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【2月28日日本時間19時】なぜ、料理史を探るのかー新ラグジュアリーとボローニャ料理

【2月28日19時@オンライン📣】

こちらの講座でお話しさせて頂きます。

題して「なぜ、料理史を探るのかー新ラグジュアリーとボローニャ料理」

これからのビジネスリーダーに必要なのは、人文的な知で、文化価値の創造と社会ビジョンへアプローチできる力です。

それは、先進国を中心に技術や市場が成熟をみせる中で、今後、人々の心を本当の意味で動かすような「本当にほしいもの」は、歴史や文学、哲学、倫理など人文学的な知が​主導しつつあるからです。

新ラグジュアリーの本質はここにあります。

料理も然り。

料理文化を理解するとは、レシピのような要約できる知識の吸収にあるのではなくプロセスそのもの、つまり料理の背景にあるダイナミズムを理解することなのです。

そんな21世紀のビジネスリーダーの話を、料理という視点でアプローチします。

ぜひ、奮ってご参加ください。お待ちしています!

==紹介文より==

LFNゲストトークは「人文知の視点から考える 新しいラグジュアリーオンラインプログラム 」(講座#3は2月初めに終了。#4の開催時期は追って告知します)を主宰するグループが新ラグジュアリーの動向や新しい視点を単発の企画として提供していくものです。

今回は料理を取り上げます。前半の1時間は講師によるレクチャー、後半の1時間は参加者の皆さんと一緒に講師と議論します。

日本の複数のデータによれば、日本におけるフランス料理店とイタリア料理店の店舗数を比べると、近年、イタリア料理店の方が多いです。カジュアルな雰囲気で価格も含め敷居が低いとの印象がイタリア料理店の多さにつながるのでしょうか。

この仏伊の料理の差異が旧ラグジュアリーと新ラグジュアリーに対応しているのではないか?との思いつきが、今回の企画のはじまりです。

題して「なぜ、料理史を探るのかー新ラグジュアリーとボローニャ料理」。ゲスト講師は中小路葵さんです。ボローニャ大学博士課程でイタリア料理史を研究しているイタリア料理家です。

中小路さんは、「料理文化を理解するとは、レシピのような要約できる知識の吸収にあるのではなくプロセスそのもの、つまり料理の背景を理解することです」と話します。だからと言って、料理の起源を探し出す、場合によっては起源を作り出す(!)という蘊蓄に夢中になることを奨励しているわけではありません。

「最終的な料理ではなく、その料理を考え出し作る過程に価値があります。変化を前提としたダイナミズムを理解するのが大事なのです」と彼女は強調します。

レクチャーの内容はヨーロッパ料理史の概観からはじまります。中世にあった教会と地方貴族の関係と料理、都市国家がせめぎ合うイタリアルネサンス期の饗宴、絶対王政時代のフランス料理、産業革命で出現した新興ブルジョワが好んだ料理など、これら一通りの流れを基礎知識として踏まえたうえで、次に仏伊の料理史に焦点をあてます。 

フランスの中央集権とイタリアの地方分権、両国の(外食)レストランの発展史の違い、調理法と素材に対する考え方の差異。これらに言及した後、各地の文化の交流地点としてのボローニャに生まれた料理の特徴について話します・・・そして、21世紀におけるラグジュアリーとは?という本丸に迫ります。

ラグジュアリーは新しい文化をつくる、との観点からみてボローニャ料理を主語にして語られることを探ってみたいです。マンマの料理がもつ意味、自文化と異文化の見方、ユニークネスがもつ力と限界、さまざまな視点を動員していきます。

新しいラグジュアリーを頭と五感すべてで体感するヒントが欲しいという方にお勧めです。下の写真は、農民料理が由来のピアチェンツァの郷土パスタ「ピサレイ・ファソ(Pisarei e fasò)」。古くなったパンを使っています。

ゲスト講師のプロフィール

中小路葵(なかこうじ あおい) 

