新宿伊勢丹が1人でサクッと飲み聖地であることをご存知だろうか
スイーツが好きだ。
そしてお酒も好きだ、いや嫌い…でも好きだ。
お酒に対する感情は、スイーツに対するものとは少し違って少し同じ。なんだこの感覚…。
私の人生における失敗の5割くらいはお酒のせいだと思う。酔っ払って人にダル絡みしたり暴力や暴言で傷付けたり…ということは無いはずだけれど、普通に気持ち悪くなって死ぬ。
それなりの量を飲むと眠たくなって、やりたいことがあっても出来なくなっちゃうし…お金はアホみたいにかかるし。
なんで飲んでるんだろ。
いくつかの理由は自分の中で明白だ。
ひとつは自分のブランド価値を上げたいがため。ブランドバッグを持って高い車を走らせるのと似た気持ちかもしれない。自分はこんなに高くて有名なお酒を飲んだのだから、きっと私自身の価値も高いはずだってね。くだらない…そんなことで人の価値は決まらないなんて、よく分かっているのにさ。分かっていても、そんなことに縋らないと、前を向いて生きていけないんだ。
けれど「経験」という点においては、お酒は十分に人の価値にだって影響を与えうる宝なんじゃないかとも思っている。
感動するお酒は、本当に自分の世界観を広げる。
意識して飲み比べることは、味覚を鋭くしてくれる。
味わいに向き合うことを教えてくれる。
そういう飲み方は、すごく良いと思っている。そういう側面があるからこそ、私はお酒をやめられない。
仕事帰りは新宿あたりで買い物をして帰ることが多いのだけれど、新宿って実は角打ちみたいな感じにサクッと飲めるお店はあまりない。私が知らないだけ説も濃厚だけど。その中で、新宿伊勢丹は実はサクッと軽く飲めちゃうお店がやたらと多い…訳分からん、多い!!!
ジャン=ポール・エヴァン
主にはショコラショーを楽しむお店だけれど、時々ペアリングでスパークリングが登場することも。
エヴァン様のマロングラッセはそりゃあもう、贅沢の極み。何度だって感動と一緒に頬張れる。たっぷりの染み込みとシャリッとした甘さはまさしく天にも昇る思いというやつだ。
お酒の話なのに、いきなりお菓子の話しかできない…。めっためたの甘さに、シャキッとした泡のきめ細かいスパークリングが最高に合う。
Caviar House & Prunier
キャビアのお店。
これで3,000円超というのだから、恐ろし……めちゃくちゃ散財したい気持ちの時に行くと救われる、かもしれない。
奥の方にあるから気が付かない人も多いかもしれないが、カウンターでサクッと入れてしまうのがまた怖い。全然サクッとじゃないんだな値段が…。
高いけれど、実際それだけの価値ある体験だとは思う。
サーモンのとろみと、キャビアの高貴なプチプチ弾けるコク深さ、それを華やかなシャンパンが綺麗に流していく。
シャンパーニュバー ザ スタンド
色々なシャンパンが楽しめてしまう、気軽に入れるバーが2Fにある。
バーというか…ファッションのお店の脇に、特に壁があるわけでもなく普通に自然とカウンターがドドンとあるんだよね。
新宿伊勢丹はデパ地下しか行かない勢には知られていないかもしれないが、勿体ないなと思う。
シャンパンだからまあ安くはないが、2,000円あれば十分楽しめる。
ルイ・ロデレールとか、ミッシェル・ゴネとか…正確なラインナップはその時々で変わるかもしれないが、なかなかシャンパンの有名どころが出ていて。美味しいシャンパンを飲んでみたい!という人は、ぜひ一度お試しあれ。という思いで最近周りの人にもめちゃくちゃ推している。
このトリュフがまたキレのある綺麗なシャンパンに合い過ぎで…どうしても合わせて注文したくなってしまう。
キッチンステージ
一定期間で切り替わり。出張有名レストラン、というところだろうか。
コース料理をメインに提供されており、流石にそれを仕事帰りにサクッと楽しむのは気が引けるが、スイーツだけの注文でもOKなのでそちらを楽しみに時々行く。
基本は珈琲セットだろうか。
でもここではお酒の提供もあって、気分によってお酒の方を注文したりもする。
白ワイン 2019シチリアムニール シチリア
明るいイエローが本当に綺麗で。厚みある果実味。ぴちぴちと弾けるような元気のある酸味。しっかりと感じられるミネラルはいかにもシチリアらしく、…あ~魚に合わせたい!!!
果実の皮を思わせる渋さがまた良き。
No Code 米澤シェフ ブラウニー&チーズケーキ
味わいの強さに、一瞬で全身魅了される。
濃厚なビター感がどっしりと乗ってきつつ、中央は驚くほどトロリと軽やかだ。チーズは、全てが統一されたなめらかさで。ぎゅっと詰まっているのに、柔らかだ。クリーム含め、香りの良さに酔いしれる~!
ミールアットホーム
スイーツやお惣菜が売られているデパ地下1Fよりも更に下…何故かワインのテイスティングバーがある。
何故か、というのは、だって地下1Fの方にメインのワイン売り場があって、そちらで有料試飲のカウンターがあるから…きゃら被りしてない???
