で小田原の駅へ。東海道線で眼の前に見える海は、穏やかできれいだった。
到着した小田原駅には大きなお土産屋さんがあり、試食の魔力に耐えられず、かまぼこを片っ端から試食する。回復食には気をつけろ、ではなかったのか。いや、しかし、本当に、美味しいのだ。『魚のすり身は健康に良いのでOKはないか』という謎のロジックを頭に思い浮かべ、お土産という冠をかぶった自分へのご褒美を購入していく。
道場と実家が近かったので、荷物を取り寄せがてら寄って帰ることに。しかしあろうことか、連れて行かれたのは新装開店したパン屋さん。これが郊外型大型ベーカリーというやつか、嗚呼・・・
パンの焼けた香ばしい匂いが、鼻の奥を刺激する。「嗚呼、これが、この小麦弾こそが、いまの私の大敵、かつ、幸せの源泉なのか」という神妙な、恐ろしい気持ちになる。「後で食べるんだ、明日以降食べるんだ・・・!」と自分に言い聞かせ、パンを購入。
そのとき強く感じたのは『食欲と体調と精神は強く結びついているということ』だ。その証左として、感受性が高まっていたからだろうか、なぜか普段は全くなついていない母に対して、少しだけ正面から向き合えたような気がした。
実家に少しだけ寄り、東京の自宅への帰宅中、猛烈な空腹に耐えられず、パンを食べる。嗚呼・・・なかなかなくならない食欲。食欲が憎い。どうして摂取カロリーを増やしてしまうのか。回復食ではなかったのか。激しい自責の念に駆られる。
夜はせめてもの、ということで落ち合ったパートナーと松屋に行き、付属の味噌汁とサラダのみにする。これをいつまで継続できるだろうか。
終了後1日目
<食生活>
どうしてお腹がへるのだろう。朝にはとてもお腹が空くことに絶望した。昨日は散々パンに振り回された日だったというのに。朝から小田原でうっかり買ったお土産用のかまぼこを、しっかり半分食べてしまった。
お腹が空いているので、水をがぶ飲みする。もしかしたら、水分をたくさん取るくせがついたのは、この合宿の功績の一つかもしれない。
『好転反応(一連の運動および食事制限による体調変化の一環)』だろうか、会社に向かう道中での貧血・立ちくらみがひどい。身体が変わろうとしているんだとポジティブに捉える。
昼には生命の危機を感じ、会社の近くのカフェにて黒糖バナナスムージーとオリーブのパンを食べる。私は本当にパンが好きなんだな、と思う。少し呆れる。
また、帰宅後は特にストレスの溜まる事案が多く、うっかり食に逃げてしまいそうになる。帰宅の道中、通常運転だと容易に表出する『過食の衝動』に駆られ、折衷案として帰宅後ミックス野菜を蒸して食べる。量食べたくなる欲求は、なかなかなくならないなあと自分に呆れの感情を持つ。胃もたれしない低カロリーなもので解決するのがいまのところは妥当解か。
終了後2日目
<食生活>
起床し、やはり、空腹や食欲はなくなることはないことを実感。やめようと思えば思うほど食欲に振り回されていることを強く感じる。
当日昼は会社の製品(現在は社食サービスを提供する会社に在籍している)の試食会の開催日だ。ここで食欲のスイッチが解禁される。おかずとおこわを食べる。 夜はエステに行くなど健康志向を高めつつスムージーを飲む。
が、夜は家でのトラブル起因のイライラが止まらず、お土産で買ったはずの小田原焼き(クリームチーズを含んだ魚類のすり身を焼いたもの)を爆食い。美味しい、美味しいと感動を反復するも、自らを傷つけている感覚もある。(食後、怖くなって下剤と脂肪吸収抑制薬を飲む。体調は悪くなるが、贖罪のようなものと捉えているきらいがあるのかもしれない)
<心理面での変化>
そういえば合宿から帰ってきてから、泣くことが多くなった。ベッドの中でさめざめと泣いては寝ている。
しかし、悪いことだけではなさそうだ。思い返せば、この合宿前は、泣きたいことがあっても素直に泣くことができなかったように思う。そんなところも、少し素直になってきたのかもしれない。浄化の一環だろうか。毎日泣きすぎて二重が消滅してしまいそうだが、これも一つの変化と捉えてもいいのかもしれない。
