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はじめての初釜
今日は初釜の話をしましょう。
お稽古を始めて1年ぐらい過ぎた時に《ハツガマ》という言葉を耳にしました。
《ハツガマ》
耳で聞いた初めての言葉は漢字も思い浮かばず、もちろんその言葉の意味もわからず。でも『《稽古初め》みたいな感じで気楽に……』という先生のお言葉でどうやら年始のお稽古をそう呼ぶみたいだな、と思った程度でした。
そういえばお稽古を初めてすぐの年明けの時に着物を着て来られていた方がひとりおられたのを思い出しました。何も知らない上に何も考えていなかったワタシにとって、1月のお稽古は学校で3学期が始まったばかりの頃、というお粗末な感覚でしたが、実はそれには《稽古初め》という名前がついていて、その方は《初釜》と考えて着物を着て来られていたんだな、とようやくわかった次第です。
その後、祖母に尋ねてわかりました。その年の1回目のお稽古としての《稽古初め》だけど、お茶会と新年会を兼ねた意味合いもあり、それを《初釜》と呼ぶのだと。
ワタシがお世話になっていたところでは初釜の際はいつものお稽古場ではなく、先生の別宅でお茶事の形式で行われました。問題は何を着ていくのか。何も考えていなかったワタシは洋服の方がラクでいいな〜などと思っていたのですが、どうやらみんな着物を着ていくみたいで。
それならワタシも着物を着て行ったほうがいいのかな……。面白そうだけど、よくわからないことって緊張するし、それに着物で行くのって何だかめんどくさそうな気も。締めつけるようなイメージもあるし、しんどくならないといいなぁ……という感じでした。つまり、自分本位な思いばかり。このときワタシには、自分は着せてもらうだけだということは頭にありませんでした。着物を引っ張りっ出して準備をして着慣れていない人間に着物を着せて車で送り迎えする母の方がずっと面倒だったのは間違いありません。改めて感謝です。
そんなこんなで着物で行くことになり、母のおふるの着物を着せてもらい、初めて「初釜」なるものに参加することになりました。
これまた何が何だかわからないし、言われるまま動くのみ。この時どんなふうに何が行われたのか……正直言ってあんまり思い出せません。その後、毎年同じことを繰り返していくうちに最初のあの年も恐らく同じことをしていたんだろうな、と思うに至っています。この《同じことを繰り返す》ことが、お茶に限らず何かを学んだり身につけたりするのにはとても大事で、しんきくさそうに見えて、実はこれが手っ取り早いということ、最近になって気づきました(気づくまで随分時間がかかりました)。
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yousaku_tsutsumiさん、ありがとうございます!
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