でも実際行ってみると、まあ違う。
多分こっちは、ナチュラル系なワインに厳選されたところかな〜。テイスティングバーではちゃんとメニュー表が置いてあって、先に注文とお会計を済ませてしまう方式。追加注文は無しで、1人20分。
すごく気になって何度も前を通ってはみたものの、いまいちそこで飲んでる人を見かけなくて…店員さんに話しかけるの緊張した〜。
ワインの味わいが相当に独特で楽しすぎたから、ここはぜひまた行きたい通いたい。
2021 セグヴュール ヤン・デュルマン
白桃のような色!! やや微炭酸にも思える、舌にピリリとくる酸。柑橘果実の苦味も、それを覆う全体的などっしりとした甘さもあり、非常に充実した飲みごたえ!
"ピンクグレープフルーツの皮""はちみつ漬け"という説明文には凄く納得できる。
お酒は本当に詳しくないから、この説明文と共感や「自分はこう感じるな?」という相違のすり合わせの繰り返しこそが感性を磨いてくれる気がして楽しい。
2021 ヴァン・ド・サヴォワ・モンドゥーズ アドリアン・ダカン
めーっちゃ不思議な香り!ワインでは全く飲んだことのない味わいで、でもどこかで…と思って記憶を探ると…そうだ、パフェで食べた、椎茸のダシ…。??マジです、椎茸のダシ。
不思議な記憶の連鎖が、楽しかった。
それに重なるスミレや赤果実の香りが、華やかな密度を高めていく。
ISETAN CRAFT BEER BAR
新宿伊勢丹に登場した、サクッとクラフトビールが楽しめるお店。流石まだまだ仕事終わりの時間などは混んでいるようで、1時間後のラストだけは予約で枠を確保することができた。
枠は30分毎で、1人3杯まで。
毎週水曜切り替わりで、今週は奈良醸造さん。
スッキリの定番「ファンクション」とスパイシーが楽しい「ワンダーランド」を。
クラフトビールはまだまだよく分からないけれど、飲み比べてみると確かにスッキリだったりスパイシーだったりするのがはっきりと分かる。
グランドカーヴ
伊勢丹で飲めるカウンターといえば、ここを上げる人が最も多いかもしれない。
とはいえ、なかなかの敷居の高さではある。1度利用してしまえば何度でも通いたい場所になるが、それまでは何度も何度も前を通り過ぎては入れないままラストオーダーの時間が過ぎて諦めることを繰り返す。
カウンターの向かいにある柱で販売されているお酒のプライスカードに「有料試飲」と付いているものがあって、「この有料試飲いいですか?」等と伝えると提供してくれるという流れが基本的。
でも時折…というか結構な頻度で、飲み比べや、時にはペアリングなどのイベント試飲的なのが開催されていて…その場合はカウンターの方にメニューが置かれていたりする。
普段は1人15分、でも内容によっては30分の時もある。
めちゃくちゃ楽しい。
世界が広がる。
ワールド ミート バル ニッシン
はもんみなかみ&プロセッコ
お肉売り場。
ちゃんとこっち側に足を踏み入れないと分からないが、なんかカウンターがある。そこで食べて飲めるらしいことはボードの記載を見れば分かるのだが、なにせお肉を販売しているショーケースがカウンターの逆側にあって、店員さんも基本そちらの対応に追われていたりして…どこから話しかけたらいいのか分からない。
というか、皆が普通に家で料理する食材などを検討している中心で、食べて飲むのか…微妙に恥ずかしい。
でもここが、最後なんだ多分。
伊勢丹のレストラン街以外で飲めるお店を制覇したい。あ、そういえばペニンシュラってお酒の提供もあったっけ……あったらそちらはまだ未経験だけど、あそこではコーヒーを飲みたいから多分一生未経験だ。
ワインはそうでもないがお肉はそこそこ高そうので、全部で2,000円くらいかなあと踏んでいたのだけれど…人気セット的なので、1,100円。それなら本当にサクッとという感じ。
お肉うっっっま。
しかもこれがプロセッコとべらぼうに合う。
瓶とプラスチックカップを渡された時には一瞬「え?野球の応援か??」なんて思ったが、全然おいしい。
このセットでお花見楽しみたいよなという感じがする。
レストラン街でだって美味しいお酒を飲めるお店はたくさんあるだろうがレストランはほら…お酒のコスパがアレなところがあるからね…良いお酒と料理を買って家で食べた方が…なんてケチくさいことを考えてしまう。そりゃあ誰かと飲むのならそんな金銭のことを持ち込んだりせず純粋に楽しみたいけれど、1人だったらコスパ良く楽しみたいよな!
とはいえ、とはいえ…ボトルばっかだと種類が……だから、角打ちやペアリング、飲み比べなどができる機会をいつも探っている。
探っていたら、伊勢丹で沢山のお酒と出会えた。
これからも出会う。
そうやって飲んでいたら、買い物にきていた職場の人とうっかり目が合って、超恥ずかしかった。