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失敗後に早く回復するためには、「いい人」であれ:『回復力』#読書

失敗すると、特に周りの目がある中では精神的に落ち込むこともある。
そんな失敗後のメンタルや、失敗した時のための備えについて書かれた本。
著者は工学が専門の元教授だが、この本では理屈よりも心構えの方が主題。

◇3行まとめ
・人は失敗するとショックやダメージを受け、エネルギーを失い、その回復に時間がかかる。
・失敗する前にできることとしては、助けが得られるように普段から周囲に対してギブの精神を持つ、色々な事を想定しておく、ということがある。
・失敗したときは、ダメージを受けているので回復させること、そのために一時的に逃げることもあり得る。

◇感想
本書の中で「人は失敗するとダメージを受け、エネルギーが回復するまでに時間がかかる」ということが繰り返し書かれていて、著者が失敗した人を見て強く実感したことなのだなと感じる。

自分の体験でも、仕事で失敗して責められた時には半年は引きずった。
その後、組織で「ミスはしょうがない」「どうしたらミスが起こらないか」と考える方向が強くなってからは、失敗後のダメージが軽くなった。
この本にもある通り、「失敗はあり得る」と考える社会であれば、精神的につぶされる人は減ると思う。

失敗した後どうするか、に重きが置かれた本だが、著者が提唱している「色々なことを想定しておく」かつ「いざ失敗したら鈍感である方がよく、楽観的な自信を持つのが良い」という考えはなかなか両立しないと思った。色々なことを想定しておける人は、あまり鈍感ではないと個人的には思うので…。

これを踏まえると、一番誰でもできそうなのは日ごろからギブの精神をもって人に尽くしておく、ということではないか。
効率化、とかミスの防止、とかいろいろあるけれど、結局は「良い人」かどうかが自分の身を助けるのかもしれない。

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