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秋のかそけき光の中で詠む【白杯】

秋が深まってきました。
木々の葉もほのかに色づいてきています。

人を詩人に、俳人にする、秋。

もう外に出ていいのだと思いつつも、ためらいながらとどまっている私。

そんな自分が歯がゆくもあり、とどまることも勇気なのだとも思い。

ゆらゆらと揺れています。


そんな中で詠んだ俳句は、みな家の中でした。


燈火親し 未読の本の 背を眺む


季語は「燈火親し」。

とうかしたし みどくのほんの せをながむ

日が長くなり、読書の秋。

読んでいない本が山積みされています。

どれから読もうかと眺めながらも、分厚い本にはまだ手が伸びません。

分厚くなくても、滞っております。

はあ、情けない。(「読んでないんかい!」と自分で突っ込んでおきます)


ほの暗き 厨に光る なすの艶


季語は「なす」。くりやは台所のことです。

ほのくらき くりやにひかる なすのつや

朝の薄暗い中。

朝ごはんとお弁当の支度をしようと、台所へ。

20211028なす

そこにつややかな尻を見せる、黒いなす。

いつもの私から、少し距離を置いて読んでくださると幸いです。

実は、ちょっとなまめかしい気持ち、入れています。うふ

薄闇の中の、尻の艶でございます。



秋なすはおいしいですよね。

私はあげ焼きして、だし汁につけるのが好きです(おまけ)。

20211028なすの揚げ出し


弁当の すみに残りし 芋ひとつ


季語は「芋」。

べんとうの すみにのこりし いもひとつ

息子に作ったお弁当。

帰宅後のお弁当箱を開けたら、おいも(里芋)がひとつだけ食べ残してありました。

食べにくかったのか、時間がなかったのか。

ほのかに寂しく、残念な気持ち。

ひょいっとその芋をつまみ上げて、食べてしまいます。

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秋。

食欲の秋、芸術の秋、いろいろいわれますが・・・

感じるほのかな寂しさは、涼しいせいだけでしょうか。

物思いにふける時間がふえます。


透明な空気と高い空に手を伸ばしたかったのに。

詠んだのは、ほの暗い家の中ばかりでした。

万年筆

白さんの「みんなの俳句大会企画」【白杯】に参加しました。

最終日に滑り込みセーフ、です。

白さん、遅くなって申し訳ありません。

ああ、もっと考えたかったのに、中途半端な句になってしまいました。


※イラストはおくちはるさんからお借りしました。ありがとうございます。

ありがとう森バージョン


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川ノ森千都子(ちづこ)☘️モノカキスト
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