英語教授法(TESL) を勉強して、良かったこと。
こんにちは😊
今回は、英語教授法(TESL)を勉強して、良かったことをまとめてみました。もうだいぶ前のことになってしまうので、正直覚えている内容はうろ覚えです…🤦♀️笑
私は2014年にワーキングホリデービザを利用して、カナダで英語教授法を勉強しました。たった3ヶ月の勉強期間と、1ヶ月の教育実習でしたが、学んだことはたくさんありました。
英語教授法にも、色々あります。呼び方も、TESOL、TESL、TEFLなど様々です。私はTESL Certificate という、日本でいう「英語を教える資格講座」みたいなものを取りました。恐らく1番手早く、ベーシックなものだと思います。
(もっと本格的に勉強をされている方、大学の専攻が英語教授法で、4年ほど勉強して学位を取得される方もいます。)
今回は、私の個人的な経験を元にした、個人的な感想ですが、
「英語を教える仕事につきたい」
「英語教授法に興味がある」
「海外で何かを勉強したい」
などと言う方に、参考にして頂ければ嬉しいです😊
当時の私の勘違い。日本で英語を教えるのに、英語教授法は必須ではなかった。
本題に入る前に、一つだけ注意点を…。笑
日本で英語を教えるのに、正直何の資格も必要ありません。笑
学校で教えるには教員免許が必要ですが、英会話スクールやフリーランスの英語講師になるのに、現在必要なスキルは「英語」のみです。
英会話スクールの中には、講師を採用する際に「英語教授法(TESOLなど)を勉強したこと」を必須にしている所もありますが、とても少ないと思います。
大抵の英会話スクールは、講師を採用した後、研修などを行います。そこで講師は「ここの英会話スクール独自のやり方、教え方」を教わります。だから「特に英語教授法は必要ない」という考え方だと思います。(多分。)
当時の私は何となく、「英語を教えるには、ちゃんとした資格がないと!」と思い込んでいました。笑
その上、当時は英語から2年半ほど離れた生活をしていたため、自分の英語力にまだ自信がなかった時期でした。
当時は精神的にも不安定で、仕事や日本から逃げたい一心でした。
「何か手に職をつけたい。」
「とりあえず日本から出たい。」
↓
「ワーホリでカナダに行こう。」
「勉強プラス、仕事を経験しよう。」
「何を勉強しよう…?」
↓
「英語と、英語教授法を勉強しよう。」
「仕事は… なんとか現地で頑張って探そう。笑」
こんな気持ちで、私は英語教授法(TESL Canada) へ辿り着きました。
結果論として、私は「英語教授法を勉強していて、本当に良かった〜!」という経験をいくつかしました。確かに、今の日本では英語を教える仕事に就くのに「英語教授法」は必須ではないですが、個人的には勉強して良かったです😊
英語教授法を勉強して良かったこと。
本題に入ります🙇♀️
英語教授法を勉強して良かったことは、こちらの3点です。
1. 様々な教え方を学ぶことができた。
2. カナダで英語を教える経験ができた。
3. 日本でも大いに活用できた。
1. 様々な教え方を学ぶことができた。
3ヶ月間という短い期間でしたが、本当に沢山のことを学びました。まとめると、こんな感じです。
• 英語教授の理論や歴史。
• Canadian Language Benchmark (CLB) の仕組み。
(CLBとは、カナダで使用されている、それぞれの英語クラスのレベルのことです。)
• アセスメント(受講生の英語レベルを測ること)の作り方、やり方。
• カリキュラムの作り方。
• レッスンプランの作り方。
• マイクロティーチング。( 教え方、伝え方。)
特に印象に残っているものは、英語教授法の理論や歴史です。最初は「興味ないなぁ…」と思っていたのですが、学んでみると結構面白かったです。
英語を一つもわからない人に、その人の母国語を使わずにどうやって英語を教えるか。昔の方は、斬新なアイディアをお持ちでした。
• 軍隊のように、ひたすら先生が言った英文をリピートする「リピート法。」
• まさかの、先生は一言も話さず、ジェスチャーのみ。そのジェスチャーから、受講生に発言させる「サイレント法。」
• 先生がお茶やお菓子を用意し、照明なども工夫し、話しやすい雰囲気を作る「リラックス法。」
• 言葉は動きから!先生が”jump!” と言ったら、受講生全員がジャンプする「フィジカル法。」
※「〇〇法」という名前は、今とっさに私が考えました。笑 実際の名前ではありません。
本当にいろんな理論と方法を試してきたんだな〜と思いました。「フィジカル法」を全員大人でしている教室を想像すると、少しカオスな気がしました。笑
しかしこの方法、今でも子ども向けの英語教室では取り入れられてる所もあります。
「サイレント法」の動画なんて、先生はまさにチャップリン!でした。笑
印象に残っているのは、英語教授法の様々な理論や歴史ですが、TESLで学んだことすべてが、実際に英語講師として働く時に役に立ちました。
