2022年の2冊目
は、胎児の同意を得なければ出産できない近未来を舞台にした衝撃作!
『生を祝う』(李琴峰 著)
昨年、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川賞を受賞された李琴峰さんの、芥川賞受賞後第一作としても注目をされた話題作です。
【あらすじ】
出生前に胎児の意思を確認する「合意出生制度」が法制化された近未来の日本。胎児には遺伝や環境などの要因を基にした「生存難易度」が伝えられ、生まれるかどうかの判断がゆだねられる。出生を拒んだ胎児を出産した場合は「出生強制」の罪に問われる世界で、同性婚をしたパートナーとの間に人工妊娠手術により子を宿した主人公・立花彩華。彼女が、葛藤しながらくだす決断とは――。
本作は多分、読み手の捉える“軸(視点)”がどこかで、感じ方が大きく異なるんじゃないかと思います。
例えば、ある人は「死生観」を、別のある人は「親の権利」を、また別の人は「子どもの権利」をそれぞれ“軸”に捉え、本作を受け止めたと思うのです。(他にももっとあると思いますが、一例としてご容赦ください。)
そんな自分は「子どもの権利」を“軸”に本作を受け止めました。
本作を読みながら、ずっと頭に浮かんでいたのは、2019年4月1日にデンマークで施行された新離婚法における子どもの権利についてです。
(詳しくはコチラ↓↓)
自分はこの新離婚法が施行されたことを知ったとき、このような視点の法律や制度がもっと広がって欲しいと思いました。そして、それは今も変わりません。
子ども自身にとっての最善が、親の子どもへの権利以上に優先されるべきことって、現代の社会にもたくさんあると思うのです。
あなたは一体、何の”軸”で本作を受け止めましたか??