【読書】裸の共産主義者: 虹色の狂気の正体
出版情報
タイトル:裸の共産主義者: 虹色の狂気の正体
著者:やまたつ
出版社 : Independently published
発売日:2024/8/24
ペーパーバック : 134ページ
人気YouTuberの5冊目の著作!
本書を紹介するなら、これまでの4冊を読んでおくべきだが、残念ながら読むのは1冊目。お許しあれ。
やまたつ氏はカナダ在住の人気YouTuber。登録者数17.9万人を誇る。配信開始は2020年6月。不可思議な米大統領選挙があり、不可思議な武漢肺炎が始まってから約半年たった頃だ。その頃から北米情報を配信してくれていた。私が我那覇真子チャンネルなどを見始めたのも、その頃だった。
やまたつ氏のチャンネルの特徴は、これでもか、というほど、情報が詳細なこと。欧米メディアやメディアから漏れている情報を詳細に伝えつつ、分析も。そして軽妙な語り口。何より、わかりやすい。人気なのも、わかるよね。
これまでの4冊はいずれも崩れゆく北米の様子をレポートし、日本に対して警鐘を鳴らすものであった。本書は、現在の状況の青写真とも言うべき共産主義者の『意図』=目標を紹介している。気づいたのは60年前のFBI捜査官だ。その著作『裸の共産主義者』から最重要部分を抜粋した。また現状との関連性を解説して伝えている(例えばLGBTQ問題など)。地域の図書館や中学校などにぜひ置いてほしい(だが我が横浜市はどうやら日販などの流通を通さないものは置いてくれないようなんだよね〜、図書館には。献本も手段としてありうるが、「スペース」の問題で結局おいてくれないことも。あ〜ジレンマ)。
ちなみにこれまでの4冊は、下記の通り。いずれもベストセラーと言ってよいだろう(でなければ同じ出版社から出さないよね)。
左翼リベラルに破壊され続けるアメリカの現実(22年12月)
北米からの警告(23年7月)
緊急レポート!謀略と戦争を仕掛け、敗北するアメリカ(23年12月)
日本人が知らない「陰謀論」の裏側(24年3月)
以降ネタバレを含みます。気になる方は離脱してください。あるいは目次で目的のところまで飛んでください。
裸の共産主義者:最重要部分:本記事による分類
60年前に共産主義者の意図に気づいたFBI捜査官の名前はクレオン・スコーセン。著作が『裸の共産主義者』だ。1958年に第1版を1962年に改訂版を出版している。やまたつによると、『裸の共産主義者』の最重要部分は、共産主義者の45の目標だという。注意点は冷戦当時に書かれたものなので、現在にはそぐわないものもあるとのこと。だが、概ね、今でも「あ〜、だから!」と納得できるものだと判断したのだろう、ほとんどそのままを紹介している。
本記事では、その中からいくつかを抜粋して紹介する。…と言いながら、抜粋するのがすごく難しい。それぞれが今でも継続して目標となっていると思われるからだ。結果として45の目標のうち28をピックアップした。本記事では項目ごとに分類し、文言は簡略化したものを紹介する。ご興味のある方はぜひ本書を手に取ってほしい。
裸の共産主義者の45の目標(抜粋)
核について
(2)核戦争でなく降伏を選ぶ
(3)非武装化は道徳の高さという幻想を作る
共産主義国について
(6)世界中に支援(援助)する。共産主義国か否かに関わりなく
(7)共産主義中国を認め、国連に加盟させる
(10)すべてのソ連衛星国を国連加盟させる
国連について
