そなたは美しい。
ずっとびくびくしてきた。
いつ、虐げられるか。
僕は、浮いていないか。
いじめ。
そんな陳腐な言葉があって、
それが起きたのかも分からない。
遠い昔。
20年以上も前の話。
学校に入った僕は、
多分いじめられた。
陳腐だけれど。
ずっとびくびくしていた。
お弁当の中身。
好きな色。キャラクター。
全く無い運動神経。
自分に自信を持つということが、
およそない学生生活だった。
中学でも、高校でも、大学でも。
何かしら、びくびくしていた。
自分の存在を証明しようとしていた。
成績。履歴書。留学。人脈。異性愛。体重。
やっと、びくびくしなくなった気がする。
ここまで人と違うことをして初めて。
証明が完了したのかも、わからない。