特にレッスンプランの作り方、授業の教え方、伝え方は、英語講師として働く私の「基盤」となっています。
引き出しを人より多く持っていることで、精神的にも余裕ができましたし、英語教授法の用語も見慣れているので、研修などでも困ることは少なかったです。
2. カナダで英語を教える経験ができた。
カナダで取った資格は、カナダで役に立ちました。
日本では必要ありませんが、カナダで英語を教えるには、英語教授法(TESL )を勉強することは必須です。
私は英語教授法を勉強した後、日本食屋さんで働きながら、移民や難民の方に英語を教えるクラスでボランティアをしていました。
TESLのある先生から「あなたはカナダで英語を教えるのは無理だ。英語が母国語じゃないし。」と言われ、とてもとても悔しい思いをしました。「それでも、経験だけでも」という気持ちで、ボランティアをしていました。
ボランティアだけでも「貴重な体験だなぁ」と思っていたのですが、幸運にも1ヶ月だけ、本当に講師として働く機会を頂きました。面接に受かった時は、あの先生に「ざまぁみろ〜!」と言いたかったです。笑
このプログラムの対象は、大人の移民や難民の方。
期間は1ヶ月。
月曜日から金曜日、朝9:00〜12:00。
木曜日は課外授業。
(クラス全員を外に引率し、アクティビティをします。)
1クラス30名ほど。合計10クラス。
お給料は1ヶ月で40万ほどでした。
あのTESLの先生の存在など忘れるほど、急激に忙しくなりました。
研修が始まりました。授業をする際のルールを聞き、言葉が出なくなりました…「教科書は使わない」ということ。「プリントも3枚まで」と制限が決まっていました。つまり、どう授業をするかは、自分の腕次第、ということです。
トレーナーからはっきりと「受講生が座っているだけの授業は見たくない」と言われました。
この時やっと、「TESLが必須」の意味がわかりました。レッスンプランの作り方やアクティビティの活用法を学んでいなければ、この仕事は務まらなかったからです。
TESLでは、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング、文法と語法、発音。それぞれのレッスンプランの作り方の基礎を学びました。それぞれのアクティビティ案や、その案を自分のクラスにどう応用するかを学びました。それが全て、ここで生かされました。
たった1ヶ月でしたが、これが私の講師としてのキャリアの原点となりました。ここでの経験は、私の財産です。講師として必要なことを、本当にたくさん学びました。
実際の授業で使用した、アクティビティ案は、講師の間で共有するシステムでした。助け合いの精神に感動しました。引き出しが一気に増えました。
トレーナーは、講師の体調管理にも助言をくれました。「睡眠時間をきちんと確保し、体調を崩さないこと。3時間教壇に立ち続けるのは、本当に体力が必要だから。そのためには、効率よくレッスンプランを作ること。」
効率よくレッスンプランを作るには、自分の中のルールが必要だと教わりました。「授業時間(ここでは3時間)以上の時間を、レッスンプランに費やさない」と自分の中のルールを作りました。慣れてくると、2時間かからなくなりました。また、アクティビティのリサイクル方法なども学びました。
毎週月曜日にはミーティングがありました。そこで、「今週の目標」を書きました。講師として、どう成長したいかを考える習慣がつきました。
週に一回は必ずオブザベーション (授業見学)がありました。授業を見てもらい、フィードバックを貰いました。「こうした方がいいよ」という指摘はいただきましたが、必ず褒めて、励ましてくれました。自分のレッスンに少しずつ自信がつき、プライドを持つようになりました。
そのほかにも、クラスコントロールの仕方、課外授業のやり方、ビデオオブザベーション(自分の授業のビデオを撮り、後日見て、自分でフィードバックをすること)など、本当に様々なことにチャレンジする機会をいただき、講師としての成長を支えて頂きました。
最後に、私を採用してくれた方にお話を聞きました。私を採用した理由を聞きました。
「カナダは移民の国です。難民や移民の方と繋がりやすいのは、同じ経験をした人。私たちは、英語が母国語でなくても英語を習得した人、つまりあなたみたいな人を講師として迎えることにより、彼らのロールモデルとなることを期待していました。」
日本人で、英語が母国語でないことが、こんな形で役に立つとは思いもしていませんでした。
英語を母国語としない人でも、カナダで英語を教えている方はたくさんいます。TESLの先生方の中にも、一人ロシア出身の方がいました。(私に「カナダで英語を教えるのは無理」と言った先生ではないです。)
カナダで英語を教える経験ができたのは、TESLを取得したからでした。本当に貴重な体験と、すてきな財産をいただきました。心から勉強して良かったな、と思います。