(11)国連を世界で唯一の希望と宣伝する
司法について
(16)裁判所の法解釈により…アメリカの基本的な習慣を弱体化する
警察権力について
(35)FBIの信用を貶め、最終的に解体する
(38)逮捕権限の一部を警察から社会機関に委譲する。(犯罪)を…精神疾患と思わせる
国家への忠誠心
(13)(国家への)忠誠の誓いを廃止する
政治について
(15)アメリカの政党の一方、または両方を乗っ取る
(16)合衆国憲法を…古くさいなどと傷つける
教育について
(17)学校を支配下に置く。…洗脳の場にし…学力を低下させる。教職員協会を支配する。共産党の方針を教科書に入れる。
歴史・文化・宗教について
(22)…アメリカ文化の信用を失墜させる
(27)宗教界に浸透し、…「社会的」な宗教に置き換える。聖書の信頼性を失墜させ…知的成熟の必要性を強調する
(28)…学校での祈りの時間や、宗教的な表現を排除する
(30)アメリカ建国の父たちを貶す。…利己的な支配層と思わせる
(31)あらゆる種類のアメリカ文化を貶し…歴史教育に反対する。
家族制度について
(40)家族制度の信用を落とす
(41)親…から子どもを遠ざける必要性を強調する
セックスとセクシャリティについて
(24)わいせつなことを取り締まる法を「検閲」「言論の自由や報道の自由の侵害」として撤廃する
(25)…ポルノを奨励し、道徳的な文化水準を破壊する
(26)同性愛、異常性愛、フリーセックスを「正常で、自然で、健全なもの」と見なさせる
企業について
(20)報道機関に浸透する。
(21)ラジオ・テレビ・映画の重要なポストを支配下に置く
(36)より多くの労働組合に浸透し、支配する
(37)大企業に浸透し、支配する
そのほか
(12)共産党の非合法化に抵抗する
上記のリストについての感想や解説はのちに述べることとする。上のリストを見るだけで、「あれ?日本でも行われているんじゃ??」と思わせるものがいっぱいあるのでは、と思う。
共産主義の危険性
共産主義の究極の目的
共産主義の究極の目標は、社会や世界の秩序を作り変え私たちの自由を奪うことだp15、p118。スコーセンは『裸の共産主義者』の中で、
と言っているという。そしてやまたつはいう。
お、恐ろしい…。そして、共産主義者も社会主義者もグローバリストである、という。グローバリストは国家や国民という枠を越えて、お金儲けをし、人々を支配することを狙っているのだ。
常に社会を「加害者」と「被害者」に分け、対立を煽る
本書では第1章で、共産主義に注意を促すために、欧米や特にカナダでのコロナ騒動の政府の対応を説明している。ワクチンパスポートだ。枠💉を打っていなければレストランに入ることも、好きなテニスをすることもできない。やがて、このやり口が、共産主義のものだと気づく。
権力者側の理屈によれば、「世界的な脅威」であるコロナウイルスから身を守る唯一の方法はコロナワクチンによって集団免疫を獲得することだから、ワクチン接種は弱者を守る良いこと、とされ、接種しない人は共同体の集団免疫の獲得を妨害する「加害者」である、とされた(日本のマスク警察や飲食店警察もそんな感じだったよね)。ん?そもそもコロナウイルスの被害者は人類全体だったはずが、いつの間にか、「ワクチン接種をした人」のみが「被害者」として権力側から認定され、「ワクチン接種しない人」(=権力者側のアジェンダに協力しない人)が「加害者」であるとレッテル貼りされている!!
