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ゆめまち はるせ
2022年4月12日 13:35
「最初はグー」を初めてわたしに教えてくれたのは、祖父だった。初孫のわたしを誰よりも可愛がってくれて、誰よりも遊んでくれた。わたしのいちばん遠い記憶、たしか3歳頃。いつも一緒にお風呂に入って、白いタオルを湯船に浮かべてクラゲを作ってくれたのを、よく覚えている。古い団地、風呂場のコンクリート壁に少しカビが生えていて、その独特の匂いが好きだった。お風呂上がりには、アンパンマンのアイ
2023年12月1日 22:51
わたしの娘はまだ1歳3ヶ月なのに、もう4度目の風邪を引いている。5度目かもしれないが、忘れてしまった。えくぼの浮いたもみじ饅頭のような手で、目を閉じたままわたしを一生懸命に探すのがとても可愛らしい。熱を出して寝込んでいる相手に「可愛らしい」は不謹慎かもしれないけれど、可愛らしいのだ。本当に。まだおしゃぶりの外れない娘を眺めながら、わたしも幼い頃おしゃぶりがやめられなかったという話を、母親か
2021年9月29日 14:10
私の親友は、ちょっと変わっている。落ち着きがなくて、ギターの音が嫌い。よくひとりで鼻歌を歌っている。夜だろうが、お構いなしだ。執筆中の私に、何度も「遊んで」とせがむような迷惑な奴で、機嫌が悪い時は、邪魔だと思うこともある。でも、愛おしい親友なのだ。ベランダから差す太陽の暖かさを身に纏って、私のカーディガンをブランケット代わりに、気持ちよさそうに昼寝をする。恋人と抱
2021年4月3日 23:35
ふと、食パンを買ったことを思い出した。卵と牛乳、たくさんの砂糖があればいいので楽だ。私がふやかしたドッグフードを食べていた小さな飼い犬は、いつの間にか、1歳を越して体が大きくなっていたし、冷凍ボロネーゼにツナを入れて食べることしかできなかった私は、いつの間にか、フレンチトーストを作れるようになっていた。ストロベリーウィーク。世間ではそう呼ぶらしい。私のストロベリーウィークは名前