難民の方を教えた感想は、こちらに書きました。
お時間あればどうぞ😊↓
3. 日本でも大いに活用できた。
英語教授法 (TESL)を勉強したことは、日本でも大いに活用することができました。
私はカナダから帰国後、ある英会話スクールの非常勤講師として働き始めました。
研修では「スクール独自の教え方」を教わりました。
ビックリしたのは、レッスンプランがすでに用意されていること。「これは楽だ!」と思った反面、レッスンの目的を講師が考え計画しなくても、誰でもできるようになるシステムは、講師の成長と自由を少し奪われた気分でした。
その一方で、教え方は事細かく研修で学びました。セリフ丸覚えシステムでした。
私は「郷に入れば郷に従え」の精神で、今までの経験を一旦白紙に戻した気分で、研修を受けました。
無事に研修を終え、日本での講師デビューが決まりました。ある企業での講座を担当させていただくことになりました。
「この教材を使用してください」と送られてきた教材は、研修で使った教材と別のものでした。そして、案の定、レッスンプランまで送られてきました。
日本でTESLが必須でない意味がわかりました。
「このスクール独自の、ある意味型にはまったやり方」
「どの講師でも同じ質のレッスンを」
そうなると、TESLで学んだことの半分くらいは、活用できなくなります。
英会話スクールもビジネスです。受講生からのクレームを避け、満足度を上げようと思うと、こうなるのも納得がいきました。
講師に対しても、ある意味親切だと感じました。私は毎回の準備を怠らなかったですが、教案があり、ガイドラインがあることはとても心強かったです。安定した授業につながりました。
「日本ではTESL、そんなに活用できないんだなぁ」と少し残念に思っていたのも束の間。
数年後、次は「ここに行ってください。」と別の案件をいただきました。
ミーティングに参加すると、いつもと違う光景が… 私以外全員、外国籍の講師、いわゆるネイティブの先生でした。
「部屋、間違いましたか?」と思い、スタッフに尋ねると、「あっ、合ってます」と。笑
ミーティングが始まり、今回の案件の概要などを聞きました。その後、教材とレッスンについての説明が始まりました。
資料に目を通して話を聞いていると、TESLが蘇ってきました。レッスンプランは頂けませんでしたが、その分の成長と自由が手に入る、そして私がカナダで経験したことがやっと活かせる…!とその場で興奮してしまいました。笑
蓋を開けると、日本人講師は私を含め2人いました。レッスンの曜日も一緒だったため、一緒に話し合ったりプランを作ったりしました。
彼女は教員免許を持っており、高校の採用が決まったらこっちのスクールは辞めることになってる、と教えてくれました。
彼女から「それにしても、アクティビティとか色々よく知ってますよね。」とお褒めの言葉をいただいたので、私のバックグラウンドをお話しました。
「正直、あなたみたいな経験をしていないと、この案件はしんどいと思う…」と素直な感想を頂き、私は「たしかに」と納得しました。
あの数時間のミーティングで教わったことだけで、授業を丸投げされることを想像すると、私なら逃げ出していたかもしれません… TESLを勉強していて良かったと思った瞬間でした。
私はこの案件を3年ほど続けました。個人的にはレッスンを自由に組める、私の腕次第、というスタイルが好きでした。
しかしスタッフからは、「日本人講師で続いた人は、あなただけです。」と言われ、いや、無理もない、、と心の中で思いました。
「どうしたら日本人講師の方がこの案件を続けれるか、その秘訣を教えてください」と聞かれ、私はTESLや私のカナダでの経験について詳しく説明しました。
スタッフは私の話を聞いて納得したものの、「ではどうすれば…」という顔をされていました。今後、英語教授法を取得した方を採用する、という方針にするか、3ヶ月ほどかけて英語教授法を教える、しかないのでは…と思いましたが、英会話スクールではどちらも難しいのかもしれません。
まとめ。
今回は、英語教授法(TESL)を勉強して、良かったことをまとめてみました。
TESLを勉強しなくても、日本で十分に英語講師としてのお仕事はあると思います。ただ、個人的には「TESLに助けられた〜!」という経験を、書いたことの他にも、何度もしました。
TESLでは、英語講師として働く上での基盤を学び手に入れました。どんな講座や依頼がきても、「大丈夫、できる。基礎とやり方を学んだから。」と言えた安心感は大きかったですし、自分への自信につながりました。
「手に職をつけたい」という方は、TESLを学んでみるのも良いかも知れません。今日書いたことが「講師業」や「英語教授法」に興味がある方の参考になれば幸いです。
長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!😊