遠足のおにぎり
おにぎりが好きです。梅やツナマヨ、鮭もよいけど、一番はすじこです。あ、焼おにぎりも捨てがたい。おかか醤油もいいし、味噌を塗るのもよいなぁ~。
高校生のとき。朝お母さんに握ってもらっては、休み時間や帰りの電車の中でもぐもぐしていました。大学生のとき。大学の寮の小さな炊飯器で炊けるだけお米を炊いては、おにぎりを作り、冷凍庫に常備していました。
おにぎりを持っていると、強くなれる気がする。一粒一粒寄り添って、空腹を満たしてくれる米粒たち。パリパリもいいけど、海苔はしっとりシナシナ派。おにぎりがいてくれれば、わたしは穏やかになれるし、優しくなれる。(ちょっと大袈裟)
昨日は潰瘍性大腸炎の外来日でした。わたしは現在症状は落ち着いていますが、レミケードという点滴治療に定期的に通っています。
ステロイドがとてもよく効く体質なのですが、ずっと服用するのは副作用の面で望ましくないのです。
わたしの場合、ステロイドを減らしていく過程で症状が悪化してしまいました。そのため、主治医の先生と相談して、ステロイドをいつか飲まなくてよくするために、点滴治療であるレミケードをしながら、少しずつ減量にチャレンジすることになりました。
昨日は、そのレミケードの3回目でした。採血、診察のあと、点滴を行う専用の部屋で3時間ほどかけて点滴をしてもらいます。
ベッドは7台。看護師さんが、血圧や体温を測ったり、常に様子を診ていてくれます。レミケードの他にも、抗がん剤や、色んな点滴を受けている患者さんで、ベッドはいつも、ほぼ埋まっています。
お昼の時間をはさむので、ベッドの上で、持参したご飯を食べます。お昼頂きます、というと、看護師さんが、ベッドの周りやテーブルを拭いて消毒してくれます。
このときだけは、マスクを外して、他の患者さんと顔を合わせながら、ご飯を食べます。わたしはお茶とビスコ、握ってきたちっちゃなおにぎりをふたつ、食べました。梅しそと、とりそぼろ。他のかたも、片手で食べられるおにぎりやサンドイッチを食べています。部屋に1台だけあるテレビに、1本千円のバナナが映り、こんなの誰が買うんだろうねぇ、と、皆で笑いました。
何かに似てるな、と思いました。同じ空間で、同じ景色をみて、おにぎりを頬張る、この時間。
小学校のときの、遠足みたいだ。
同じ釜の飯、じゃないけど、同じ部屋で同じ時間、点滴を受けながら一緒におにぎりを食べている他の患者さんに、なんだか仲間意識が芽生えてきます。
点滴が終わり、この部屋を出れば、またそれぞれの病気や暮らしと向き合う日々に戻っていく。
それがわかっているからこそ、このひとときのランチタイムが、すごくかけがえのない時間に感じたのでした。
今回も無事に治療を終えられたこと、穏やかなランチタイムを過ごせたことに感謝。ありがとうございました、と言って部屋を出ました。
次回は2か月後です。それまでまた、わたしの毎日を顔晴ろう。