「特別なごはん」はいい時だけじゃないけど思いが羽ばたく時もある
「へ~、おもしろい! 甘くておいしい」と息子。
「おいしいけど、それよりおもしろいね」と私。
「う~ん、悪くないけど・・・これが3日続くと、つらいかも」
「でも1週間以上続くこともあるんだよね」
同じく息子と私の会話。
誕生日とか、記念日とか。
そんな特別ごはんは楽しいけれど。
それだけが特別じゃない。
上は、宇宙食の感想で、下は非常食の息子の感想。
色々な特別ごはんがあって。
いいときも、悪いときも。
たとえば、特別な特別ごはん。
宇宙食。
宇宙日本食は26社の47品目、ある。
いくつか食べたことがある。
お湯を注入して、いただく。
汁が飛び散らないようにとろみがついていて。
ちょっと味が濃い目。身近な、おいしさ。
フリーズドライだから、ちょっとぱさっと感はあるけれど、肉の食感がしっかりある。おつまみに、いい感じ。
アイスクリームだけど冷たくない、でもアイスクリームの感じで溶ける。
不思議な食感。
どれも科学館や通販で買うことができる。
おいしい、といいきれないけれど、おもしろい、という感じ。
この宇宙食開発の裏話を書いたマンガを見つけた。
宇宙食開発の裏話や、紆余曲折を知った。
宇宙船内に飛び散らないようにするための、研究。
常温で1年半持たせる(!)ための工夫。
それが苦労じゃなくて、宇宙への夢なんだな、と感じさせてくれる。
主人公の晴可くんは、背が小さくて、宇宙飛行士をあきらめた(今回の宇宙飛行士募集では、その条件は撤廃)。
そしてJAXAの職員になって、宇宙食の開発で「宇宙に近づいている」。
こういう宇宙への近づき方って、いいなって思えて。
それ以外の、特別食もあって。
たとえば、27年前の1月17日、阪神淡路大震災も。
2011年の3月11日の東日本大震災も。
非常食という名前の、特別食もあって。
必要だけど、おいしいといっている場合じゃない。
そう思う。
でも。
宇宙食の賞味期限は、常温で1年半。
だから災害食にもなるという、取り組みが進んでいる。
ワクワクする、とは言えないんだけど。
でもつらい時でも食べるなら、少しでもワクワクできたらいいな。
ちょっとでも、元気が出たら、いいな。
「これ、宇宙飛行士も食べているんだね」って言いながら、食べたら、少し目が宇宙に向く。
10年前に息子と食べた時、(メニューはアイスクリームと、・・・なんだったかな)
小学生だった息子は「う~ん・・・口がぱさぱさする」「味が濃いんだね」と微妙な表情のあとで、
「でもなんか、おもしろいね。そっか、これが宇宙食かあ」とおもしろそうな表情に変わった。
そんな風に、ちょっとでも思えたら。
いろいろな、特別の日に。
私もちゃんと備えなくちゃ。
日常と変わらない、と思えるごはんと。
遠くに思いを馳せられるごはん。