イタリア料理家/ボローニャ大学PhD

50か国を旅してイタリアとイタリア料理が好きであることを自覚。個人でイタリア全20州の家庭を訪ねて料理を学ぶ「マンマを訪ねて3000里」を進めながら、ボローニャ大学の博士課程にて「ボローニャ料理史」を専門に研究。学んだ料理の豊かさを日本に伝えるべく、料理家としても活動。

2018年東京大学卒業後、クックパッドで海外事業、大手コンサルタント会社にて海外進出戦略に従事。2022年1月よりボローニャ大学へ留学し、2023年7月同大学歴史文化学部修士課程を卒業。修士論文のタイトルは「20世紀のイタリア農家料理の変化:オーラルヒストリーによるエミリア州ポー平原とプーリア州ムルジャ平原の農家料理の考察」。同年11月よりボローニャ大学PhD「デジタル・エコシステムにおける文化」の中で「ボローニャ料理史」を専門に研究。料理家としては、オンライン料理教室「イタリアのマンマ直伝パスタクラス」、雑誌「1番近いイタリア」、執筆、ビジネス通訳、講演など。

主宰 Letters from Nowhere

安西洋之(あんざい・ひろゆき)

モバイルクルーズ株式会社代表取締役。De-Tales Ltd.ディレクター。

東京とミラノを拠点としたビジネス+文化のデザイナー。欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画してきた。2000年代からデザインを通じた異文化理解の仕方「ローカリゼーションマップ」の啓蒙活動をはじめた。2017年、ベルガンティ『突破するデザイン』の監修に関与して以降、意味のイノベーションのエヴァンジェリストとして活動するなかで、現在はラグジュアリーの新しい意味を探索中。著書に『メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか』、『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』、『イタリアで、福島は。』、『ヨーロッパの目、日本の目』。共著に『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』『デザインの次に来るもの』、『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』。訳書に、エツィオ・マンズィー『ここちよい近さがまちを変える/ケアとデジタルによる近接のデザイン』『日々の政治』。監修にベルガンティ『突破するデザイン』。

前澤知美 (まえざわ ともみ) 

Art Director & Graphic Designer / Founder at TOMOMI MAEZAWA。

ドイツ・ミュンヘンを拠点とするアートディレクター、デザイナー。英国ロンドン芸術大学、セントラル・セント・マーチンズでコミュニケーションデザインの修士号を取得。伊ベネトン・グループのコミュニケーション研究機関FABRICAでのデザイナー・イン・レジデンス、東京のデザイン会社Takramでのコミュニケーション・デザイナーを経て、2015年に異文化間ブランディングを専門とするデザインスタジオTOMOMI MAEZAWAを設立。ヨーロッパを中心に、アジア、北米などあらゆる文化圏でのプロジェクトに携わり、現在は中小企業や文化団体の多文化社会におけるビジュアルコミュニケーションの確立支援に注力している。主なクライアントに、The North Face Japan、Asics、ダイキン、キントー、Mountain Hardwear、Netflix DE、Freeletics、Disney、Levi’s、United Colors of Benetton。

石井美加(いしい みか)

デザインプロデューサー リサーチャー/プランナー/コーディネーター

早稲田大学第一文学部仏文科卒業、学習院大学美学・西洋美術史修士課程を修了後、資生堂に入社。販売、商品開発、パッケージデザインプロデュースの経験を積む。「グローカル」をテーマにミラノ、ロンドン、パリのデザイン事務所に1年間在籍し、デザインマネジメントへの見識を深める。帰国後は、グローバルトレンド分析、化粧品ブランド/コーポレートのクリエイティブ制作プロデュースに従事。「美の意味」を探求する広義のデザイン活動として、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アートをデザインでつなぐ美の大実験室「LINK OF LIFE」展、SHISEIDO THE STORE ウィンドウギャラリー、SHISEIDO THE TABLES コンテンツ、社内デザイナーによる意味のイノベーションプロジェクト「デザインR&D」、研究所オープンイノベーションプログラムプロダクト開発「リトリートスティック」、武蔵野美術大学産学協同研究「GINZA STREET LAB」等を企画推進した。 2023年よりフリーランス。山形県北東部の生活文化を探索中。

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