以前、下の記事でも翻訳にまつわる問題について述べましたが、今回も翻訳の問題について述べたいと思います。
今回取り上げるのは、フランスの詩人、ジャック・プレヴェール(1900-1977)の詩です。彼は素敵な詩をたくさん書いていて、私も影響を受けているのですが、この度いくつかの和訳を比べてみたところ、問題が多いことが分かりました。
この記事では彼の「劣等生」という詩の和訳を例に挙げ、指摘したいと思います。以下では二つの英訳と三つの和訳を比較しますが、まず三つの和訳を並べてみましょう。
お互いにかなり違う表現があるので、どの和訳を読むかによって印象が変わりますよね。ではこの中でどの和訳が良いでしょうか。
少し過激に聞こえるかもしれませんが、客観的に見てこれらの翻訳はどれも問題だらけです(訳者はみなお亡くなりになっているので、ちょっと厳しく批判しても傷つく人はいないかなと思います)。どの部分にどういう問題があるのか以下で詳しく述べていきます。最後の方では私による和訳も披露します。