「機能性表示食品の効果」を感じない人は8割
データで見る利用者の実態
「機能性表示をすれば、商品は売れる」と健康食品業界内では、こぞって商品化を進めてきました。
以前は書けなかった効果を、パッケージに堂々と書けるわけですから、当然、以前より売れるようになるとみんな思っていたわけです。
かく言う私もそう思って、前職ハルメクで、商品化を進める上司を見守っていましたが、売り上げが芳しくありません。
例えば、オメガ3のオイルに、悪玉コレステロールを下げると表記しても、以前より売り上げが大きく伸びることはなかったのです。
もちろん、お客様の属性にも関係はあるのですが…。
2023年に実施された、機能性表示食品のアンケートがあります。
購入者の8割が効果を感じていません。
強いて言うと、
3.4%しか、効果があったと満足していないのです。
利用されていた機能は、ダイエット関連で5割をしめます。
実は効果を出すのは大変
②図のように利用者は、書いてある効果を期待して買うわけです。
これを飲めば痩せるかもとか、免疫にいいらしいから感染症の予防になるかもとか・・・。
一般のお客様は、期待をして購入します。
こんなCMもやっているので、さぞかし痩せると思います。
たしかにデータでは痩せます。
ケルセチン配合体の体脂肪燃焼効果は素晴らしいです。
でも、8週間毎日飲み続けて、平均で腹部全脂肪面積の10cm²(半径が1.78cmの円)の面積が減ります。
これって人により違いますが、ウエストサイズにして1cmも減っていないことになりませんか?
そのために、コンビニで170円(税別)くらいで売っていますが、約10000円支払って、毎日8週間飲むかというと、難しいところです。
だから、「効果を実感できない」と利用者は言っているのではないでしょうか。
機能性表示食品のリピートは4割減
前出の調査では、約3割の人がなんらかの機能性表示食品を購入しました。
で、次回も買うかというと、購入者の約4割はもう買わないと回答しています。
せっかく買ったのに、こんなに離脱していては、機能性表示食品の市場は今後大丈夫なのでしょうか。
こんな推計も出てはいますが…。
買いたくない人は、
「お金をかけるわりに効果を感じることができないから」と
言っています。
データから見ても、おっしゃる通りだと思います。
もう買わない人は、
その「機能性の表示に過度に期待を持ったということがポイントです。
期待外れだから、もう買わないのです。
ここから導き出されるのは、このような属性の方には、過度な期待を持たせてはならないのでしょうね。
機能性表示食品のターゲットとは
まずは、①図にある3.4%の効果を感じた人です。
体感としてわかりやすいものや、血圧など数値でわかりやすく結果がでるとリピートしてくれます。
ただし、そこには、タイパ(効果を実感する期間)とコスパとの兼ね合いが重要です。
整腸関連は、実感しやすいのですよね。
そして、多くを占めるのが「気休め」族です。
「どうせ飲むなら、食べるなら、機能があったほうがいい」
という選択肢の人たちです。
その際は、通常食品とあまり価格差がないことがポイントです。
そしてこの属性は、毎日リピートしません。
定期購入など、もってのほかです。
今まで、機能はダイエット系が主流でしたが、今後は実感できるものにシフトしていくことが予想されます。
ヤクルト1000も、マツコ・デラックスなど著名人の口コミ・評判が火付け役となり、SNSでは「悪夢を見るほどよく眠れる」と話題になりました。
実感した人がいれば、気分的にもプラセボ効果が高まります(もちろん、効果もありますが)。
今後、どんな商品が登場していくか、健康オタクとして楽しみです。
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