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ゆめまち はるせ
2022年4月12日 13:35
「最初はグー」を初めてわたしに教えてくれたのは、祖父だった。初孫のわたしを誰よりも可愛がってくれて、誰よりも遊んでくれた。わたしのいちばん遠い記憶、たしか3歳頃。いつも一緒にお風呂に入って、白いタオルを湯船に浮かべてクラゲを作ってくれたのを、よく覚えている。古い団地、風呂場のコンクリート壁に少しカビが生えていて、その独特の匂いが好きだった。お風呂上がりには、アンパンマンのアイ
2023年5月1日 13:02
あの子は「愛」についてよく考える子だった。自分が愛せない人などいないはず、きっと愛せる何かがあるはず、と自分なりに誰かの良いところを見つけ出そうとしたり、それでも限界があると分かって、きちんと納得がいくまで考えたり動いたりするような、そんな子だった。わたしの家のサンルームを非常に気に入ったらしく、まだ寒い二月のしんとした空気を身に纏って、しょっちゅうサンルームで煙草を吸っていた。あの子は
2022年3月20日 13:56
真夜中、突然思う。もしかして今、この世界に生きてるのはわたしだけで他の全ては、生きてないかもしれない。怖くなってテレビを見ても、これはあくまでリアルタイムじゃなくて本当は全部作りもので、今こうして息をしてるのはわたしだけかも。そんな風に考えてたら、何もかもが怖くなってきて、真夜中みたいに暗い心に飲み込まれないように、フタをする。朝になって、突然思う。やっぱりみん
2021年12月6日 05:22
誰のせいにもできない夜は眠れなくたっていいよ目を閉じて綺麗な星空を思い浮かべて月が近づいてきたらブランケットを持って暖かいココアも用意して誰もいないところへいこう僕と君しかいないところへ星ってすごく優しいから喜んで迎えてくれるさ月に着いたら何をしようか大きくてふかふかなベッドと本もたくさん持っていこうココアを飲みながら海と話をしよう海ってすごく優しいか