初めて知った。 初めて来た。 初めて見た。 初めて乗った。 なんの変哲もない一般動詞が、どうしてこんなにも色めいて見えるんだろう。 時は止まっていないはずなのに、「初めて〜」という瞬間だけが永遠のように感じるのは、私だけか。 なんでこんなことを思ったか。 またもや私のメモの供養です。 2023年7月13日木曜日 姫納、姫始め、その言葉自体エロいのかもしれないけど、それを誰が言うかによってこんなに心地いい猥物に変わるのが愛おしすぎる。その人が愛おしいわけではなくて、日本
夢の実現まであと一歩。 私が教師を志すようになって、かなりの月日が経った。きっかけは他からしたら些細なこと。「クラスに馴染めなかった私に居場所をくれた先生」にただひたすらに憧れた。 今でも鮮明に覚えているのは、自己紹介シート(新学期に記入するもの)を記入した時のことだ。 私は歌うことが好きだった。音楽家だった母の影響で幼い頃からジャンルを問わず様々な楽曲に触れていた。音楽は私を安心させ、居心地の悪かった他者との空間も、居場所へと変化させた。 【好きな食べ物は?】 ない。
『準彼氏』 思わず手が止まった。それ以外見えなくなった。しんとした世界で心音だけが煩く鳴り響いた。 付き合わなくてもいい、となりに人がいることだけで満たされると感じるようになったのはいつからだろう。 こんな私(簡単に卑下してしまうのは私の悪い癖)にも、付き合っていた人はいた。 初めは大学の同級生。ネガティブな自分を否定することなく、それを凌駕するほどのポジティブを与えてくれる人だった。 友達に恋人が出来たから、 そのカップルと同じコミュニティに属していたから、 という
言葉が出ないときがある。 自意識過剰ではあるが、語彙が少ないわけではないと思う。生成された言葉は自分の中で溢れているのに、音として成る言葉はほんの一握りだ。 理由はわかっている。熟考されていない状態の言葉を発することに、これ以上ない恐怖を感じるからだ。人に嫌われないように、人に好かれるように、自分の周りから人が消えないように、言葉を選び続けている。 「頭の回転が遅いだけ」と、言われたことがある。そうなのかもしれない。 でもこんな自分ともうすぐ22年の付き合いになる。 こ
随分日が長くなってきた。書類をまとめていた手を思わず止め、眺めた窓の外は微かな輝きを孕んでいた。 忙しない人の波に乗り、地下鉄に乗り込む。窓の外に延々と広がる暗闇と、点々とする明り。変わらない光景だ、至極当然のことを思う自分に苦笑する。 窓に映る自分と視線が交わる。鏡の中の自分は笑っていなかった。握ったスマホが震えたことにも気が付かなかった。 二人で眺めた春の桜、夏の終わりの線香花火、色めく秋の街路樹たち、寒い冬のイルミネーション、貴方は見とれていた。その横顔に恋をしてい
自分のことを見つめていこうと思う。何を考えているのか、自分はどう生きたいのか、生きている中で生まれ続ける人生課題を文字に遺そう。 「大学四年、女、平均身長、平均体重、視力悪め、喜怒哀楽の怒が欠如気味」。私を表すラベルはこれだけ。空疎というか、自分自身を表現する能力が乏しい。追加で「自己肯定感は低くもなく、高くもない」とだけ。 恋愛、男女関係―。一般量産型女子大生並みには経験してきた。 人間を見つめる中で思ったことがある。それも、記していきたい。ひどく直接的で、汚い表現もあ