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#238【虎に翼語り】第2週(1)法律ってなんだ?

今日もお読みくださってありがとうございます!
今日のタイトル画像も、明治大学博物館で開催中の「虎に翼展」で展示されていた伊藤沙莉さん(たぶん直筆)の寅子イラストです。

性懲りもなくまた書いてみます、トラつば第2週!
そして今回もまた回ごとに分けます!
1週1記事にできるように各回は短く書こうと思ったけど無理だった!


第2週 2nd stage "vs Yone Yamada"

2面……じゃなかった第2週のボスは、同級生の山田よね(土居志央梨)。
(見ていくうちに2週のテーマはそこじゃないという結論に至ったのだけど、とりあえず見始めたはじめはそう思ったのでいったんそう書いておきます。詳細後述)

キャー!!!
よねさんだわよねさんだわ!!!

よねさんとは長い付き合いになっていき、その中で何回もぶつかっていくので、今回は記念すべき第1戦というところでしょうか。

アラフォーになって実感をもって言いますが、トラブルゼロで仲良しこよしだけが友情じゃないですよね。若いころに仲良かったけれど疎遠になったりすることもあれば、若いころにはそりがあわなくても年取ってから仲良くなったりすることもあります。

よねさんって、終盤まで徹頭徹尾魅力的なキャラクターなのだけれど、登場時には特にかたくなで嫌な奴に造形されているので、最終回を観てから初めて序盤を観るくらたの視聴スタイルは、精神の安寧につながる効果もあってラッキーでした。

女三人寄ればかしましい?

さて第2週、まずタイトルの慣用句の辞書的意味を引いておきます。

おんな三人寄れば姦しい 慣用句
(「女」という字を三つ合わせると「姦(さわがしいの意)」という字になるところから)女はおしゃべりだから、三人も集まれば非常にやかましいと言うこと。おなご三人寄れば姦しい。

小学館 精選版 日本国語大辞典

今日、中学生くらいの男子4、5人が駅で騒いでいました。
男だって女だっておしゃべりな人が集まればうるさいです。
この慣用句からは、「女にものを言われては困る」という前提が透けて見えますね。

第6回から第10回までを見通してみれば、まさにこの慣用句のとおり、個人的な環境で孤独な戦いをしてきた寅子が、ともに考えともに怒りともに戦う仲間をにぎやかに得ていく過程が描かれています。
女にものをいわれては困る人たちには、苦々しい内容でしょうね。

虎に翼第6回 「変わり者ばっかり」の主要キャラ紹介

時は移って昭和7(1932)年、春。
明律大学女子部に入学する寅子。

NHK『虎に翼』第6回より。寅子得意満面!

出がけに母はるは寅子に「法律を学びたい女の子なんて変わり者ばっかりに決まってます」とまだ憎まれ口をたたいています。

入学式では学長から「今年度こそ婦人弁護士を可能にする法改正がなされることはほぼ間違いない」との話がなされます。
希望にあふれた女子学生たち。

華族のご令嬢・涼子様(桜井ユキ)
弁護士夫人・梅子さん(平岩紙)
男装の麗人・よねさん(土居志央梨)
朝鮮半島からの留学生・ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)
凛とした久保田先輩(小林涼子)
泣き虫な中山先輩(安藤輪子)
と、これから寅子の一生の仲間になる面々が登場。
(この段階ではヒャンちゃんは、日本読みで"崔香淑・さいこうしゅく"さんと呼ばれています)

また、この回初めて登場してくるのが、女を見下す態度を隠さない新聞記者・竹中(高橋努)。6月以降にリアタイしたときはこの人との関係性がよくわからなかったのですが、こういう因縁が始まりだったのか。
この人もだいぶ変わったのですね。
現時点ではくっそ嫌な奴だけど、これからが楽しみです。

これだけの主要キャラが15分で紹介されるとは……!
宇多丸さんの言葉を借りれば、手際よすぎ、です。

寅子、地獄の入り口へ

女子部が行動していると男子学生から「魔女部」「これから黒魔術でもやるのか?」「お嬢さんがた、引き返すなら今だぞ、嫁の貰い手がなくなるぞ、そもそもいないかあ!」などなど、幼稚で心無い嘲笑が飛びます。
この揶揄に泣き崩れた中山先輩は、「これ以上法律を学び続けるならと」婚約を破棄されたとのこと。
おお、まさに地獄。
でも今も、特にSNSでは似たような地獄は存在していますよね。
性別、障害の有無や国籍や民族などによって差別する言説は今も生み出され続けています。

でも、これはまだまだ地獄の入り口(ということはこの時点ではわからない)。

「法律とは何か」

また、この回では、よねさんによって「法律とは何か」という重要な問いが提起されます。
(現在放送中の後期朝ドラ『おむすび』でも、第2週のテーマは「ギャルって何なん?」でした。2週目ってそういう感じなのかも)

よね 「なんであんたみたいのが女子部に?どうせ法律が何かもわかってないくせに」
寅子 「そのくらいはわかっています!法律とは私たちが守らなきゃいけない規則で……」
よね 「法律を校則か何かと思ってんの?」

よねさんに鼻で嗤われてこの疑問を家に持ち帰った寅子、ものすごい勢いで優三を問い詰めます。優三さんあわれ。

「法律とは」の正解を教えろと詰問された優三の回答は、

優三
「それは自分で見つけるものと言いますか。
 法律って自分なりの解釈を得ていくものといいますか。」

追い詰められた優三の言葉でしたが、どうしてなかなか、この作品全体を通じて、各人が向き合っていく問いになるのが見事です。

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