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【本】『神様のカルテ0』~0なのに4冊目、読後感の良い小説
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今回はブックレビュー。
「神様のカルテ0」は、夏川草介さんによる人気シリーズの4作目です。
私は全く予備知識なしに手に取り、4作目を初めて読んでしまったのですが、シリーズの登場人物たちの過去を振り返る内容だったようです。
順番に読んだ方が物語をより深く理解できるかもしれませんが、それでも独立した作品として、?がありながらも、楽しむことができました。
Amazonのレビューにあった「読後感が良い」というコメントは、まさに的確な表現です。
心が疲れているときに読むと、優しく癒されるかもしれません。
実はこの作品、2011年頃に桜井翔さん主演でドラマ化されていたそうです。
私は全く知りませんでしたが、皆さんはご存知でしょうか?
医学生から研修医へ、成長の物語
主人公は医学生から研修医になっていく若者です。
彼の成長と、病院の様子が短編形式でいくつも描かれています。
正直なところ、話のつながりに少し違和感を覚えましたが、それは私が1冊目だと思っていた本が実は4冊目だったからで。。。
それぞれの話は非常に良く書かれていますし、安心して読めます。
命と向き合う医療現場の緊迫感
医療現場、特に救急の現場の緊迫感や、手術室のスピード感は私の大好きなところです。
数は多くありませんが、そんな緊張感のある場面と、病院の人間模様が巧みに描かれています。
でも、メインは高齢者医療のお話でしょうか。
私も介護に悩まされたので、考えさせられること、多かったです。
経営の難しさも垣間見える
病院経営の難しさにも触れられており、医療制度の制約の中で奮闘する姿が描かれています。
病院も慈善事業じゃないですからね。
でも、自分が高齢で一人になった時、さっさと退院させられたら不安になりそうな気持ちはわかる。
生と死を見つめる優しいまなざし
物語の舞台は長野の病院。
最近話題の「マウンテンドクター」を思い出させる、山岳救助のエピソードも印象的でした。
山は、自然は、怖いですよね。
地震雷火事親父、親父は大丈夫なんですが。
この小説の魅力は、命との向き合い方を優しく描いている点です。
末期がんの患者さんとの関わりや、山での遭難事故など、重いテーマを扱いながらも読者の心を温かくしてくれます。
心に響く人間ドラマ
主人公を取り巻く人々の関係性も丁寧に描かれており、命と向き合う方法を考えさせられる2本柱の物語構成になっています。
少し疲れているときや、心がクサクサしているときにおすすめの一冊です。
ドラマも気になりますね。
私も探して見てみようと思います。