終了3日目
依然としていろいろうまくいっておらず、つい食欲に逃げてしまう。『体調改善には、精神面での改善が必要で、むしろこちらがボトルネックなんだ』と気付く。
体重は参加前比で-2kgをキープしているが、リバウンドを考えると怖い。その強迫観念から、なんとか我慢しよう、という精神のせめぎあいが発生する。今回の道場での体験を通じて、食事は我慢しても死なないんだ、という自信がついたのは、良かった。
すっかり精神的に怖気づいて社会に出るのが怖い朝は、弊社商品の角煮とチャンプルーを食べ、自分を勇気づける。デブは食べ物を食べることで、自分を勇気づける側面があると、安野モヨコ先生は「脂肪という名の服を着て」のなかで言っていたが、本当に、真実みを感じる。
昼にはオリーブパンを1つ食べる。本当にこれでいいのかという迷いと、罪悪感と、やめられなさと戦う。夜はピザが出てきたが、お酒は飲まずに我慢できたので、最低限はクリアしたことにして、自分を褒めた。
回復食期間は合宿と同じ日数分確保すべし、とされている。日常生活に戻って体重をキープできるか不安だが、全てのバランスを取れるよう、毎日の生活に気をつけたい。また戻ってしまったら、再び、道場でお世話になろう、と思った。
道場で何を得たか
上記は2018年9月の記録であるが、当時断食後のにどのようなことを考えていたかを記録している。振り返ると、本記事のタイトルにもあるような『食欲からの解放』という段階には、この断食道場での体験を通じては至ることができなかった。だが、この合宿における体験は自分にいくつかの気づきをもたらした。それは自分にとって衝撃的ですらあった。
・意外と食べなくても大丈夫(生きられる)
・深い呼吸はとても重要(自分の呼吸音で落ち着ける)
・身体と向き合う時間を強制的に取ることで、自分のコンディションを見つめ直せる
ということ。また、上記のような直接的な気付きだけではなく、
・食について改めて冷静に向き合う時間を持て、自分にとっての『食』のあり方を再考できた(その重要性、距離をとっても大丈夫であること)
・友人と話し、双方に自己内省する時間を取れた
・心温かく素敵な人に出会うきっかけができた
・心を穏やかに、軽くすることができた
・概ね全てのことは(時間はかかるかもしれないが)徐々にリセット可能である、戻ってくる場所は創れる、という安心を得た
ことが意味合いとして、特に大きかったように思う。
もちろんポジティブな気付きだけではなく、自分に失望する瞬間も多々あった。でも、前向きに生きていくためのヒント、力を身体の中に湧きおこさせるきっかけのひとつになったように思う。
断食道場はこんな人におすすめしたい
以下のような想いを持つ人には、断食道場を強く勧めたい。
・日々の食欲コントロール(暴飲暴食)に悩まされている
・自分と食のあり方・関係性を見直したい
・そんなにたくさん食事を摂らなくても生きられるのか不安
・とにかく心を鎮める時間がほしい
・自分と向き合いたい
また、何だかんだでわたしが計3回訪れているIARP根府川道場は、以下のような方に特におすすめしたい。
・断食は正直きついので、3食食べたい
・とはいえカロリーコントロールされた、良いものを食べたい
・リラックス目的ではなく、自分のコンディションを整えたい
・早寝・早起きすることで生活リズムを整えたい
・空腹状態に気付き、食事のありがたさを感じたい
・山登りやウォーキングが好きだ
・身体のことについて教えてほしい
・自分で自分の身体を知る、癒す方法について知りたい
おすすめです!予約はメールから↓
なお次回は、約1年後の2019年10月に参加した「リフレッシュの森」での断食合宿について記載していく。
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