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まほろば流麗譚

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#時代ファンタジー

老獪望郷流れ小唄 5

何度も頭を下げて離れていく老夫婦を見送ると

「いやぁ面目ねぇ、先生。全く気付けなかった。開け
 っぱなしの家だから、気は張ってんだが。」

鉄斎が詫びてくる。が、気付かなかったのは良源も同じ事だ。

「いや、そういう家だから却って良いのさ。俺や鉄っ
 あんなら気配は見逃さねぇしな。」

「まあ、いつもならねぇ。正直、全く分からなかった
 んでさあ。」

鉄斎は頭の良い男だ。詫びてはいるが、それよ

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月に濡れる。沖田総司の物語

手前味噌なんですが、「月に濡れる。」好きなんですよね。

「まほろば始末譚」がこの形に戻るのは、やっぱり「月に濡れる。」の影を追ってるのかもしれません。

荒削りで読みづらい!全くもって読者様には迷惑かもしれないこの物語は、少し前まではいつか書き直してみたいと思っていました。

ただ自分でも読み返す事があるんですが、どうにも弄れない勢いみたいなものがあるんです。

だから今はこのままで良いと思って

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