これはたった一つの例(ワクチンパスポート)であり、最終的には取り下げられた例でも、ある。つまりこの例では、共産主義の危機は去ったのだ。
だが、こんなふうに、いつ権力者側から敵認定されてしまうかわからない世界、それが共産主義が支配する世界だ、と警鐘を鳴らしている。
政府の暴走を止められない
チャイナを例に出し、
そして、
銃規制はその一端だ、と述べている。ん?とすると、日本の反社人々の人権を奪うような法律(暴対法)もその一環なのでは?と邪推??してしまう…(ごぼうの党奥野氏も似たような??推測をしていたような…)。
共産主義者は既存の文化や秩序の破壊を狙う
スパイが海外で行う諜報活動の大部分は、「長時間かけて行われる"イデオロギーの破壊"」だという。下記はソ連のスパイのユーリ・ベズメノフの証言を参考にしたものだ(『北米からの警告』で紹介したとのこと)。
梅政権での大量の不法移民の流入。そして彼らへの税金のばらまき政策。ささやかれる米国内での内戦の危機。もう、米国はもう第三段階に入っているのでは!?と思わせる…。もちろん日本も人ごとではない。オーストラリアの元国会議員が第4段階までの流れを警告している。
裸の共産主義者: 虹色の狂気の正体
虹色の狂気
本書では、昨今の状況のうち、主にLGBTQにフォーカスしている。LGBTQは虹色をシンボルにしている。七色のグラデーションが多様性を象徴しているということなのだろう。本書の題名『裸の共産主義者: 虹色の狂気の正体』とは、LGBTQ運動の背景には共産主義思想があり、彼らの狂気とも言える所業について解説してくれている。パリオリンピックの開会式。最後の晩餐を模した食卓についていたのはLGBTQを代表するような人々だった。マリーアントワネットの醜悪な演出とともに不快感を感じた人が多かったのではないか?日本の当事者からは批判の声も上がっている。
狂気の所業は、もちろんパリ五輪の演出どころではない。
思春期で自分のアイデンティティが不安定な青少年に安易に性転換手術を勧め、ホルモン薬頼りの人生に陥らせるなど、読んでいて、胸が苦しくなる。そしてこの未成年の性転換手術には両親が介在できないような法整備がなされているという。これが米国で「普通に」行われているというのだから、まさに世も末である。そして、これはつまり、LGBTQが医療利権、製薬利権とも結びついていることを意味する。
LGBTQ運動の第一義は家族制度の破壊
LGBTQ運動は上述した60年前の裸の共産主義者の最重要部分:本記事による分類のうち9番目 家族制度について:セックスとセクシャリティの項目に相当する。LGBTQ運動の主張は簡潔に言えば「性的マイノリティ」という差別に遭っているので、その『被害者』の権利を守ろう、ということだ。縁あって出会った男女が家庭を営み、子どもを授かり、育てていく。もちろんそういう人生を歩まない人々も大勢いる。私もその一人だ。だが、私も、そういう家族の中で育ててもらったのだ(もちろん別の環境で育つ人々がいることも十分理解している)。そのいわゆる『普通』が加害者になる構図。そういう父母に子どもがいる家庭を『普通』と呼ぶことが憚られる。もちろんLBGTの人々を尊重することはやぶさかではない。しかし、女子トイレや公衆浴場の女性風呂に、性自認女性である男性が入ってくるのでは安全が脅かされる(深田萌絵TV)。女子競技に性自認女性が参加するのは、女子競技自体を破壊する。お互いを尊重する、という精神からだいぶ外れているのではないだろうか?
このようにLGBTはセックスに関する道徳と概念を破壊し家族制度を壊す試みであるばかりでなく、今では司法、政治、教育、歴史・文化・宗教、企業とあらゆる分野に関わりのあるものとなっているのである。
本書には、ソ連での家族否定の末路や科学者の人体実験に巻き込まれた双子家族の悲劇など、LGBTQが何につながっていくのか、その危険性が詳細に述べられている。
裸のグローバリズム
裸の社会主義者、裸の共産主義者、裸のグローバリスト
60年前の『裸の共産主義者』には続編がある。2014年に息子のポール・スコーセンによって出版された『裸の社会主義者』だ。父であるクレオン・スコーセンも喜んでいることだろう。やまたつによれば、これらはいずれも『裸のグローバリスト』として位置づけられるというp115。
危機を利用する革命
やまたつは「革命」という過激な言葉は使っていない。コロナ禍で起きたことを下記のように総括する。
これは人としての自然な習性だ。…というか「自由を自ら放棄し」「自分よりも大きな存在」「に頼ろう」とするというより、「集団で協力して困難を乗り切ろう」「困難を乗り切るために神仏の協力も仰ごう」ということだと思う。
