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『悲しい時、私は自分が鯨だと想像してみる』

5月24日の気分

世の中のほとんどの女は共感を求めているのである。
女に受けたければ、女のあるあるを並べ立てておけば大抵うまくいくのである。

SNSで高評価のお店を探してママ友とランチ。
名のあるレストランというだけでテンションMAX、目をこれでもかと見開き「美味し~い!これ美味しいね。ね?ね?ねえ?」と、ママ友と馴れ合い、キャッキャキャッキャするのである。

例えそれが市販のカレールーを大量の水で薄めた味のない黄色いスープだったとしても「美味しい美味しい」と、キャッキャするのである。

まことしやかに脈々と語り継がれていること




『悲しい時、私は自分がくじらだと想像してみる』



以前、図書館で鯨の絵を模写していた時に出会った本に記載されていたこの言葉をノートの片隅に記しておいた。
『悲しい時、私は自分がくじらだと想像してみる』
本のタイトルや作家の名前は忘れた。
外国の小説家の言葉だったと記憶している。

以来、時折この言葉を思い出しその場をやり過ごしている。

🐋


フッ、またつまらぬ自伝コミックに出会ってしまった。
タイトルとセールストークばかりにエネルギーを注いでしまい、そこでちからつきてしまったのかというほど中身が薄い私生活あるあるの羅列。何も伝わってこなかった。

「~こうして出会ったのが今の旦那です」みたいなよくある定型文タイプ。市販のルーを大量の水で薄めた味のない色付きスープタイプ。

「ふきだしさんも鼻でわらうよ」


ITが発達した今日こんにちは、これが良いと話題になると、こぞって類似作が売り場に平積みされる。
捏造された渦潮、小手先のごま菓子。
受け取る側は腹いっぱい。

相席した見知らぬアラフォー共が柿の種を飛ばしてきた。
喋りながら物を食うので、大声で笑った瞬間、口から柿の種を飛ばしなさったのである。

痛かった 柿の種が 痛かった

人類総作家時代と言われて久しいがAIみたいな人間もしくは人間みたいなAIが増えるなら、つまらなくなるなと悲しくなった。



・・・、でも大丈夫。


はい、本を閉じて目を閉じてー、最悪スマホもテレビもラジオも電子レンジもありとあらゆる電子機器をお庭に投げて―
はい大きく深呼吸~。

自分がくじらだと想像するよー。


ほ~ら、想像してごらん?

はるか遠く誰もいない大海原キラキラ光る静かな水面みなも

突如とつじょ「ザバーン」と波しぶきを立て、一等いっとう大きいくじらが海上へ姿を現わし潮を吹き

再びスローモーションで海中に潜っていく姿を





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