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高齢な親の介護日記⑧

2024年3月1日 金曜日 晴れ

仕事帰りに父の施設により、冷蔵庫をチェックして
いつも通り一緒に買い物に出かけた。
父は自分で買い物リストを作り、『コーヒーと洗剤』とメモ帳に書いているものの、一人で出かけるとなぜか牛乳とビールを買ってきてしまうので、二日に一回は一緒に買い物に付き添っている。

今日は良い天気だったので青い空を仰いだ後、施設の周りをゆっくり見まわしていると、父は普段はあまり気がつかない場所にある施設の従業員用の出入り口を見つけた。
「あの出入り口は一体何だろう。ボケたふりをして一度中に入ってみようかな。ボケているのでごめんなさいっていえば大丈夫だろうし。しかしボケたふりをしないといけなくなると、ゆっくりボケることもできなくなるぞ」

施設に移ってからなのか、はたまたその前からなのか、ゆっくりと穏やかに、父の物忘れは進んでいる。
昨年9月の誕生日で77歳を超えてから、父は自分の年齢を60代と思うようになった。
曜日感覚は全くなくなり、今日は金曜日だよと伝えた1分後には、今日は月曜日だよなと聞いてくるようになった。

そして
「そんなに重要なことではないから、忘れても大丈夫だろ」
というようになった。



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