例えば、2024年1月2日に起きた地上でのJAL衝突事故。全員無事救助されたのはJALの職員たちの日頃の訓練の賜物であり、何より乗客が自らの荷物(私有財産)を放棄して協力し、そのリーダーシップに従ったのだ。
コロナ禍の初期段階、でテドロスやファウチらが自信たっぷりに「マスク」や「ソーシャルディスタンス」や「ワクチン」を案内し、みなが自由を自ら制限して危機への対処に協力した。海外では罰則規定もあったようだが。日本で言えば都知事や尾身らが協力を要請した。
だから一番肝心なのは、みなが協力した結果、それが危機に対して有効だったのか、否かの検証だ。危機に対して協力し合う、それが人としての自然なのだから。
だが、検証作業を抜きにして、
これは危機を利用したある種の革命、と言えないだろうか?国境を越え、各国の主権を脅かす。日本でも、IHRの改定に先行するような形で、新型インフルエンザ等対策政府行動計画が閣議決定された。パブコメで19万件もの意見が寄せられていたにも関わらず、ほぼ何の変更もなく。一番に懸念されているのは、今でさえ不自由なのにいっそう言論統制が強まるのではないか、ということ。さらにインテリジェンスだのサーベイランスだのあまり穏やかでない文言が入っている。それが具体的に何を指すのか、はっきりしないが諜報とか、監視とか訳される場合もある用語だ。それを地方に適用するといったニュアンスのことが書かれている。
裸のグローバリストの究極の目的
再度、やまたつの言葉を引用しよう。
裸の共産主義者や裸のグローバリストの究極の目的は「国家と一部の権力者による国民の監視と管理による自由の喪失」だという。何だか閣議決定された政府行動計画と不気味にリンクするような…
共産主義やグローバリズムへの処方箋
本書には第5章に私たちにできること、と題して、裸の共産主義者に載っている方法がそのまま記載されている。日本にはない組織のことなども書いてあるが、概ね、「共産主義への警戒を怠らず」「仲間づくりをしなさい」ということが主旨のように感じた。
また終章として敵をつくらず、仲間をふやすとある。とすると、こうしてnote記事を書くことも、もしかしたら自分なりの地道な仲間づくりへとつながるのかも、などと感じだ。
終わりに
やまたつは「自由を守ることの大切さ」「自由の貴重さ」を強調して述べている。本当にその通りだと思う。
一方で、共産主義は権力者の行き過ぎを止める手立てがないという。民主主義国、あるいは日本で言えば、憲法の基本的人権などが、その『歯止め』にあたるのだろう。今、護憲を唱える人々の中には、そういう『歯止めとしての憲法』に期待している人々もいる。
私自身は自然権などという抽象的な概念による人権には反対の立場なのであるが(人権は基本的に、そして実質的に国家が保障しているものなのだから)(それこそC国ウイグル人に基本的人権はない、そのことにウイグル人たちは憤っている)(どういう時に人権が保障され、どういう時にはそうではないのか、不文律で納得できうるものなのか、日本の場合も詳細に明記する必要があるのか)(一方で感染症などという本当に危険かどうか、これまでの対策について検証のない段階で、『政府行動計画』などという形で制限されることについては大反対である)。今後、台湾有事などが懸念される時節柄、さまざまな議論が必要になる項目だと思われる。
また、今回は特に自分が興味のあるところにフォーカスし、そのほかのところは大幅に簡略化した紹介になっている。なので、もし興味を持っていただけたのなら、ぜひ、本書を直接手に取っていただければ、と思う。
引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。
おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために
ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
やまたつ氏のYouTube番組:カナダ人ニュース
やまたつ氏の本
LGBTの語られざるリアル
ソ連スパイ:ベズメノフ
スイス:民間防衛
共産主義のみではなく、あらゆる危険から身を守る方法。
こちらはその日本版。
超限戦
オーストラリアの元国会議員の警鐘
パリ五輪演出
BBCもNHKも肝心なところはカットされている…。あまりの評判の悪さに「なかった」ことに!?されている!?
マリーアントワネットの首は残っている 。